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「The Actors Studio Interview」と「10の質問」と「10周年」

「When Harry met Sarry」のラストシーンをドイツ語バージョンで見たことで、「日本語だったらどんな感じだっけ?」と思って、

YouTubeで、”When Harry met Sarry ラスト”で検索したら、偶然にも神動画を見つけてしまった。それがコチラ☟



この動画の正式名称はエンディングに出たコレ☟



動画に日本語字幕がついているのは大変有り難いし、何よりメグライアンの芸談が聞けたので、54分の時間なんてあっという間だった。

この動画のメグライアンはWhen Harry met Sarryで有名になった後に、さらにいくつかの映画に出演して盤石の基盤を築いた時に出演したモノだと思われるが、「When Harry met Sally」については”フェイクオーガズム”と”元カレが結婚して泣き喚くシーン”が取り上げられていて、『ラストの告白のシーン』に触れられていなかったのが残念。

まぁ、個人的には泣き喚くシーンで、元カレの結婚相手の名前が「キンバリー」って言うサリーの言い方が面白くてちょっとしたツボである。

映画内で「フェイクオーガズムのオチ」と同じくらい最高に笑えるのは、「テーブル論争のオチ」☟

無理して最初は「良い趣味のテーブルだ」と同意していたHarryが手のひらを返して罵りまくる姿がウケるし、最後に奥さんが「どんなことがあっても、このテーブルは要らないわ」って言うのが、フェイクオーガズムの時と同様にバッチリ決まっていて最高!笑


この悪趣味で、ガレージセール顔負けの、がらくたテーブルがな!




アクターズ・スタジオ・インタビュー


この「アクターズ・スタジオ・インタビュー」というのは1994年から放送されているアメリカの番組である。

観客がアクターズスタジオという俳優養成学校の学生であり、彼らが真剣な表情でメグライアンの話を聞く姿がとても素敵だなと思った。

以下、Wikipediaの説明を抜粋☟

アメリカの俳優・監督・演出家らを養成する学習機関「アクターズ・スタジオ」の副学長で演技指導・演出家などとして活動するジェームズ・リプトンが、毎回インタビュアーを務める。主に俳優・映画監督らがゲストに招かれ、同校の生徒を前に、インタビューに答えるという形式である。番組終盤には毎回決まった「10の質問」と、会場の学生からの質問に答える。

アクターズ・スタジオはアメリカを代表する、由緒正しき演劇専門学校であり[独自研究]、これまで多くの著名な俳優・監督、その他、舞台・映画・テレビ関係者を輩出している。インタビューの内容も、高度な演技や演出の理論であったり、俳優や監督としての姿勢や考え方、技術論、精神論といったもので、極めて真摯で学術的なものである。そのため、日頃は滅多にトーク番組に出演しないような人達も出演しているのが大きな特徴であり、他では聞くことが出来ないような貴重な話も多い。

アクターズ・スタジオ・インタビュー(太字は自分がつけました)


こういう芸談は大好物なので、聞いてて飽きないですね。


メグライアンの演技論


まず、メグライアンは俳優のことを「楽器」と表現してるんですよね。

役者業を始めた頃の話(8:52~)で彼女は、



と発言しているし、

35:58~では、



と発言し、その「演者=楽器」という前提が彼女の中にあるので、動画の最後に行われた観客である俳優の卵から「演技の二面性について」尋ねられた時(52:22~)の彼女の回答としては、



という入り口で始まっている。で、その続きが…☟



その演技論を教育論へ応用


個人的には、「俳優」を「先生」、「観客」を「子ども達」に置き換えても、同じだと思っています。

「監督や脚本の意図」っていうのは、先生側からしてみれば「教育指導要領」であったり、「学校の理念」であったりしますよね。それを、子ども達という観客に伝えるのが、先生の役割だと思うんですけど、その先生というのはその人自身が色んな要素で出来ているので、伝え方がそれぞれで違う。

でも、だからこそ、観客である子ども達は常に新しい学びをそこから得られると思うのです。

色んな大人達と接するからこそ、子ども達は多様な経験が出来て、彩りのある成長をしていくことが出来るのだと思います。


個人的になるへそな演技論


オードリーがオールナイトニッポンでしゃべっていたことなんですけど、

役者は自分に無いものを0から作り出して、その役になっていく作業

っていう話が記憶に残ってます。

つまり、役者として一番凄いことというのは、

素の自分とは全く異なる役に挑戦して、それを見事に自分のモノにして演じきることなんだそうです。

時々、「この役は自分の素に近かったので上手く演じられました」みたいな話がありますが、「元々自分の中にその役がいたんなら、上手く演じれて当然だろ!」ってことなんです。

演技力っていうのは、自分を出していくことではなくて、「如何に自分の中に別の人格を作り出せるか」ということらしいです。

ちなみに、芸人は役者とは全く逆の作業をしていくそうです。つまり、芸人は「どれだけ素の自分を出せるか」が勝負だということみたいです。

話の中であったのは、「若手の頃は自分の中に理想のツッコミやボケがあって、それを目指してしまう」ということでした。だけど、それが自分の人(ニン:その芸人が持っている個性とか長所とかいう意味)に合ってなかったら、いつまでも空回りし続けるだけだと。

だからこそ、芸人は自分自身のことをよく理解して、自分に合ったことで勝負していくしかないという話でした。

まとめると、

俳優はいわゆる「プラス」の作業。つまり、自分の中に無い人格を、作り出していく。

芸人はいわゆる「マイナス」の作業。つまり、自分に合わないモノを取っ払っていき、自分自身を露わにしていく。

この真逆の作業の対比が面白かったので、記憶に残っています。


自分は「芸人タイプ」


この文章論の記事で書いたように、自分は経験した事しか書けないアンパンマンみたいな感じなので、自分自身を露わにしていく「芸人タイプ」だなと思ってます。

しかも、尊敬している立川談志曰く、

<芸>はうまい/まずい、面白い/面白くない、などではなくて、その演者の人間性、パーソナリティー、存在をいかに出すかなんだと気が付いた。

演者の人間性を、非常識な、不明確な、ワケの分からない部分まで含めて、丸ごとさらけ出すことこそが現代の芸かもしれませんナ。

落語というのは「演者のパーソナリティー」以外の何物でもない。ナニ、落語ばかりでなく、芸能の全てといってもいい。

とのことなので、自分のパーソナリティーを前面に出して、子ども達と向き合っていきたいなと思っています。

で、個人的には、インサイドヘッドでいう「怒り」は自分の脳内の操縦席の端っこにいて、全然機能していないので、現実では全然怒れないんですよね。しかも自分は、「役者タイプ」みたいに「自分に無いモノを0から作り出す」タイプではないので、怒ってる自分を演じることも出来ない。

ただ、森の幼稚園は1グループに3人の大人が付くので、その内の誰かが叱る性格であれば良いんですよね。1グループ1名でまとめなきゃいけないなら、全てを1人で負担しないといけないので結構キツイと思いますけど、森の幼稚園はその心配は要らないし、無理して”自分じゃない自分”を強いられることが無いので良いなと思ってます。

子ども達にとっても、そういう環境が良いと思うんですよね。

例えるなら、厳しい看守しかいない環境よりも、叱ってくれる波平や優しいマスオがいるサザエさんみたいな家族の方が、子ども達は伸び伸びと成長できると思うのです。



そもそも論、1人で20~30人以上の子ども達をまとめろっていう”過激な課題”を課せられてるのがどうかと思うところである…



好きなのも「芸人タイプ」


自分が「芸人タイプ」なので、「芸人タイプ」の感じがする人が素敵だなと思ってしまう。

落語で言えば、もちろん「立川談志」ですよね。自分をこれでもかというくらいさらけ出して、自身のパーソナリティーで勝負した人だと思ってます。落語という歴史ある伝統芸の中に、自分を入れるという荒業をしたことがとても凄いことだなと思うのです。普通だったら、落語という伝統の重みや権威を前にしたら、ただただ従うしかないのかなと思うんですけど、談志はその伝統の中に現代を入れ込もうとしたし、その入れ込み方も自分自身の考えていることをさらけ出すという方法だったので、自分に正直に生き抜いた人だなと尊敬します。

タップダンスで言えば「ジーンケリー」なんですよね。もう、踊ってる様から、ケリーがダンスが好きで好きで仕方がないというのが伝わってくるのが良いなと思います。しかも、毎回のダンスで色んなことに挑戦する姿を見ると、本当にダンスに対して自身の情熱を傾けていたのだなと脱帽します。

料理で言えば「早乙女哲哉さん」です。自分が作った料理を「自分の作品」と言い切れるほど、プライドと責任をもって1つ1つ作られている姿勢に、早乙女哲哉さんの全てが入ってると思います。食材が逸品であることは間違いないですが、そういう早乙女さんの思いも天ぷらに乗っかっているからこそ、非常に美味しく感じられるのだと思います。


10の質問


アクターズ・スタジオ・インタビューのインタビューアーを務めるのは、アメリカの俳優・監督・演出家らを養成する学習機関「アクターズ・スタジオ」の副学長で演技指導・演出家などとして活動するジェームズ・リプトンという方。

端的に言えば、男性版「阿川佐和子」です。笑



と、ジェームズ・リプトンが質問したところ、ある役者の回答がコチラ☟



動画を見ていても、インタビューの流れが心地よくて、相手に話させるのが上手だなと思いました。

彼が質問事項を暗記カードみたくまとめて、一枚一枚めくっていくスタイルは、なんかとてもカッコいい…



で、番組終盤には「決まった10の質問」をするのがこの番組のパターンらしく(42:56~)、メグライアンの答えはコチラ☟


authentic
enjoy
absolute honesty


自分は以前記事に書いた「質問広場」から、


映画に関する10の質問に答えてみたい☟


①年齢/性別


29歳/男性


②好きな洋画best 3


・It's always fair wearher(ドイツ語のタイトルはVorwiegend heiter
・Joker
・When Harry met Sarry



③好きな邦画best 3


マインドゲーム

外に出たいんや!外にはいろんな世界があって、いっぱい色んな人が自分らの思い思いの時間を生きてて、信じられへんくらい良い奴とか悪い奴とか、自分と全く違う色んな人間がごちゃまんとして世界を作っとんねや。成功するとか、野垂れ死ぬとか、どっちが上とか下とかとか、そんなんは問題じゃなくて、俺、そん中にいたいんや!俺分かったんや。コネも金も才能もなくても、カッコ悪くてもみじめでも、俺は自分の手で足で考えて動いて、自分の人生を手に入れたいんや!

1:21:20~1:21:51


夜は短し歩けよ乙女


LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標

お前の銃は俺の銃より軽く、口径が小さい。つまり俺とお前の玉がぶつかれば、弾道の変化が少ないのは俺の方だ。お前がどれだけ軽い銃を使おうが知ったこっちゃないが、俺に言わせりゃ…ロマンに欠けるなぁ…

ヤエル奥崎との決闘後の次元のセリフ


④好きな俳優best 3


・ジーンケリー

出演者に名を連ねるだけでその映画を見てみたいと思えるのは、個人的には、ジーンケリーだけ。

自分に無いモノを作り出しての演技として最高峰なのは、ヒースレジャーのジョーカーだと思う。ジョーカーの笑いを作るために、ホテルに籠って研究し尽くしたって話があるし。個人的にジョーカーのベストシーンは、バットマンの取り調べ。


⑤好きな女優best 3


・のだめカンタービレで「のだめ」を演じた上野樹里

個人的には、ドンピシャのはまり役でした。情熱大陸を見た時に、「プライベートものだめじゃん!」って思いましたね。笑

「陽だまりの彼女」も素敵で、2014年のドイツに向かう飛行機の中で見た時に、思わず泣いてしまいました…笑


演じる側からしてみれば、過去の役がまとわりついてくるのは、仕事としてやりにくいのだろうけど、個人的にはそういう「上野樹里=のだめ」っていう方程式が作れたことが、偉大なことだなと思う。


・ドイツの女優「Lisa Marie Koroll」

ドイツに来てもうすぐ1週間が経とうとしてますが、Lisaみたいな方はまだ1度も見かけてない…笑


・池谷のぶえ

「野田と申します」の亀田さん役で見たのが最初ですね。4:22~からの話に登場☟ 



8:30~の亀田さんが主役の話はメチャクチャ面白かった!



なんか面白いキャラクターだなと思って、気になってしまいます。笑

鶴瓶のスジナシも面白かった(「痩せませんよ、ホントに」って…爆笑 7:55)☟



上野樹里もスジナシに出てたけど、”らしさ”が全開でしたね。なんか子どもっぽい感じが、大人になっても持ててるというか、性格そのままなんだろうけど、女性版「立川談志」みたいな感じ?笑




⑥映画館派?DVD派?


好きな作品は映画館で見てみたい。で、DVDで手元に置いておきたい。


⑦映画に欠かせないものは?(例えば:ポップコーン、ドリンク、恋人(笑)とか)


食べ物や飲み物があるとベターだけど、マストなのは、「映画を見た後に何も予定が無いこと」。その映画にどっぷりとハマりたいので。予定があると、そのことが頭にこびりついて、映画に集中できない。


⑧好きな映画のジャンル


好きな人が出ている映画なら何でも好きだし、1度は見てみたい。


⑨好きな映画監督


コレという特定な感じは無いけど、北野武の映画論をYouTubeで見て、凄いなと思った☟


北野映画のセリフの少なさ

そして最後に、北野映画はセリフが少ない。
少ないが内容が入ってくる。
なぜだろう。

彼は自著の「間抜けの構造」より映画について以下のように論じている。

因数分解

そのあたりのことは、よく「因数分解」という言葉を使って説明している。

 例えば、Xっていう殺し屋がいるとするじゃない。そいつがA、B、C、Dを殺すシーンがあるとする。

 普通にこれを撮るとすれば、まずXがあらわれて、Aの住んでいるところに行ってダーンとやる。今度はBが歩いているところに近づいて、ダーン。
それからC、Dって全部順番どおりに撮るじゃない。

 それを数式にすると、例えばXA+XB+XC+XDの多項式。これだとなんか間延びしちゃう感じで美しくない。XA+XB+XC+XDを因数分解すると、X(A+B+C+D)となるんだけど、これを映画でやるとどうなるか、という話が「映画の因数分解」。

 最初にXがAをすれ違いざまにダーンと撃つ。それから、そのままXが歩いているのを撮る。それでXはフェードアウトする。

 それからは、B、C、Dと撃たれた死体を写すだけでいい。
わざわざ全員を殺すところを見せなくても十分なわけ。
それを観て、「Aを殺したのはXだとわかったけど、その他のやつらを殺したのは誰なんだ」と思ってしまうバカもいるとは思うけど、そういうやつははなから相手にしていない。

 これを簡単な数式で表すと、X(A+B+C+D)。

 この括弧をどのくらいの大きさで閉じるかというのが腕の見せどころで、そうすれば必然と説明も省けて映画もシャープになる。

この考え方は、彼が工学部出身ということも大きな要因を占めているだろう。
駄作にありがちな、説明くささがないのは、彼が理系出身という事も大きい。

北野映画のルーツとは


⑩年間に見る作品の数は?


見たい映画を見るって感じだから、特に決まってない。


アクターズ・スタジオ・インタビューの10周年記念番組


YouTubeにあがっていた☟

前半は演技論のまとめで、後半は役者の身に起きた不幸を自身で話して泣いてる場面集という感じ。



演技論


個人的に好きなのはハリソンフォードの演技論(6:34~)☟



先生としても、どんな子どもでも受け入れる姿勢であるべきだと思うし、子ども達に対して、自分の持つ全てをさらけ出すのが大事かなと思う。自分が”完璧な人間”であることを子ども達に示すのではなく、倉橋惣三の言葉を借りれば、

子供のお手本だと思えば苦しい。お手本は別にあって、子供と一緒にそのお手本に進んでいるのだと思えばらくだ。子供の理想の標的だと思えば苦しい。理想の標的は彼方にあって、自分も子供の先きに立ってそれへ向かって専心進みつつあるのだと思えばらくだ。

幼稚園雑草(上)p17

という心持ちで、子ども達の前に立って、自分自身を出したいと思う。


泣く姿を見て、こちらも泣けてくる


ここ数年で涙腺がだいぶ緩んでるんですよね。モンスターズインクの最後の場面で泣いたし、グッと!地球便を見て泣いたし、もちろん、この動画に出てくる役者さんたちが泣いてるのを見て、自分も泣いてしまいました。

なんか、人が泣いてる姿を見ると自分も泣けてきてしまうのです。そして、その泣く理由が自分にも理解できることであれば尚更強い衝撃が襲ってきます。


泣きのツボだったのは、22:43~のエド・ハリス☟



黙って涙をこらえている数秒が何とも言えない。

ただ、黙っているのがとても絵になるのも凄いなと思った。



涙もろくなってる自分は一緒に泣いてしまいましたが、演技論とか聞けたし、人生色々だなと学べる素敵な動画でした。

なんかそこにいるだけで圧倒されるというか、役者の存在感って凄いですよね。一番凄いなと個人的に思ったのは、11:20から登場するこの方☟



存在感、半端ねぇ~!!!


目の前にいたら、何も話せなくなるくらい、圧倒されそう…
というか、近寄り難いオーラがある…


こういう素敵な動画に出会えるのはYouTubeあってこそなので、アップロードしてくれた方に大感謝です!

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