理想のかき氷を求めて。長い道のりの末たどり着いた絶品とは?
夏だ!かき氷!?
夏も近づき暑さも増してくるこの季節。
四季の中で最も好き嫌いが分かれるのが「夏」ではないでしょうか。
この季節が好きな方はともかく、嫌いな方にも少しでも楽しみを作っていただきたい!
と言う事で、2軒のカフェ運営者がメニューに夏の風物詩であるかき氷を加えたことについてお話したいと思います。夏のスウィーツ「かき氷」を存分に楽しんでもらい、素敵な夏を過ごしていただけたらと思いますので、少しお付き合いください。
かき氷は年中楽しめる!
私が運営する介護施設「夢の箱」と「リズムタウン仙台」では、施設内でカフェを営業しています。
カフェ運営をする中で、年中楽しめる定番メニューを創りたくなり、考えに考えた末、意外にかき氷がいけるのではないかと気づきました。
なぜなら、まず真夏の暑い日、すっかり渇いた喉に流し込む冷たい氷も最高なのは言うまでもありませんが、春は5月でも晴れた日は20度を超す日はざらにありますし、秋でも9月ごろなら然りです。
問題は冬場なのですが、実は冬でも特に寒い地域ではガンガンに暖房が効いており、ただでさえ乾燥した空気の中なので気付かぬうちに喉がカラカラになってしまっています。そんな時、暖房で渇ききった、いや乾ききった喉に刺さるかき氷の旨さは格別ではないだろうかという事に気づきました。
調べてみると、奈良県にある有名なかき氷店、宮城県仙台市にある有名なかき氷店、北海道にある有名なかき氷店が冬でも行列が出来るという事を知り、自信が確信に変わりました。(このフレーズ古いかも…。)
先に述べた暖房→乾燥→かき氷の理論が成立するかと思い、定番になれるような美味しいかき氷をつくるぞ!という事で、私が理想のかき氷レシピにたどり着くまでの道のりをお話したいと思います。
「美味しいかき氷」とは!?
ひとことにかき氷と言っても色んな種類のかき氷があります。
ここからは私的な好みのかき氷についてお話します。
先ずは「氷」について。舌の上でザラザラとした氷の粒感のある氷や、もっと粗く削った小石大の氷を含んだ氷など、粒や口解けの具合に好みは分かれると思います。
私は真っ白で氷の粒感がなくフワフワとしていて、舌の上でスッと溶ける系の氷が一番好きです。氷を限りなく薄く薄く削ると氷は白くなり、粒感が増せば増すほど氷は透明になります。私はこれが最強だと思っていました。
その氷を作るにはこれを提供しているお店に行き、かき氷機のメーカーを盗み見するのが早い!次にご紹介する氷に掛ける蜜を探している際に、偶然にもこれをすぐに見つけることができました!ですので、かき氷機について、次でご紹介します。
理想の蜜と氷に同時に出会った!
かき氷にかかっている蜜といってどんなものが思い浮かぶでしょうか。
味は何が好き?と聞かれて思い出す、絶対と言っても過言ではない一番馴染みがあるのがあの赤・黄・緑・透明の甘~い蜜ではないでしょうか?
氷を選ばず、あの蜜さえあればかき氷!!と言えるぐらいのド定番。
子供の頃の思い出のかき氷と言えば夜店で食べた、全国共通の氷イチゴ!!
みぞれやメロンやレモン、ブルーハワイなど何を食べようか迷ったはずです。
しかし、ここでちょっと残念な話ですが、あの蜜は香料や色素の違いだけで味は同じなのだそうです。笑
で、その夜店の味の蜜も決して嫌いではないのですが、カフェではマンゴーや葡萄の実をそのまま乗せたフルーツかき氷などが若者に人気の様なので、調査をすべく東京の食の博覧会へと出向いたのがコロナ前のおよそ3年前。
夏に向けた新商品が所狭しと並び、入場者でごった返す国際展示場に突入してきました。そして不意に私の心を奪ったのが、深い緑色をした抹茶小豆のかき氷と、その横に見たことのない黄土色をしたほうじ茶小豆のかき氷でした。
話を聞けばその抹茶は、あの千利休も所望したという有名な老舗茶屋「茶寮 つぼ市製茶」のお茶屋さんのもので、香料ではなくお茶をふんだんに使った純度の高い蜜の味でした。鼻から抜けるお茶の香りが半端ない!
試食で頂いたかき氷は、私が求めていたフワフワの氷の上に、この抹茶蜜とあんこを乗せたかなりヤバ美味いかき氷だったのです!
すっかり魅了された私は、思わずこのフワフワ氷のつくれるかき氷機のメーカーを尋ねてみたところ、池永鉄工株式会社製造の「スワン」と教えていただきました。長い道のりの末、あっさりとフルーツの事は忘れ、運命の蜜と出会ってしまいました。いや、かき氷に出会ってしまいました。
仕上げにちょっと工夫を
ここまででかき氷の基本である氷と蜜は揃いました。あとは味映えと盛り付けです。抹茶やほうじ茶ということで、和風の容器を使うか、それとも涼しさをより演出するためにガラスの容器を使うか。スプーンも木製にするのか金属製にするのか。これも完全に好みですが、カフェではスガハラガラスの器にクリアコーティングした木製スプーンを採用しました。
仕上げに、乗せるあんこは日本最古の和菓子屋、和歌山県の(株)きたがわ商店「一寸法師」さんの最高級の北海小豆でつくったあんこを仕入れています。
さらりとした甘さで、あっさりとしているあんこが気に入っていますが、パンチが欲しい方は、最後に少し練乳をかけて出来上がり!
どこにもないオリジナルこだわりかき氷の出来上がりです。
絶品かき氷をつくるために
絶品かき氷とはなんなのか?それは、自分好みのかき氷を発見すること、それに尽きるのではないかと実感いたしました。
欲しい蜜やあんこ、かき氷が決まったら、それぞれに超こだわっているプロフェッショナルがどこかに居るので、会いに行ってみることをお勧めします。
難しいときは美味しいお店に行って見る、または聞く、無理な時はHPの画像から推測して探してみる。プロデューサーとして、アイテムのコーディネイトに徹することで、必ず絶品かき氷がつくれます。
これが、全く料理を作ることが出来ない私が見つけた絶品かき氷の極秘レシピです。そのための理想のかき氷を求める旅、皆様も楽しんでいただければ幸いです。
Text by ミスターS.K.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?