妊娠出産を経て不感症・性的興奮障害になるまで①
そもそも自分は元々不感症でも性的な嫌悪もなかった。
むしろ性に関することは割とオープンな方であったと思う。
若い頃はそれなりに男性にモテたかったし、セックスについても何の障害もなかった。
まさか人に触れられることがこんなに嫌になる日がくるとは思わなかった。
当時結婚していた夫とも恋愛結婚で、人並みにお付き合いをし同棲を経て結婚した。
相手から求められれば問題なく応じることが出来たし、私の方から求めることももちろんあった。
それが嫌だと思うことはなく負担と感じたことなど一切ない。そのおかげか結婚後すぐに子どもも授かった。
本当に順風満帆な日々を過ごしていたと思う。
出産したらもう人が変わっていた
出産すると寝る暇もなくすごく忙しい日々が続いた。
産まれてきた赤ちゃんは女の子ですごく泣く子で、手のかかる子だった。
夫も私も夜中寝る暇もなく、最初は二人三脚で赤ちゃんのお世話をしていた。
忙しけれどこの頃が一番夫婦として機能していた時期だと思う。
彼女はすごくよく泣き昼寝もしないタイプの赤ちゃんで、いつも泣くかミルクを飲んでいた。
私は昼もう夜もなくずっと赤ちゃんの世話に明け暮れていた。
それが当たり前だと思っていたし、あれだけ大好きだった夫のことが二の次となっていたことにその時は気付いてなかった。
しかし改めて考えてみればもうこの頃から私は出産前の私とは違っていた。
あれだけしていた夫とのスキンシップもしなくなり、夫の出勤時には寝ていることも多くなった。
もちろんこの頃は夫も育児を手伝ってくれていたし、私のことも気遣ってくれていた。しかし次第にそれも減り、私は育児に手いっぱいとなり夫の世話までは出来なくなっていた。
それが夫にも伝わっていたのか(もしかすると態度にも出ていたのかもしれない)私とは見えない距離が出来始めていた。
夜泣きもする赤ちゃんとは日中仕事をする夫とは一緒に寝かせられないと、私は赤ちゃんと二人寝室を分けることになり、それも良くなかったのかもしれない。
半年が過ぎ体調も整い、セックスができる体になっていたころ、私の脳は「妻」でも「女性」でもなく完全に「お母さん」になっていた。