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2021年9月の記事一覧
事故物件巡りの話【第3話学生寮 前編】
大阪市内から車を走らせて1時間弱。
目の前にはのどかな田園風景が広がっている。
俺は大都市から離れ、郊外に建てられたとある大学のキャンパスに来ていた。
周りは、山、山、そして山。
山しか見えない。
しかしながら、空気がとてもうまい。心が洗われる。
広大な敷地の中にある陸上トラックで、長距離走の選手だろうか、一心不乱に自己ベスト更新を目指して走りこんでいる学生の様子を俺はさっきからずっと眺めていた。
事故物件巡りの話【第3話学生寮 後編】
実は幸田君、洋子さんとお付き合いしていた当初から、よくよく寮に忍び込んで逢瀬を重ねていたのだそうだ。
上田さんも知ってはいたのだが、忍び込むのは上田さんの勤務時間外の話だし幸田君の生真面目な性格もよく知っていたので、そこまで悪影響はないと判断し、特に注意などしていなかったのだという。
しかし、洋子さんとの関係が悪化し疎遠になってから、今度は智子さんの部屋に入り浸るようになったというのだ。
俺 「
事故物件巡りの話 【第3話 学生寮 】
大阪市内から車を走らせて1時間弱。
目の前にはのどかな田園風景が広がっている。
俺は大都市から離れ、郊外に建てられたとある大学のキャンパスに来ていた。
周りは、山、山、そして山。
山しか見えない。
しかしながら、空気がとてもうまい。心が洗われる。
広大な敷地の中にある陸上トラックで、長距離走の選手だろうか、一心不乱に自己ベスト更新を目指して走りこんでいる学生の様子を俺はさっきからずっと眺めていた
事故物件巡りの話【第2話】
(前回までのあらすじ)
外資系損保から一部上場建設会社系列の不動産管理会社に移った俺はリクルーターから聞いていた待遇とかなり異なる業務内容や業務量に困惑を覚えながらも、持ち前の反骨心で精力的に営業し日々オーナーの信頼を勝ち取っていた。
陰湿な上司からモラハラパワハラを受けながらも、同じく冷遇されていた理解ある同僚と充実した社畜ライフを送っていた中、労働契約更新を1か月前に控えたある日、上司の北原