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頭骨標本の作り方 その2

6.永遠と続く除肉
 ここからの作業は、向いている人と、そうでない人に分かれると思います。個人的な感想ですが、『耳クソをほじる動画を見るのが好き』という人には向いていると思います。
 私は主にピンセットで肉をむしり取っていきます。どんどん、どんどん取り除いて、ピンセットも厳しくなったら、爪です。やはり爪は最高です。ゴシゴシ、カリカリ、削り取っていきます。勿論、骨に傷など付けないように、作業をしていきます。作業中に頭骨が乾いてきたな、肉が固くなってきたな、と思ったら、お風呂の温度ぐらいのお湯に入れて、一休み、二休みします。そしてまた、ゴシゴシ、カリカリやっていきます。そして、仕事ではないので、飽きたらやめます。
 1日の作業を終えるときには、頭骨をお湯の中に入れ、容器ごと陽のあたる場所に置いておくと良いでしょう。1〜2日後には程よく腐敗し、肉も取りやすくなると思います。2日程度ならば、我慢できる程度の臭いでした(人にもよりますが)。骨表面がヌルッとしますが、歯ブラシなどでゴシゴシします。この時も、一番は爪だと思います。爪でゴシゴシすると、ヌルヌルが取れてると実感します。
 下の写真は、私の七つ道具です。(写真には5つしか載っていませんが…)

一番左のピンセットは、持ち手の部分が大きいので肉をむしり取るときに力を発揮します。次は先が細いピンセット。いつの間にか先端がいいあんばいにフック状に曲がり、そこでコリコリ、カリカリ肉を削ぎ落とします。次は柄付針、こちらは針の先端をペンチでひん曲げて、フック状にしました。その次は、主に鼻の中の肉を取り除く道具。縫い針の先端をフック状に曲げ、竹串にくっ付けたもの。一番右は脳みそを掻き出すスプーンです。これ以外にも、歯ブラシや竹串、爪楊枝、針金などを使います。身近なものを、自分が使いやすいように加工したり、自作するのも楽しいと思います。

 一番最初に頭骨標本を作った時に『どこまで除肉すれば良いのか』と思いながら作業をしていました。私は『自分の気がすむまで』にしています。仕事でもないし、売り物にするわけでもないので『飽きたらやめる』ようにしています。
 この後に、入れ歯洗浄剤の『ポリデント』で処理をします。ですから多少の肉や軟骨がこびりついていても大丈夫だと思いますが、『耳クソをほじくる動画』を好んで見る人は、多少の肉や軟骨も気になると思います。実際、できるだけ除肉しておいた方が最後の仕上がりが違いますし、頭骨標本を手に入れる事より、頭骨標本を作りたい、その作業を楽しみたい私は、この除肉の作業時間に多くを費やします。
 除肉の作業中に歯が抜けてくる場合があります。歯や牙のない頭骨は迫力に欠けるので、どこの歯かメモし、間違っても無くさないように、保管しておきます。勿論、歯の抜けた穴や歯茎周辺もきれいに除肉します。
 歯の抜けた穴で思い出しましたが、頭骨には予想以上に穴が開いていて、ビックリしました。神経が通っている穴だと思いますが、この穴に詰まった、神経なんだか筋なんだか肉なんだか分からないやつが厄介です。この穴を綺麗にするのがまた一苦労です。が、ここまで書いて、疲れたので続きは来月にします。

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