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介護に興味を持ったきっかけは?仕事で大切にしていることは?現役介護職員が答えます

皆様、こんにちは。特別養護老人ホーム夢の箱勝山のサイハテです。
9年間、介護事業所で働いているモノです。
よろしくお願いします。

介護って身の回りの人が必要になるまで関わることがない人も多いのではないでしょうか。

今回は、介護職員として働く私が介護業界に触れたきっかけと、どういうことを考えて働いているのかについて書かせていただきます。

最後まで読んでいただけると嬉しく思います。

介護福祉士を目指したきっかけ

私が介護福祉士を目指したきっかけは、高校生の頃でした。

祖父が寝たきりになり祖母の介護疲れもあったことから、祖父の家の近くにできた有料老人ホームへの入所が決まりました。

私は祖父が大好きで、祖母の家に遊びに行ったときは祖父にも会いに行っていました。
半年ほどは施設で元気に過ごしていましたが、だんだんと元気がなくなり体調を崩して入院してしまいました。
その後、胃ろうで施設へ戻ってからは全くコミュニケーションが取れず、悲しくなって会いに行くことを避けてしまいました。

久しぶりに会いに行くと、職員さんから「今日は『おはよう』と挨拶してくれた」という話を聞いて祖父の部屋に行きました。
たくさん声をかけて帰ってきた言葉が「帰りたい」でした。それから数か月後に祖父は亡くなりました。

当時の私は祖父の言葉が耳から離れず、「施設に入ったら帰れるわけがない」と思ったのを誰にも言えずに、心にしまっていました。

しかし、進路を決める時にふと祖父の「帰りたい」という言葉を思い出し、福祉業界で働きたいと考え、専門学校へ進学しました。

専門学校で学んだこと

学校では、生活支援に繋がる座学や実習が楽しかったことがとても印象に残っています。

授業の一環で、高齢者施設でおやつレクをする機会がありました。
「何が喜ばれるのか」「何が食べたいのか」をグループで話し合い、昔からある食べ物で田舎に帰るといつもあるイメージの「どら焼き」を作ることになりました。

どら焼きを召し上がられた方からは、「美味しいわ、クリームもあんこも合うね」とにこにこしてくださりました。
普段食事をあまり召し上がらない利用者様も自分でどら焼きを持って召し上がられていて、職員の方も驚き、記念に写真を撮影されていたのをよく覚えています。

施設にいるからと我慢したり諦めたりするのではなく、食べたい物を食べられるように、行きたい所へできるだけ行けるように支援したいと強く思いました。

また、福祉施設での実習ではたくさんのことを学ばせていただきました。

特に印象に残っているのは、初めての実習で移乗介助の時に利用者様の腕を剥離させてしまったことです。その時のことが頭から離れず、介助が怖くなり「またけがをさせてしまったらどうしよう」「もう実習は続けられない」と思ってしまいました。

その時に、実習指導者の方が「勉強させていただいたと思い、今後に繋げて利用者様への感謝を忘れないように」と指導してくださいました。
直ぐに気持ちの切り替えはできませんでしたが、その言葉を忘れず最後まで実習を終えることができました。

この実習では、利用者様の一人一人の体の動きや特徴をしっかり把握し介助に臨む大切さを学ばせていただきました。

そして学生生活も終え、無事に卒業を迎えることができました。

働く上で大切にしていること

私は普段の私たちと同じように外出や好きなことをしてもらえるように支援することや、祖父のように家で過ごすことを望まれている方のサポートをしたいと考えています。そしていずれは地元の訪問介護で働くことを目標にしています。

そこでまずは経験を積むために、専門学校を卒業して特別養護老人ホーム夢の箱勝山に入職しました。

入職してからの半年はあっという間で、正直業務を覚えることで精いっぱいで利用者様とのコミュニケーションや自分が目標としていたことへの取り組みが中々できませんでした。

その時に、よく私に声をかけてくださった利用者様を看取らせていただきました。

「散歩したいわ」とよく話されており、私は「また行きましょうね」と声をかけるだけで実際に一緒に外出することはありませんでした。
その方の最後に立ち会ったときに「何でもっと仕事ができるようになって、一緒に散歩に行く時間を作れなかったんだろう」と後悔していました。

それからは、あの時の後悔をまたしないように利用者様一人一人と向き合い、その方が何を望まれているのかを見極めようと思いました。

そんな時に、私にとって理想といえる上司に出会いました。

どんなに忙しくても利用者様とのコミュニケーションや関わりを1番に考え、職員も楽しくないと利用者様も楽しめないということを教えてもらいました。

今はこの方と一緒に働く機会は減りましたが、働く部署が変わっても「利用者様が1番」という考え方は変わっておらず、いつも尊敬しています。

数年が経ち、リーダーになりました。私が目指している、普段の私たちと同じように外出や好きなことができるような支援を実現するために、色んな利用者様と過ごさせていただきました。

今の私がこだわっていることは「食事」です。

食べたいものを食べていただける工夫や、介助ではなく自分で食べたいと思ってもらうための工夫を、フロアのスタッフや専門職と相談をして提供したいと考えています。

一時期半数の利用者様におにぎりを提供していたことがありました。

一口で食べられるように100円玉くらいの大きさのものを作ったり、4つじゃないと嫌という方がおられたりと、一人一人食べたいおにぎりの形が違います。
中にはふりかけなどご飯のお供が必要な方もいたり、小鉢がたくさんあると集中が切れてしまう方にはワンプレートで提供することもありました。

このように一人一人に合わせた工夫をすることで、自分で食べることが継続できるように意識しています。

また、ご家族様との会話も大切にしています。口下手ではありますが、普段のご様子を一つでも多く伝えられるように心がけています。
勿論良い話のみお伝えできれば良いですが、時にはそうでない話もすることがあります。
できるだけ丁寧に説明させていただき、必要に応じて専門職の方の力もお借りしながら、日々務めさせていただいています。

目指せ目標達成!

今の私は1年目の頃に比べて成長できたところもあれば、まだまだ未熟なところも多いかと思います。
今後も、知識と技術の向上や利用者様と向き合うことを大切に日々精進したいと思います。そしてゆくゆくは地元で訪問看護ができるように頑張ります。

Text by サイハテ

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