なぜ臨床検査技師なのに一般企業で働いているのか
こんにちは!イギリス移住を目指す純ジャパOLの菊です👩💼
私は(自ら望んだわけではなかったのですが)医学部保健学科で学位を取り、臨床検査技師の国家資格を持っています。
採血、血液検査、微生物や寄生虫の検査、病理の検査などなど…
病院で行われている検査のほとんど(放射線の検査を除く)は、検査技師が行なっています。
私も、大学の座学と、大学病院での実習を行いました。
卒業後、私は保健学ではない専攻で大学院を修了し、現在は病院とは全く関係ないお仕事をしています…
すると、転職でも聞かれるのが、「なぜ検査技師の資格があるのにうちの会社で働きたいのか?」という質問。
転職時には、それなりに聞こえの良い回答を用意するわけですが、ここでは私の本音を記していきたいと思います。
特にこんな方の参考になったら嬉しいです↓
✅検査技師が自分に向いているのか気になる
✅技師の資格を持っているけれど、病院以外で仕事をしたい
実務経験はありませんので、
こんな変な人もいるんだなぁ〜
という感覚で見てください。
なお、検査技師の仕事は非常に有意義なものであり、私は技師の仕事をしている友人を尊敬しています。
ここに記載しているのは、私の個人的な感情ですので、ご了承ください。
➀自分には性格的に合わなかった
超音波検査(妊婦さんの赤ちゃんを見るときのアレです)や血液検査など、患者さんに対峙して行う検査…
私、人に触れるのが苦手なので、厳しいなと思いました…
超音波検査用のローションみたいなゼリーを患者さんに塗ったりすると、より一層、むりぃ…ホントむりぃ…となってしまって…
尿検査も、目の前に他人の尿があること、匂いなどが、精神的に辛かった…
糞便検査も、便を溶液で薄めたり、塗りたくったり、あぁ…つらい…
私だって、別に綺麗なわけじゃないし、人のこと言えないのは分かっているんです。
検査技師の仕事が、どれだけ重要で意義があるのかも、分かっています。
でも…つらい…逃げたい…
おそらく、幼少時の経験、いじめ、親や家族との関係性などもこの嫌悪感に由来しているのだと思いますが、ここでは割愛します。
…じゃあなんで検査技師を目指したんだよ?!
とも思われそうですが、
当時の私の事情により、親に勧められるがままに、しぶしぶ受験したのが検査技師のコースだったのです…
そして、追い討ちをかけたのが、
検査室に窓がなかったこと!!🪟
これは当然その病院にもよりますが、
検査室って裏方の仕事場だし、日に当たらない方が良い試薬もたくさんあるのが理由で窓が無かったのかな?と思います。
窓がない部屋で、朝から晩まで過ごすこと。
特に、冬の季節には、朝の夜明け前〜薄暗い時間から働き始めて、帰る時には日が暮れていました。
日中はずっと窓のない検査室で過ごす。
これを平日5日間続ける…
もう泣きそうでした。
私は、たとえ曇りでも雨でも、外気やお日様を感じながら生きて行きたい…☀️
早起きが苦手なので、生活リズムも合っていなかったと思います。
②他にやりたいことがある
NOTEでさんざん書いてきましたが、
私は海外移住を目指していますので
日本で検査技師として働くのは私のやりたいことと違いました。
また、当時は研究に興味があったので、大学院へ進学しました👩🔬
あとは、技師の実習中は、自分が機械の一部になったような感覚で、
自分で動いている!私は役に立っている!という感覚をあまり持てませんでした。
なんとなく、もっと広く人の役に立てる何か別のことをしたいな〜という気持ちがありました。
(検査技師の仕事はたくさんの患者さんの為になっているので、これは私の逃避行的な考えですね…)
③待遇が(医療従事者にしては)あまり良くない
大きい声で言えませんが…
これは本音の本音です。
高校生の時は、こんなに待遇が悪いなんて知らなかったーーー!!!!
と、技師として内定を取得していたクラスメイト達も言っていました…😭
お金のことなんて、高校生の時は考えなかった。
でも、大学生になって、アルバイトをしたり、一人暮らしをしたりして、金銭感覚を身につけ、いざ就活!のタイミングで気づく現実です。
参考までに、引用しております↓
👆こちらの表(年齢区切りではない職業全体の平均)だけみると、そんなに悪くない待遇なのでは?と思われるかもしれません。
が!しかし!
学生にとって大切なのは、卒業後「すぐに」どれだけお金をもらえるか!ではないでしょうか。
働き始めた直後の待遇は、このくらいのようです↓
この待遇をどう思われるかは、もちろんその人次第だと思います。
ただ、朝から晩まで実習したり、大学1年から4年まで何度も何度も定期試験を受け、土日も国家試験の模試を受けたりして、卒業間近まで必死に国家試験の勉強をしたのに…
一般企業と比べても待遇はそこまで良くない(なんなら、待遇がより良い一般企業が山のようにある)のを考えると、ちょっと辛いものがあります。
なお、医学技術は日々新しくなりますので、働き始めてからも、継続して研修や勉強をしていく必要があります。
私の先輩も、終業後に勉強していました。
また、一部の先輩方は、待遇を理由に一般公務員や大学教員を目指されていました😅
私は、検査技師をやりたくて国家資格を取ったわけでもなく、技師の仕事が実習レベルですら辛すぎたので、待遇を気にする以前の問題ではありましたが…
「他の仕事をしよう…学費も学んだ知識も、直接的には活かせなくて残念だけど…」と思い、一般企業へと進みました。
(専攻が保健学でなくても入社できましたね…てへ…)
一般企業に勤めている方が勉強や努力をしていないと言いたいわけではありません。
ただ、病院ではなく一般企業で働いている私からしても、今の仕事と比べて「検査技師は肉体的にも大変な仕事なのに、その割に待遇は良くないなぁ」という気持ちは今でも持っています。
おまけ: 技師にならないのに資格を持つメリットはあるのか?
検査技師の専攻を修了したところで、実生活にあまり恩恵は無いと感じています
(私の学びが足りないだけかも…😅)
看護師やお医者さんのように救急の救護も学んでいたのなら、目の前で倒れた人の救護ができたりするのかもしれませんが…
少なくとも、私は大学で実践的な救護は習いませんでした(少しの座学のみ)。
また、医師や看護師の海外ボランティアはいくつか見かけましたが、検査技師の募集は見たことがありません。
これはおそらく、検査技師が検査の機械や専門の道具が無い場所でできることが少ないからでは?と思っています。
そして、私のように、海外勤務を目指す時には、検査技師として仕事を探すのは至難の技なのではないでしょうか?
そもそも、「検査技師」というものに該当する仕事が、国によってはあったり無かったり、あったとしても職務範囲が違ったりするので、海外で資格を流用するのが難しすぎる気がします。
※私は早々に検査技師として海外渡航するのは諦めてしまったので、リサーチ不足かもしれません。
そんなわけで、一般企業に勤め、実務経験もない私の持っている検査技師の資格は、
大学を卒業した証の一部というか、学歴にほんの少し拍がついただけ、というのが私の感覚です。
病院で検査を受けても、「あーこんなん習ったな〜、でももう忘れちゃった〜」くらいのポンコツです。
これからも大学で学んだ知識は、私の頭の奥へ奥へと沈んでいき、取り出しにくくなるのことでしょう…
検査技師としてキャリアを歩むことはもう不可能ですが、今の仕事がとても好きなので、適材適所だなと感じる毎日です。
検査技師として日々勤めていらっしゃる方に、最大限の感謝と敬意を持って生きていきたいです。
それではまた💐
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