あるモノを擬人化した話
つい先日、ヤクルトレディーがウチ来た。
バレンタインデー前だったからかヤクルトでは、ヤクルトとチョコレートをつくっている企業がコラボした、ここでしか買えない生チョコレートを販売しているというので、購入してみた。
食べてみると、かなり濃厚でチョコレートケーキを食べているような感覚のチョコだった。
うちの子どもには大好評で、独り占めしたいと言っていたほどだ。
そんな話から、ヤクルトレディーの話が始まった。
「実は、私…チョコレートを売っておきながらアレなんですけど、チョコレートが嫌いなんです」
なんと!?
こんなに美味しいチョコレートが嫌いという人がいるんだ〜という驚き。
チョコレート。
見た目も高級で、上品で、可愛くて、甘くて、しあわせな気持ちにさせてくれるのに。
人に例えたら、チョコレートは最高にみんなに好かれる立場の人では?
それを嫌いな人がいる!?
ヤクルトレディーはこう続けた。
「口の中にいつまでも甘いのが存在するのが耐えられないんです」
なるほどー。
…って、そこがチョコレートのいいところなんじゃないの?
と、私は思ったのだが、価値感は人それぞれなんだなぁ~と思った。
人間関係でみると、チョコレートのような人気者でも嫌われちゃうんだから、そもそもみんなに好かれようと思うこと事態が間違っているのかもと思った。
すると、彼女はこんな話をしだした。
うちの子が「チョコレート買って」というので、30個くらい小分けに袋に入ってるチョコを買ったんです。
そしたら3つ食べたくらいで、「もういらない」と言われて、私もチョコレートが嫌いで食べられないのでヤクルトセンターに持っていって、職場の人たちに
「チョコレート持ってきたから食べてね」
って、自分の机の上に置いといたんですよ。
みんな朝から配達にでちゃうので、
「帰ってきたらいただくね」って言ってたんですね。
それで配達から帰ってきたら、職場の人たちに怒られちゃったんです。
「なんで?」と私が尋ねると、彼女はちょっとやっちまったなーみたいな感じで話しだした。
「私の机は窓際にあって、直射日光がバンバン当たる場所なんです。その日はめちゃめちゃ晴れていて、帰ってきたら、袋の中のチョコレートがドロドロに溶けてしまって食べられる状態ではなくなってしまったんですね」
爆笑!
「いくらチョコレートが嫌いだからって、興味なさすぎる!チョコレートは直射日光に当てたらダメなんだよ~」
と職場の人たちに責められたそう。
こうして上品な甘い口どけのチョコレートは台無しになってしまったのだった。
このチョコレートを人に例えたら、せっかくいい才能を持っていても置かれる場所(環境)が間違っていると発揮できないで終わるという図が私の中でイメージされた。
チョコレートの立場からすると、いくら人気者でも、日が当たる場所ではなく、日影に置くのがよい。
影あってこそ、良さが発揮できる存在だからだ。
そう考えると、人生も日に当たる場所がいいと思われがちだが、そんなことはないと言えるのではないかと思った話であった。
自分が輝けるのは、自分にふさわしい場所が一番なんだと考えさせられる深い話であった。
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