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エッセイ/先輩と後輩

「先輩」という言葉を初めて使ったのは中学生のときだろうか?
先輩には敬語を使わなければならないとか、先輩を見かけたら自分から挨拶をしなければならないとか、先輩がくる前に部活の準備をしておくとか、かなり厳しく教育を受けて育った。当時の髪型は男子は丸坊主で女子はおさげと校則で決められていた。
週休二日制もなく、土曜日は午前中まで授業があって、午後は日が暮れるまでガチ部活動。もちろん日曜日も午前中は部活動。
ほぼ休みなしだった気がする。

自分が親になって、今の子どもたちの様子をみると、髪型もわりと自由だし、先輩、後輩も仲よくやっているよう。
私の時代とはかなり違っている。

小中一貫校で1年から9年までの子どもたちの運動会。
いや、「スポーツフェスティバル」。
運動会ではなく、スポーツフェスティバルと呼ぶのも今の時代っぽい。

その一連の中で、こんな場面を目の当たりにした。

「先輩、それ俺が持ちますよ」
カラーコーンの片付けをしていた先輩女子に声掛けをしている男子生徒がいた。
「いいよ。これくらいは運べるから」
と、先輩女子。
「そんなの先輩に運ばせられないっすよ」
と後輩男子。
「だいじょうぶ。これも運ばなきゃ…」
と、手を伸ばそうとするものの、彼女が持っている大きなカラーコーンが邪魔をして、地面に置かれている小さなカラーコーンになかなか手が届かないでいると、そこに後輩男子が、
「じゃ、これは俺が運びます」
と言って、サッと持ち上げたのだ。
二人はいい感じの雰囲気で微笑み合っていた。

こんなの…漫画でしかみたことない!
青春だなぁ。
若いっていいな。




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