私が愛してやまない8曲
10曲選ぼうとしましたが無理矢理追加するより8曲で終わらせました。
もし自分が死んだ時はずっとこの曲たちをかけて欲しいものですね笑
Del Shannon “Runaway” (1961)
転調、ファルセット、間奏と仕掛けたっぷりながら2番すらないあっさりした曲。全てのパーツが無駄なく精巧に噛み合わさった、昔の曲らしい絶妙なバランス感覚を持つ。
例えばサビのワーワーは楽器のような正確さ、共感できるテーマ、そして遊び心の三拍子が揃っている。
そして透明感と荒っぽさとを兼ね備えた唯一無二の歌声。カラオケでこの曲以外を歌っている時でもデルに引っ張られてしまっている自分がいる。
The Beach Boys “Don’t Worry Baby” (1964)
“Wouldn’t It Be Nice” “God Only Knows” “Good Vibrations” などを差し置いてこの曲を選んだのは、ひとえにブライアン・ウィルソンのボーカルが最高だからである。ブライアンは音の職人としての功績が注目されがちだが、包み込むような美声の持ち主であることも忘れてはならない。スピーカーから飛び出しそうなほどのとてつもない陽のオーラで幾度となく心を救われた。
Creedence Clearwater Revival "Fortunate Son" (1969)
いわゆるメッセージソングは個人的にはあまり好みではない。確かにその時代を知る者にしか感じられないことを楽曲に込めて熱く歌い上げる力量は賞賛に値する。だがほとんどの場合時代の流れと共にその強いメッセージがゆえにそのアーティストのどの作品よりも古臭くなってしまう。
しかしこの曲は違う。
確かにベトナム戦争という時代背景がある曲だが、反戦歌である以前にこの世の理不尽に対する怒りというシンプルかつ普遍的なテーマがあり、いかなる時代でも歌うことのできる点で他のメッセージソングと一線を画する。
Elton John "Daniel" (1973)
エルトン全盛期の佳曲。前奏や間奏に至るまで全てが美しい。
歌詞は未完成で色々な解釈が可能だが、それがまたリスナーの想像力を刺激し、名曲を更なる高みへと導いている。
特に“Your eyes have died, but you see more than I”の一節は作詞家バーニー・トーピンの手腕を感じられる。
Billy Joel "Piano Man" (1973)
聴き手の成長や心情の変化と共に味の出てくる、親友のような楽曲。
詳しくはこちらの記事で。
Stevie Wonder "Sir Duke" (1976)
他の誰にも真似できないスティーヴィーのグルーヴ感、センスを上質なポップに凝縮。
音楽の先人たちに恥じない、身体が勝手に踊り出すような曲を作りたい、と自ら歌詞でハードルを設定し見事にそれを超えていく様は楽曲の価値を更に高めている。
詳しくはこちらの記事で。
Bee Gees "How Deep Is Your Love" (1977)
ディスコブームを牽引し、世界中で流れ続けた『サタデー・ナイト・フィーバー』サウンドトラックを代表する一曲。今でこそディスコはレトロなものとなったが、ビージーズの卓越したソングライティングとコーラスワークは今もなお私たちを魅了し続ける。中でもポップバラードとして非の打ち所がないこの曲への愛は深まるばかりである。
Traveling Wilburys “Handle With Care” (1988)
ビッグネームが集まると話題ばかりが先行して作品云々以前にお祭りになってしまうことが多い。情報の拡散速度が恐ろしく速い現代ならば尚更である。
確かに華々しい実績を誇る一流ミュージシャンたちの贅沢な遊びなのかもしれない。
だがスーパーグループ結成のきっかけとなったこの曲が映し出すのは心から音楽を愛する5人の男たちがただただ純粋に音楽を楽しむ姿。
スターの共演である前にそのスターを作り上げた魂の一部をリスナーに見せてくれるのは音楽ファンとしてこの上なく嬉しいし、この曲が愛され続ける所以だと思う。
中でも実質的なリーダーであるジョージ・ハリスンのリード・ボーカルは彼のキャリアでも5本の指に入るほど素晴らしい。