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可愛い、というもの

 それは、形のないもの。だからこそ、人によって“可愛い”を現すものが違う。猫を可愛いと思う人も居るだろう。犬を可愛いと思う人もいるだろう。
 ハンドメイド作品は、作家の“可愛い”が現れるものがある。私は、久しぶりにそれに触れた。
 新しく感じる“可愛い”は、どことなく暖かいのに、どこか寂しげのようだった。何故だかは分からなかったけれど。その“可愛い”が人形として売られていたからだろうか。人形やぬいぐるみが、生みの親を離れて他人の手に渡る。それは、親から離れていく子供のように見える。
 作家本人からすれば、何体と作り出している内の1体なのだから、なんてことないかもしれない。けれど、私にはどうにも寂しく見える。
 いつか私もあの子達の誰かを迎え入れて、どの子よりも幸せにしてあげたい。そう思うのだ。

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