スマホ修理店にスマホを破壊された話・後日談
前日譚 ↓
スマホ修理店に破壊されたスマホを手にし、すごすごと帰宅する。
洗面台の鏡にちらっと映った私の顔はすっかり憔悴しきっていた。
さて、手持ちのスマホが「もう充電できない」というイカれた仕様に改造(破壊)されてしまった以上、新機種を探さなければならない。
本当はもう何も考えたくなく無限に先延ばしにしたいところだが、バッテリー残量というタイムリミットが迫っているためすぐにでも動き出す必要がある。ああ、非常に面倒くさい。
前は機種変更というと、とりあえず何の考えも無く契約している会社のケータイショップに駆け込んだものだが、最近はオンラインでの手続きが主流になりつつあると聞いていたので、重い腰を上げオンラインショップにアクセスした。
すると、現スマホの後継機種でちょうどたまたま本日発売のものがあったので「これも何かのご縁」と思い、それをポチッと購入した。
新機種購入までのオンライン上の手続きは意外とスムーズであった。
それにしても最近のスマホは高い!
一括払いで買ったので我が夏のボーナス支給予定額はこの代金であらかた吹っ飛んでしまった。
あーあーーもうなんにも楽しくねーーなぁぁぁ~~~!!
新スマホが届くのは最短で2日後。
だが、明後日はちょうど伊東への一人旅で自宅に不在の日だったため、3日後の受け取りとした。
旧スマホのバックアップ作業は「新スマホが来てから」ということにしたので、もうまったくスマホをさわれない状態になってしまった。
午前と午後に1回、何かしらの連絡が来てないかを確認するためにポチッと電源ボタンを押すだけ。
これの一体何がスマートフォンなのか。全然スマートじゃない。
実にストレスフルだ。
スマホマスターめ……(まだ言ってる)
旅行当日。
あとは死を待つだけのモノと成り果てたスマホを一応持っていく。
基本的には楽しい旅行だったのだが、確認するたびにバッテリーの残量がみるみる内に減っていくので、せっかくの旅行先なのにどこまでもプチ憂鬱な気分に囚われていた。
だが一人旅ということもあり、この憂鬱が顔に出てしまい周囲のマダムたちに「あの人どうも暗くて怪しいわね、もしかして自殺旅行かしら……?」と邪推されてもいけないので、表情だけは取り繕って心の中はクヨクヨ、という人体にとって一番負荷がかかる状態で過ごす。
翌日、旅行から戻る。
宅配業者が新スマホを届けに来る時間帯は14~16時のあいだ。
この2時間差というのがなかなかクセモノだが、14時台に来ればもしかしたら多少はなんとかなるかも!?
「なんとかもってくれ……」と祈りながら14時にスマホを確認すると、充電は残り2%だった。
うーん、なんともならないかも!?
よくよく見るとスマホ側から通知が来ていて「【警告】充電残り2% 今すぐ充電してください」というメッセージが表示されていた。
出来るもんならとっくにしてるんだよ!
「充電という概念を知らないから充電をしていない」のではなくアンタがイカれちまったから充電できてないんだよバカ野郎!!
それでも、と私は一筋の光を見出そうとする。
残り2%とは言ってるけど、この2%は通常の充電のパーセント表示とは違って濃厚な「2%」なのではないか?
ほら、相撲とかでも土俵際に追い込まれた方が「火事場の馬鹿力」ってやつで力士も通常より馬力が出るって言うじゃないですか。
つまり、今このスマホも完全に土俵際の状態なのだから、いくら2%と言ってもその「濃い充電」で意外に30分くらいはもったりするんだよ。
そうだよ、きっとそうに違いないさ!
5分後、充電がゼロになり、一切電源が入らなくなった。
あ~~なんも特別でもなくただの順当な2%だった~~~~~~!!
終わった……。
オワタ……(いにしえのインターネットマン)
写真とかその他もろもろ全然バックアップ取れてない。全ロス。
かの安西先生も目を背けるような、完全な試合終了だった。
配達予定時間は14~16時と書いたが、新スマホが届いたのは
15時55分(ガチ)。
あ~~~しょうがないことだけどマジ遅っせぇ~~~~~~
なんかどちらにせよ無理だった~~~~~~~
今回に関してはもうそういう運命と受け入れるしかなさそうだった。
今回ぶっ壊れた(ぶっ壊された)スマホは3年使った。
その先代のスマホは5年使ったらある日電源が点かなくなり、そのときもバックアップ作業が全く出来なかった。
だから私は毎回全ロスしてからスマホを買い替えていることになる。まったく情報を引き継げたことがない。いっつもゼロからのスタート。
世の人々はどれくらいうまくやれているのだろう。
私のようなものぐさ者が少数派なのは確実として、そこらへんの全体の割合をいっぺん知りたいものである。
とは言え新しいスマホをさわるのはワクワクするものだ。
ふだん使用するアプリでイチからパスワードを入力していちいちログインしなければならないものも当然あったが、グーグルのパスワードで紐づいているアプリについてはそのあたりのログインの手間が一切なく、そこは非常に嬉しかった。少なくともまったくのゼロ状態ではなかったのだ。
ありがとうグーグル帝国!
個人情報とか日々うっすら搾取されているような気もするけど(風評被害)わたくし如きの塵みたいな蟲人間の個人情報でよろしければいつでも差し出します! いつでも好きなタイミングでわたくしの人権を蹂躙してください!!
そのようなグーグル教への絶対的な帰依を誓いつつ、わたくしは新スマホに使用者の情報を徐々に染み込ませるのでありました。
これが、ここ最近のスマホぶっ壊され騒動の顛末でございます。
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