メインジョブ「CHANGES/変化」について
※この記事には「サイバーパンク2077」のネタバレが含まれています。
はじめに
この記事は、「サイバーパンク2077」のメインジョブ「CHANGES/変化」についての感想・考察です。
以前書いた記事と同様、タイトルから元ネタ楽曲の推察も行います。よければ過去の記事もご覧ください。
この記事で取り扱う内容は、過去に書いたものよりも筆者の想像が多分に含まれることをご了承ください!
メインジョブ「CHANGES/変化」について
冒頭にも記載しましたが、この記事にはネタバレが含まれます。特にメインジョブ「CHANGES/変化」は物語の結末に関わるものですので、閲覧にはご注意ください。
このメインジョブの内容を簡単に説明します。
「神輿」のアクセスポイントに辿り着いたV(選択したルートによってはジョニー)が、物語の結末に関わる選択をするといった、最も重要とも言えるメインジョブです。
「神輿」の内部、サイバー空間にてプレイヤーは、Vの体に残る意識体はV本人かジョニー、どちらのものかという選択を迫られます。
なぜ「CHANGES/変化」というタイトルなのか
メインジョブの内容を確認したところで、なぜ「CHANGES/変化」というタイトルがついているのかを考えてみます。
このメインジョブだけで言えば、「選択」であるとか、「別れ」といったワードの方がしっくりきそうなものです。
この「CHANGES/変化」というタイトルは、プレイヤーが体験した物語を総括したものなのではないかと思います。
さらに飛躍しますが、「サイバーパンク2077」という作品のテーマのひとつに、「CHANGES/変化」が掲げられているのではないかと思います。
近未来に求められる変化
「サイバーパンク2077」の舞台となる近未来の世界では、技術的な進歩が大いにみられ、しかし、それによって幸福を享受出来るのはほんの一部の富裕層のみです。
「勝者と敗者」という強固な構図があり、「敗者」としてスタートした人生は「敗者」のまま終わりを迎えるのがほとんど、という世界観に思えます。
この作品で描かれる近未来は「敗者」にとってどん詰まりの状況であり、だからこそ、ジャッキーやジョニーといった登場人物は「変化」を望みます。
平穏な生涯と栄誉の死
「平穏な生涯と栄誉の死、どちらを選ぶ?」という台詞は、物語の序盤にデクスター•デショーンが放ったものです。
実際は、ナイトシティに「平穏な生涯」というものは存在しません。
「平穏な生涯」を選択しようとしたデクスターも、頭を撃ち抜かれあっさりと命を絶たれてしまいます。
あくまでデクスターの台詞を借りての表現になりますが、ナイトシティで価値ある人生を送るには、「栄誉の死」という選択肢しかないように思います。
言い換えれば「静的な人生」か「動的な人生」のどちらを選択するか、であり、「動的な人生」に伴うものが「変化」だと思います。
ナイトシティでは、「変化」をし続けるものだけが、価値のある時間を過ごすことが出来るのではないかと筆者は思いました。
「神輿」での選択
Vの体はRelicによる侵食が激しく、すでに脳の構成はジョニーのものに書き換えられています。
ジョニーの意識体をVの体に残した場合、Vは今までのVという人間とは別人となります。文字通りの「変化」を迎えるわけです。
Vの意識を残した場合、脳はそれを受け入れられず、余命わずかな状態で「神輿」を離れることとなります。
そこから先の展開は、エンディングのネタバレとなる為伏せますが…「動的な人生」を選択したVの姿を見ることが出来る、とだけ。
「CHANGES/変化」は「サイバーパンク2077」を象徴するメインジョブであり、こうしたとらえ方をすることで、「CHANGES/変化」というタイトルがついているのではないかなと思いました。
楽曲「Changes」について
そんなメインジョブ「CHANGES/変化」ですが、タイトルの元ネタと思われる楽曲が、「Changes」です。
「Changes」は以前の記事でも取り上げたDavid Bowieの楽曲です。
生前のライブで最後に披露されたのはこの曲だったそうです…。そのエピソードから、終盤を飾るタイトルとして引用されたようにも思えてしまいます。深読みし過ぎのような気もしますが…。
「Changes」は歌詞の解釈が難しい曲のようで、翻訳されているものをいくつも見ましたが、人それぞれの訳し方がありました。
共通の見解かつ、筆者もそのように思いますが、綴られているのは「人生そのものにまつわるテーマ」であり、「経験したことのないものと向き合い、変化をし続けるんだ」といった詩のようです。
楽曲と「サイバーパンク2077」との繋がりについて
「Changes」というタイトルの楽曲は、David Bowieの手によるもののほかにも沢山あります。なので、「CHANGES/変化」というタイトルがDavid Bowieの楽曲を由来としていない可能性もあります。
しかし、「サイバーパンク2077」はDavid Bowieの楽曲を題材として取り扱う理由があるというか…両者は決して遠からぬ関係にあります。
というのも、リンク先の記事によると、「サイバーパンク2077」の原作であるTRPG「Cyberpunk 2.0.2.0.」に登場するジョニー•シルヴァーハンドは、David Bowieからインスピレーションを受け制作されたキャラクターのようなのです。
さらには、一時はジョニー•シルヴァーハンドのデザインを、David Bowieの姿をデジタル化したものとするアイデアもあったとか。
そう考えると、最重要ともいえるメインジョブのタイトルの元ネタとして、David Bowieの楽曲を持ってくるというのは自然というか、相応しいものに思えます。
あとがき
随分と冗長な記事となってしまいました。
筆者は先日、DLC「仮初めの自由」の内容含め「サイバーパンク2077」のプレイに区切りがつきました。
本当に素晴らしいゲーム体験でした。しばらく経てば、また触りたくなるのだろうと思います。
各ジョブ名の元ネタと思しき楽曲はまだありますので、またこういった記事は書いてみたいと思います。
今回の記事は以上です。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。