大河ドラマ 鎌倉殿の13人 第一話感想
三谷幸喜氏の脚本ということで、どんな感じになるのか楽しみにしていました。
ただ、今回はギャグ要素が強すぎたように感じます。
悪いわけではないのですが、良くもない。
やりすぎと言いますか・・・。
これまでの三谷大河以上にギャグ感が強いような気がしました。
特に北条時政公の「首チョンパだぜ。」
やりすぎです。
伊東家と北条家が一触即発という危機。
ちょっと遊び過ぎというか、軽いタッチにし過ぎています。
本当の笑いというのは、一生懸命に、この時代の方々なら、一所懸命にやっていく中、思いがけない場の空気の破壊や食い違いによって、笑いが生まれるのではないでしょうか。
今回の話は、笑わせようと振る舞っているように見えて、逆に寒くなってしまいました。
長年の交流があって、血縁関係まで結んでいる伊東家と北条家の明日が見えない状況、緊迫感というのが、浮き彫りにされていないように思いました。
そして、その原因が流罪人。
源頼朝という、ただの男。
源氏の御曹司か何だか知らないが、この時点では、ただ飯喰いの厄介者。
平氏を倒す?
何に不満があるんでしょうか?
あるとすれば、もっと前からですよね?
摂関家や院などの荘園を管理する生活の中で、もっと自分の実入りを多くしたい・・・。
そういう願望ですよね?
でも、この時代に、そんなこと求めたって・・・。
それが彼らの本音のはず。
1175年(安元元)ですよ。
平氏に不満・・・と言われても、持ちようがない。
1175(安元元)に、平氏を倒そうって・・・。
後白河法皇と蜜月関係にある時期ですよ。
何に不満があるの?
院政を停止させ、朝廷を牛耳り、最終的に、安徳天皇(あんとくてんのう)を擁立するのは、1177年(安元3)~1180年(治承4)の頃。
そして、不満を抱えているのは、既得権益を奪われた朝廷内部の貴族の皆さんと寺社仏閣のみ。
坂東の武者たちには、関係のない状況。
それが、以仁王が「立ち上がれ!」なんて言っちゃったから、よし、それなら、このまま地元の権益を残らず奪ってしまえっ!
となっただけの話じゃないですか。
何なんだ?
今回の話で良かったのは、八重殿の幼い息子が殺められる場面と、伊東の「じぃさま」が北条義時(ほうじょう・よしとき)の真意を見抜くところですかね。
あと、富士山が・・・CG使って・・・そういうところに力を入れるNHKに脱帽です。
でも、人物造形にも力を入れてほしい。
近年の大河の問題点は、そこだと思います。
近年と言っても、十年以上前からですが・・・。