デジタルコンテンツにセールは無意味というお話。
今回、結論からいうと私がKindleにて出版した書籍が一週間限定で通常300円のところ99円で販売になったけど、まったく売上に影響しなかったということでございます。
私が無名も無名でこの書籍の存在を知る人の分母が少ないという理由があることに加え、表紙を目にした人のほとんどはこの書籍の内容が無価値だと判断したというのが根っこでしょう。溢れかえる情報の中から見つけてもらうことも難しいし、読んでもらうことはさらに難しい。
これは書籍にかぎったことではなく音楽ビジネスで末端であるアーティストの作品自体や映画などの映像作品がストリーミングサービスによって無価値に等しくなり、近年ではTSUTAYAなどレンタル店の閉店ラッシュが止まらない。そして、音源も書籍と同様にその存在を見つけてもらえない作品は多い。実際、私自身がやっていたバンドの作品がそうだったし。
音楽にそれほど詳しくない人がカラオケで歌うためにシングルCDを大量に借りていく時代も終わったんでしょうしねー。それに人気アーティストたちの新譜でさえYouTubeで、しかも映像つきで楽しめるのだから、そりゃそうなる。
私の暮らす街のTSUTAYAも気がついたら閉店していた。そしてレンタル店が閉店する際に行われるのが在庫処分セールである。これまで何人もの人々のお家と店舗を行ったり来たりしていたDVDやCD、漫画の単行本がブックオフよりもはるかに安い価格で投げ売りされていくのはもの哀愁を感じてしまう。
しかし2024年現在、それらは10円で売られていても誰にも買われないのが現実らしい。恵まれた便利な現代についていくことも諦めた私のような人間にとって虚無感で俗世に背を向けてしまいそうになる。サブスクなら月額1,000円ほどで一生かけても消費しきれないほど膨大な数の音源を聴くことができるのだから、それがパッケージ化されていることの意義は薄い。そもそもCDやDVDを再生できる機器を所有していない人も珍しくはなかろう。
CDの価値の本質はその物体ではなく、そこに記録されている情報。アイドルの握手券や特典のグッズとしての価値は熱狂的ファンだけにあり、「音楽や作品自体を売る」という意味では今のほうが売り方として正しいとも言えなくはない。CDなどの円盤は言うなれば「器」。いくら器が豪華であろうと中身が誰も求めていないものならば誰も買わない。昔は器がなければ手に入らなかった情報がネットで中身のみが手に入る。そりゃ誰も円盤など買う理由がない。そして、そのことに価格は関係もなければ影響もほぼない。
かつては1枚でストリーミングサービスの月額料金よりも高額な音楽や映像という中身が入った器である円盤を買っていた。それ以外に音楽や映像を楽しむ手段がなかったから。
今やそんなことをする必要がない。たとえ安価でも不要なものにお金は出さない。必要かつ問題を解決してくれる製品やサービスならお金を出す。
自動車やスマホ、生活に不可欠な家電などは最低価格が安くなくても売れる。
結局のところ、不要なものが安かろうと購入しない、そのことを学ばせていただきました。
いやぁ実によい勉強をさせていただきました。
今後は「人の役に立つテーマ」を少しは意識して書籍や記事を著したいと思います。
ばーい、せんきゅ。