【限定公開】自分を壊さない生き方⑧
Kindle出版の内容を
マガジン連載で限定公開しています
私が自動車会社を20代で
辞めた経緯を赤裸々に書いています
前後編はマガジンでご覧いただけます
生き方に悩んでいる方に届いたら幸いです
5章 自己防衛
・寮で自殺者
これは私が工場実習に行く前の話になります。
岩手の寮で自殺者が出たそうです。
現地にいる複数の同期から聞きました。
会社の寮で従業員が
自殺なんて信じられませんでした。
私にとっては衝撃的な出来事でした。
日本は自殺が多い国とも聞きますが
まさか自分の周りにそういった方が
出るとは思いもしませんでした。
私は考えが甘かったのかもしれません。
普通に学校を卒業したら、
普通に会社に入って、
普通に老後を楽しく過して、
と
普通に生きていれば
普通に楽しく暮らせる
なんて思っていました。
普通に生きることが
どれだけ難しいことなのか痛感しました。
同期はある部屋にブルーシートが
貼られ警察が来ているのを目撃したそうです。
会社は製造業だけあって
指を切った等の労働災害情報は
毎回きちんと社内展開がありますが、
自殺者が出たことを
社内展開などはもちろんしません。
従業員の訃報など
社内HPに載りますが
今回の件は載っていませんでした。
私は違和感を覚えました。
転んで怪我したら物凄く大騒ぎをし
お金をかけて対策などをするのに、
もっと大事なところが起きたら闇に葬る。
もしパワハラや過労で一人の命が
失われたのなら会社は真摯に反省し
再発防止を徹底するべきではないか?と思いました。
しかし、
会社視点で考えると
数千人いる中の1従業員であり、
お金を出せばすぐに代わりの作業員を補填できます。
組織の力学というものを知りました。
私が休職していた時も同じです。
私が居なくても代わりに作業してくれる人はいました。
残酷ではありますが、
現場の1兵卒の代えはいくらでも利くのです。
身をもって体感しました。
噂では
工場に勤めていた
若手社員だったと聞きました。
なぜ自殺してしまったのか、
パワハラやイジメがあったのか、
残業が多く過労状態だったのか、
プライベートでトラブルがあったのか、
そもそも本当に自殺があったのか。
真相は闇の中です。
・自己防衛
自分の身は自分で
守るしかないと思いました。
人は他人の痛みや不幸には無関心です。
自分が被害者になると思っていないからです。
しかし、
思いも寄らないタイミングで
自分が被害者になるときがあります。
寮に自殺者が出たとき、
同期はそこまで深刻に捉えていないように見えました。
もちろんビックリはしていましたが、
このまま会社に残ったら
自分も追い込まれるんじゃないか?!
などそういった強い危機感は感じませんでした。
人は他人の痛みには鈍感です。
私自身もそうでした。
これまでストレスで
お腹を長期間下すことは無かったし、
メンタルを発症することもありませんでした。
まさか自分が1年目に
休職するなんて思ってもいませんでした。
私自身も鈍感だったのかもしれません。
しかし、
いざ自分自身が追い込まれてしまうと
正常な判断が出来なくなり最悪の事態を
招いてしまうこともあります。
そうならないとめには、
自ら危機を早めに察知し
回避することをしておかないといけません。
私は工場実習での休職後に
会社を辞める決断をしました。
この環境にいたら
また同じことが起きるかもしれない。
私に火の粉が降りかからない為の危機回避手段です。
工場実習が終わりかけた頃、
大きく状況が変わりました。
コロナ禍に突入したのです。
緊急事態宣言が出て街から
人がいなくなり日本中が大パニックです。
当然企業の業績も悪化し、
転職活動など出来なくなりました。
私は一旦、
現状の会社に残留をすることになりました。