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【中国ドラマ】司馬懿って誰だっけ?から始まった

 『三国志』を殆ど知らない私が『三国志』にハマるきっかけになったドラマが、『司馬懿 軍師連盟』だ。

 私は李姉妹のYouTubeチャンネルが好きで、そこにお勧めドラマとして紹介されていたので見てみることにした。

 はじめは、「なんか大河ドラマみたいな感じだな。まあ、ゆっくり見よう」と思ってマイペースに見ていたところ、『三国志』大好きな夫が興味を持ち始め、一緒に一気見することになった。

 話の内容としては、『三国志』を司馬懿の視点から描いたものになる。

 しかし、私はそもそも「司馬懿って誰だったっけ…?」という段階からスタートした。
夫に言われて「そういえば曹操の陣営にいたっけ。」と思い出した。それくらいの知識の持ち主の私がハマったのだから、『三国志』を知らない人が見ても楽しめるだろう。

 とはいえ、この『司馬懿』は殆ど魏側の話なので、有名どころの劉備、関羽、張飛はほぼ登場しない。名前くらいしか出てこない(劉備だけ、出てたかも)。
 呉の国に至ってはかなり影が薄い。
 話題にされてたかな?くらいの印象しかない。

 それでも、かなり面白かった。
 理由は恐らく「家族思いな司馬懿」が主人公だったからだと思う。

 司馬懿は、最終的に魏を乗っとるので、基本的には悪者キャラとして描かれることが多いようだ。

 ところが、この『司馬懿』のドラマは司馬懿の慎重な性格をさらに深掘りして「どうしてこんなに慎重な性格だったのだろう?」と考察した結果、「家族を守るために慎重になった」と結論を出したように見える。

 私はこのドラマから『三国志』に入った人なので、「司馬懿=家族思いの良いおじさん」というイメージしかない。家族を守るために目立たず、慎重に謙虚に行動してきたというように描かれている。

 なるべく敵を作らないように、自分に矛先が向かないように、上手く立ち回っている司馬懿を見ていると、仕事にも生かせるような気がしてくる。

 一番の見所は、後半の諸葛亮孔明との戦いだと思う。お互いが戦略を練り、戦うシーンはとてもはらはらした。お互いが常に相手の裏を読んで行動している。裏の裏の裏を読みすぎて失敗することもあるけど、納得できる。

 特に「空上の計」は感動した。

 本当は追い詰められていて全く余裕がないのに、琴を演奏して余裕があるように装っている孔明の度胸と覚悟は計り知れない。(史実ではないようだけど。)

 孔明が死んだ後は、魏の曹叡も亡くなり、昔からの重鎮が司馬懿だけになってきた頃に魏を乗っとることになるという展開は、「ついに本性を現した」という感じ。

 信頼できる仲間もこのあたりからどんどん亡くなっていくので、見ていて切なくなる。

 『宮廷の諍い女』でも、権力に近づけば近づくほど信頼できる仲間が死に、主人公がどんどん孤独になっていく。

 『司馬懿』も全く同じ構造で話が進んでいくので、やはり権力者に孤独は付き物なのだろうと思ってしまう。

 それにしても、曹一族の三代(曹操、曹丕、曹叡)に仕え、亀のようにじっとタイミングを待ち続けていた司馬懿には恐れ入る。劇中に登場する意馬というペットの亀は、司馬懿の象徴だろう。

 さらにその後、子、孫の代になって晋という国を作る訳だから、かなり時間をかけて野望を達成した人とも言える。

 夫は「財や権力を成すには、三代までやってようやくできるんだ」と解釈していた。

 なるほど、それは今の政治家を見ていると確かにそう言えるかもしれない。

 野望や夢は自分の代で叶えきれなければ、子どもや孫に託すというかたちで達成するという方法があるのか。

 良くも悪くも、結婚して子どもを持ち、子孫たちに志を伝えていくというのはというのは、意味のあることだと思う。

 

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