![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57306746/rectangle_large_type_2_6756993779de18e558a2e66ce7672d8f.png?width=1200)
JW22 合体、そして難波へ
【神武東征編】EP22 合体、そして難波へ
播磨灘(はりまなだ)の中央に位置する家島諸島(いえしましょとう)に到着した、狭野尊(さの・のみこと)(以下、サノ)一行。
![現在地](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57305089/picture_pc_59804a0a0a810e060d6f8b38f4be7ff4.png?width=1200)
そこで、四代目水先案内人こと槁根津日子(さおねつひこ)(以下、サオネツ)と出会ったのであった。
前回は椎根津彦(しいねつひこ)(以下、シイネツ)との類似性について説明をさせてもらったが、そのことについて、長兄の彦五瀬命(ひこいつせ・のみこと)(以下、イツセ)は、ある考えを巡らしていた。
イツセ「とにかく『日本書紀』ではシイネツで、『古事記』ではサオネツなんやろ?」
シイネツ・サオネツ「そうです。」×2
イツセ「っちゅうことわ、同一人物っちゅうことでもある。」
シイネツ・サオネツ「そういうことになりますね。」×2
イツセ「今後の話の展開を考えた時にやな・・・。まあ、二人おるっちゅうんわ、何かと不便なんやないかと思うんやじ。」
シイネツ・サオネツ「えっ?! それはどういうこと(っちゃ)(でっしゃろ)?」×2
イツセ「そこで、二人には、ここで合体してもらおうと思うんやじ。」
シイネツ・サオネツ「えっ?! 本当(まこち)(ホンマ)?」×2
ここで、次兄の稲飯命(いなひ・のみこと)が反対の声を上げた。
稲飯(いなひ)「兄上、合体って・・・。本気で言っちょるんですか?」
イツセ「本気っちゃ。作者の陰謀とサノの神秘的な力をもってすれば、できるはずっちゃ。」
稲飯(いなひ)「ほぼほぼ、作者の陰謀で成り立つ話やないかっ!」
イツセ「まあ、そう言わんでくんない(ください)。では、サノっ! 任せたっちゃ。」
サノ「では、本邦初の合体実験を試みまする。合体せよっ!」
光に包まれたシイネツとサオネツは合体してしまった。
半分がシイネツ。
もう半分がサオネツという姿である。
サノ「よしっ! これで完成じゃ!」
イツセ「コンビ名は・・・どう致す?」
サノ「コ・・・コンビ名?」
ここで、目の周りに入れ墨をした大久米命(おおくめ・のみこと)が提案してきた。
大久米(おおくめ)「あのう、シイネツ殿とサオネツ殿の合体ってことっすよね。そこで、シイとサオ・・・。シイサオ・・・。シーソー・・・。Seesawっていうのは、どうでしょう?」
Seesaw「じゃあ、これからはシーソーって呼んでくださいっ!」×2
こうして一行は、明石海峡(あかしかいきょう)に到達した。
ここで一行は、出来レースのような寸劇をおこなった。
当時、兵庫県の本州側と淡路島の間に流れる明石海峡のことを速吸門(はやすいのと)と呼んだ。
![速吸門へ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57305476/picture_pc_95ec4115ac3157ffa2faadf402a74e8d.png?width=1200)
この潮流の激しい地点に差しかかった時、亀に乗った男が近付いてきた。
言うまでもないが、槁根津日子(さおねつひこ)である。
サノ「海流が激しいゆえ、我らを案内せよ!」
Seesaw「了解!」×2
こうして、Seesawの案内で、一行は現在の大阪湾に辿り着いた。
紀元前663年2月11日のことである。
サノ「ようやく、ここまで来たか・・・。」
大久米(おおくめ)「大阪湾は満ち潮だと時計回り、引き潮では反時計回りの潮流が発生する海の難所なんすよ。二千年後でも、操船が難しいみたいっすね。」
稲飯(いなひ)「わしらが来た時は、大阪湾の奥に湖が広がってたんやじ。」
サノ「兄上! 嘘を言ってはいけませぬぞ!」
稲飯(いなひ)「本当やじ。これを河内潟(かわちがた)とも、河内湖(かわちこ)とも言うんや。わしらが生きてた頃は、草香江(くさかえ)と呼んでたんやじ。」
サノ「そんな湖があったような・・・。じゃっどん、それがどうしたのですか?」
稲飯(いなひ)「この草香江と大阪湾を塞ぐ形で存在していたのが、上町台地(うえまちだいち)と呼ばれる陸地なんや。じゃっどん、完全に塞いでるわけやなく、北側に位置する先っぽの部分だけ開かれてたんやな。」
![草香江](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57305922/picture_pc_d5b99fa63e46dfb5f4de4751bb243b85.png)
Seesaw「ちょっと待ってほしいっちゃ。大阪湾を進んで、これから上陸っちゅう時に、なして、湖の説明が始まって、ついでに台地の話まで出てくるんや?」×2
大久米(おおくめ)「先ほど、満ち潮の時は時計回りと言ったでしょ?」
Seesaw「そ・・・そいが、どうしたんや?」×2
サノ「あっ!」
稲飯(いなひ)「サノよ。分かったみたいやな。」
サノ「台本の『日本書紀(にほんしょき)』に、難波碕(なにわのみさき)に着こうとした時、速い潮流に遭遇して、てげ(すごく)早く到着したと、書かれておりもうした。」
![難波碕](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/57306098/picture_pc_7d222f6ca56f97285271d2b3ec730577.png)
稲飯(いなひ)「その通り、なぜ潮流が速くなったのかと言うと・・・。」
大久米(おおくめ)「時計回りの潮流が、北側の開いた部分に流れ込むからっす!」
稲飯(いなひ)「次回は、なして、難波(なにわ)と呼ばれているのか説明するっちゃ。」
次回、難波についての解説がおこなわれる。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?