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偉大な人の名前は使えない

 漢検を勉強していると尭や舜を使った熟語を目にします。例えば、「尭年舜日」(天下泰平の世の中であること)「堯風舜雨」(聖天子の恵みが天下に行き渡っていること)など。

 尭や舜は中国古代にいたとされている、伝説の王様の名前であることは有名です。二人とも、善政を行ったことで有名ですので、熟語に登場するときも、良い政治を表す時に用いられることが多いです。

 そう考えると、尭、舜は良い意味だなと思ったので、子どもの名前を考える際に、候補にしようとしました。しかし、夫に却下されました。なぜなら、偉大すぎるからというのです。中国では、偉大すぎる名前はつけないという考えがあるようです。立派な名前をつけておいて、大人になって大成しなかったら名前と釣り合わないから、というのが理由なのだとか。昔は、君主と臣下の名前が被らないようにした、という理由もあったそうです。

 だから、昔はあえて子どもの幼名(小さい頃の呼び名のようなもの。本名ではない。)はわざと立派でない名前をつけていたようです。例えば、豚とか犬とか、お尻なんていうのもあるそうです。呼ばれる方は嫌ではないのかと思いますが、大人になってから身の丈にあった名前をつけていたようです。

 名前の付け方に関しては、他にも決まりがあって、親や祖父母の漢字を使わないというのがありました。一文字でも同じだと、兄弟のようになってしまうのだとか。日本なら、良くあると思います(例えば、父親の名前が「浩平」なので、息子は「浩太」にしたなど。)この点に関しては、夫よりも夫の両親が気にしていました。

 私は名前は「日中両方で通用すること」「画数がいいこと」を条件に探していました。そこに、「親や祖父母と漢字が被らない」「偉い人の名前はつけない」など、かなり条件を絞ると、名前は限られてきます。

 もちろん、「豚」や「犬」という名前にはしていませんが。

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