妄想のアラビアの国から。

アラビアの我が国では水が非常に貴重だ。何せこの土地に人々が集まり出したのも、小さな湖があるからという単純な理由が元だった。砂漠を行く旅人や商人がラクダを連れて集まりだしたのだ。私たちは週に一度しかお風呂に入る習慣がない。だから、体を殺菌するために朝日をよく浴びて、あとは、強めの香水をかける。お風呂も大衆風呂でサウナと水風呂が主な入浴施設だ。私たちは子供の頃から水の大切さを教え込まれる。それほど命に直結する存在なのだ。雨も雨季には、一気に降る。その時は街の人々は外に出て、水着になり、体を洗い、飲み、洗たく物をまとめて洗い、食器もまとめて洗う。少し原始的かもしれないが、この地域の雨は、とても美味しいと私は思う。降った雨は全て、施設に送り込まれて、二、三ヶ月分は、ろ過したその水を町の人々は大切に使う。街には大きなビルがあり、その建物は、全ての熱をはね返す素材でできてあり、人工の滝と冷却設備をてってい的に配置してあるため、自然と人々は、日中はそこで集まる。たいがいPCを持ち寄ってアラビア語を教えたり、英語を教えたり、アラビア料理の作り方や、アラビアンジョークを伝えたりして、外貨を得ている。私も時折、アラビアンダンスを伝えるインフルエンサーの一人だ。インフルエンサーと言っても、マーケットでは他の人にまじって野菜を買ったりする普通の人間だから笑ってしまう。アラビアTVに出演依頼されているが、全て断っている。そういうのではないのだ。私の夢は、変に思われるかもしれないが、水を多く集めることだ。そのために、各土地にパイプラインを作り、雨季に雨を供給してもらったり”川”というものから水をひいたりして町を潤わせたいと考えている。それには、政治的問題で、各土地に供給できる何かを自分達も所有していなければならない。それは模索しているが、砂漠の砂はどうだろう?いや、砂漠の砂をアートに変えられる写真とか、何か付加価値を加えれば良いかもしれない。砂漠の中でドラマを作って海外に販売し、砂漠のハネムーンスポットを動画で売るなんてのも良いかもしれない。人は非日常に浪漫を見出すものだ。私はこの灼熱の土地が好きだ。サソリには気をつけなければならないが。彼らも生きていくのに必死なのだろう。美しい夕焼けが、地平線に沈むと、一気に寒さがこの土地を包む。だから、やはり、建物内にいられるのは幸せなことだ。

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