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【無印良品すごい】硬い桃を皮ごと食べるソリューション見つけてきた

「桃の旬」というと、いつ頃を思い浮かべるだろうか。

熟せば皮を剥かなくても香りがたち、とろけそうな果肉をしているタイプの桃の旬は、大体は初夏頃だと思う。

そんな「THE・芳しき桃」を横目に、わたしは晩夏から初秋にかけての、噛むとパリパリ音がするくらいの、かったい桃のことが、好きで仕方がない。

2014年

結構昔からあって、私もよく食べている品種は驚くくらい硬いことから「おどろきもも」と名を授かっているらしい。いささか安直すぎる名付けにも思うこちらの品種、桃特有のあの香りはそんなにしなくて、果物というよりは、もはや野菜のようにも感じる。が、それがいい。

調べてみると、最近はほかにも「美晴白桃」とか「西尾ゴールド(黄桃)」あたりが硬い桃として分類されるらしい。どれも旬が少し遅めで、かつ、あまりスーパーで見かけない。

まあそれもそのはず、商品ページにも「贈答には向きません」などの注意書きがされることも多く、一般的な「美味しい桃」の指標基準を満たしていない、と感じる人も多いのだろう。(私は大喜びするので気兼ねなく贈ってください皆様)

硬い桃との出会い

なぜ好きなのかというと、小さい頃から「おどろきもも」で育ってきたからだ、という他にない。

オンラインショッピングが苦手だったママンが「楽天市場」の購買体験とポイント施策の策略にまんまとハマりおかげで、その壁を乗り越えたのは20年くらい前だと思う。そこから今日まで、休むことなく楽天経済圏内をほぼ毎日フルマラソンしている母が道中に出会ったひとつが、この「おどろきもも」だった。

値下げ大好きママンの購買行動からして、きっと当時、普通の桃よりは少し安かったのだと思う。(今はわりかしいいお値段します)

毎年、5月くらいから予約が始まり、収穫され次第届く、みたいな注文スタイルで、自分のインスタを見返すと10年前「今年も実家から届きました!」とおどろきももの写真をアップしていたので、私もかれこれ10年以上は硬い桃ばかりを食しているようだ。

硬い桃の生態(本題)

さて、そんな「硬い桃」だけど、硬すぎて、適当に皮を剥くと角が立つ。

ここでいう「角が立つ」と言うのは、よく使われるあの比喩表現ではなくて、物理的に角がたつ。ご覧の通り、カクカクなのである。

10年前の写真

上記の写真の剥き方は個人的に45点くらいである。なぜなら、食い意地張り日本代表としては、果実というものは、皮についてる僅かな果肉も残さず食べたいからである。上のような剥き方では皮に果肉がついているので、勿体無いと思うのである。

そのような思想に基づいて食行動をするもんだから、結論、私は大体なんでも皮ごと食べてしまうか、剥いた皮も食べるという、お行儀悪いどころの話ではないソリューションに行き着いているのだが、桃はそうはいかない。というのも、皮に細かい産毛が生えていて、考えなしにかじりつこうものなら、口周りが荒れてしまうのだ。

拒絶されると歩み寄りたくなる。どうにか皮ごと食べたいと、過去に包丁の反対でこそげてみたり、アルミホイルくしゃくしゃにして擦ってみたりしてきたけれどなかなかうまくいかなくて、結局毎年、頑張って薄く薄く皮を剥いていた。


ぎゅって握っても潰れない(写真は同じ硬い桃英才教育を受けてきた弟)

しかし、2024年夏の私は、行儀の悪さの切れ味が一味違った。いや、正確には私が違ったんじゃなくて、無印良品がすごかった。

今年も今年とて、硬い桃を冷蔵庫に常備。
(ちなみに最近はメルカリで⭐︎5で取引数も多い農家さんから買ってみたりしてます)

仕事がひと段落したタイミングで1個冷蔵庫から取り出す。至福の瞬間。ニギニギしながら、包丁とまな板を用意して、さあ今日も薄く皮を剥くぞ〜!、と思っていたところ、ふとキッチンに置いていたこちらのアイテムが目に入った。

無印良品の「水回りの汚れ用掃除シート 税込299円(2024年9月現在公式サイトより)」だ。1枚10.0円。

発売当初から話題になっていて、噂を聞きつけて私も買ってみたのだった。我が家のシンクも鏡面ではないのでわりかし気兼ねなく使える。研磨剤を使用していない割に、結構肌あたりがイカついシートだなあ、と思っていた。使い捨てなので衛生的でもある。(とか言って何回か使い回すんですけどね)

その、MUJIの掃除シートのいかついガリガリと、硬い桃の表面のふわふわちくちくの産毛を見比べて、私は思った。

「これもしかして、桃の皮の産毛取れるのでは??」

思い立ったらすぐやってみたくなる。おもむろにシートを1枚切り取って水に濡らし、硬い桃の表面をそっとゴシゴシやってみた。 すると

磨いた部分の産毛が取れて、ツヤっとなって、一段とピンクが濃くなる。これは!いい感じかもしれない!

夢中になって、硬い桃を動かしながら、全体的にふきふきしてみた。

最初こそ慎重だったが、さすが固い桃、ある程度力を入れても果肉側が爆ぜたりすることもなく、途中から洗い上がりのシルバー拭き上げみたいな要領に。慣れたら1個10秒もかからないと思う。

すると、

左:禊前 右:禊後

つんつるてん!!!!!!!

なんかちょっと表面がしっとりしていて、触れると肌についつくような感じ。もはや官能的と表現せざるを得ない。早く食べたい。

再度軽く洗ってキッチンペーパーで水分を拭き取り、いただきますをして恐る恐る齧り付いてみた。


いけないと分かっているのに何度も繰り返してしまった産毛ごと齧り付いた後の口の周りの痛みと痒みを身体が覚えていて、歯を立てるまでは恐る恐るだったのに、唇にも吸い付いてくる桃の皮と、擦ったせいか、なんだちゃんと桃の香りするじゃん、と思うくらいにはしっかり桃の香りがして、そこからは本能のままに齧り付いてしまった。感覚が鋭いと言われる口の中で皮を破る感覚がクセになる。果肉も硬いといえども、皮との食感のコントラストははっきりとあって、ちょっと違う一面が見えてドキッとする感じ。

みたいなのを脳で感じながら、口からはとりあえず「おいしい」とだけこぼしたのでした。飼い猫が心配そうにこっちを見てた。

硬い桃の生産者さま、無印良品さま、ありがとうございます。
来年からもこの季節が楽しみです。

P.S.

恍惚の表情で「これは硬い桃好きの同志達に伝えねば……」とこれを書きながら、ふと「モテモテ食材の桃のことだから、これ、もしかして同じこと思いついている人いるんじゃないかな……?」と不安になって、普段ログインしてないXにログインして「桃 裏技」で検索してみたけれど「桃の香水はマジでモテる!」「桃の香水使っていたらすれ違った時に香水何使ってるか聞かれた!」みたいなのが多くて、こんなどう考えてもモテないソリューションは見当たらなかった。

ちなみに、柔らかい桃をやると色々ズル剥けるので注意が必要です


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