会社売って、今思うこと
株式譲渡をして約2ヶ月経った
その2ヶ月間、色々な思いが湧き上がり、心境が変わっていった
売却前の会社の状況は、人員不足で診療を縮小し、2ヶ月連続で売上が大きく下がった
それにより、売却話が流れてしまうのではないかと心配していた
さらにその前は、売却するかどうか?すごく悩んでいた
会社に愛着があるから手放したくなかったし、一緒に会社を育ててきた古株メンバーを裏切るような負い目を感じたからである
そうしないためにも、経営難が予想されるが、会社を売らずに踏ん張りたいという気持ちがあった
でも、借金など、煩わしい柵から解放されたいという気持ちが勝り、売却を決めた
では、売ってから感じたことは?
最初に感じたのは解放感だった
借金などの柵からの解放だ
鎖が外れ、背中に羽が生えたような感覚だった
自分はお金に対してのストレス耐性が強いと勘違いしていたが、そうではなかったようだ
お金、借金の心配をしたくない、そのことを直視したくないので、感覚を麻痺させていたように思う
解放されてみて、背負っていた重圧をはじめて認識できた
解放感を感じ、清々しい気持ちでいられたのは束の間、だんだんとネガティヴな感情が湧いてきた
その一つめ、それはお金に対する不安だ
売却で得たお金だけでは、家族や養っていくことができない
もうしばらく働かなければならない
ガーデン動物病院では顧問として働かせてもらうが、単年契約であり、更新されない可能性がある
安定した継続的な収入源がなくなったということによる不安を感じるようになった
そして、お金の勉強をした
将来、うちの家庭にはいくらお金が必要かを計算し、足らない分を仕事だけではなく、資産運用でも補うことにした
資産運用なんて考えたこともなかったが、勉強してみて、やらない手はないと思った
資本主義経済について疑問を感じていたが、その最たるものである株式投資に手を出すことにしたのだ
矛盾は百も承知だが、経済的な安心がなく、そんな理想は後回しにしてしまった
お金の勉強をし、その流れで経済や政治にも興味が湧き、勉強した
浅く広く、色々なことをつまみ食いすること、全体をざっと把握することは自分には向いていると思った
やっぱり、専門職は天職ではない
そう考えると、経営者には向いている気がするし(マネジメントは苦手だが)、株式投資も続けたいと思った
お金にはじまり、経済、政治と勉強していく中で、そんなことを考えていた
二つめは、承認欲求が満たされず、モチベーションが下がるということが起こった
買い手企業に対する承認欲求である
詳しいことは書けないが、自分のことを必要とされていないと感じた
そして、この会社をもっと良くするために頑張ろうという気になれなくなってしまった
動物病院の運営、そのサポートをするという仕事はやりたい
それをやっていくならば、自分を必要としてくれるところでやりたいと思った
そんなモヤモヤした気持ちを幹部メンバーたちに話した
理解をしてくれるメンバーもいたが、そうではないメンバーもいた
一番大切なメンバーたちだからこそ、自分の気持ちを伝えたかったし、分かってもらいたかった
メンバーとしては、会社と一緒に自分たちのことも売られたと思うかもしれない
これからどうなるのか分からないという不安もあるだろう
そんな状況で、僕のネガティヴな心境を伝えられても、受けとめられない人がいても仕方がないだろう
ある程度、予想は出来ていたけれど、それでも僕は伝えたかったのだ
僕の気持ちを受けとめなかったスタッフとの関係性が微妙な感じになった
モヤモヤ期が2週間ほど続いた
そんなモヤモヤ期の真っ只中、ふとあるスタッフのことを思い出した
優秀だけど、自分や幹部メンバーの陰口を言っていたスタッフだった
彼女の仕事ぶりを自分は評価していたが、関わりにくく、苦手なタイプだと感じていた
おそらく、彼女は僕に承認してほしかったのだろう
なぜ、自分は評価されない?
なぜ、自分よりも能力が低い人が幹部に選ばれるんだ?
そんなやり切れない気持ちだったのだろう
だから、発散するために陰口を言うという行動を自然ととっていたのだろう
自分なら、さっさと身を引き、必要とされる職場を探すか、独立して自分のやりたいようにやるだろう
満たされない承認欲求に対して、どういう行動を選択するかは人それぞれである
この体験によって、彼女の気持ちが痛いほどわかった
経営者、院長という立場だった時、このことを頭で浅い理解はしていたと思うが、腹落ちするレベルでは理解できていなかった
立場が変わることで、理解が深まることもあるということを学んだ
もしまた、スタッフを抱えてチームを作ることがあったら、そのことを思い出し、この体験を活かせると思った
そうこうしているうちに、資産運用の方針が立った
さらに、自分が必要とされていないと感じていることに対して、ガーデン動物病院で自分がとりたいスタンスが見えてきた
買い手企業にも、メンバーに対しても、自分は自分のできることを粛々とやるだけだと思えるようになってきた
ようやく、モヤモヤ、引っかかりが少ない、いい状態になってきた
そんな状態になった今
何をかんじているか?
どんな未来を描きたいか?
昼間は畑仕事や庭いじりをし、夕方からは焚き火をしながらビールを飲む
そんな毎日を過ごせたら幸せだろうなぁ と思った
そういう時間を過ごしている時が一番満たされていると感じられる
一人ででもいいし、家族や大切な人と一緒に過ごすのもいい
それをライフワークにしていきたい
もう一つある
それは、動物病院運営の経験を活かして、もう10年くらいはこの業界で働きたいという思いだ
自分を必要としてくれる場所で働き、貢献したい という気持ちもある
具体的には動物病院の顧問とか相談役という仕事、それと経営者や管理職スタッフのコーチングをやっていきたい
稼がなければ家族を養えないからかもしれない
他者貢献したいという思いもある
どっちもある
浮かんでくる二つの未来
たぶん、動物病院運営に携わる仕事をもうしばらくの間はやるだろう
フルタイムではなく、ピーク時の1/3くらいがちょうどいいように思う
その傍ら、畑や庭や焚き火やキャンプを楽しみ、それも仕事につなげたいと思う
もう一つあった
このブログもそうだけど、自分の学びや気づきを何らかの形で表現し、発信していきたい
立場も気持ちも身軽になり、自分の内面に変化があったので、書きたい内容も以前と変わっていくような気がする
書きたい時に書くというスタンスを続けたいけど、余裕ができたので、もうちょっと頻度を増やしていこうと思う
次回もお楽しみに
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