【食べ物の好き嫌いは触覚に関係する?】#05
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士のミキティです。
遊びに隠された感覚の秘密を
簡単にまとめています。
新型コロナの影響で
お家にいる時間が多くなり、
「子どもと何したらいいんだろう…?」
とちょっと迷われてる方の
ヒントになる事を載せています。
#05 触覚②
1. 触覚ってなんだろ?
「触って感じる事でしょ?」
その通りです!
前々回でも”触覚”について
お伝えしているので、ある程度ご存知の方
多いと思います。
※参考:「#2 触覚」
『触覚』は感覚統合では
3つの基礎感覚の一つと言われ
「前庭感覚」「固有感覚」と共に
とても重要な役割を担っています。
暖かい、冷たい、硬い、柔らかい等…
色々ありますが、
妊娠26週頃からはお腹の中で
びっくりする事に「痛み」も感じています。
2. 触覚がうまく働かないとどうなるの?
◉洋服の縫い目や襟首のタグを嫌がる
(ユニクロのベビー服はタグは外側についており、よく配慮されていると感心しています)
◉幼稚園・保育園・学校等での集団活動を避ける
◉座席は後方や隅を好む
◉整列では真ん中なのに後方へ行ってしまう
◉好き嫌いが多く、偏食気味
◉制作の糊など触れるのを極度に嫌がる
これらは触覚に偏りがあることが
一つの理由に挙げられます。
子どもの心の声を聞くと答えはこう。
「触れた時に
”なんかイヤな感じ”になるから!」
わかりやすく訳すると
◉触れた時に刺された様に痛く感じる
◉黒板を引っ掻いた時の音を聞いて
ゾワっとする感じ
◉怖い話を聞いた後に
一人夜道を歩いてたら
急に誰かが後ろから近づいて
「うわっ!」と心臓が飛び出る感じ
これも保護者や子どもの支援に関わる方に
お話しすると
「だから、そう行動するんですか…」
とストンと腑に落ちる。
3. どんな遊びをするのがいいの?
子どもがまずは安心して落ち着ける場所と
活動を考えます。
不安や恐怖の状態にあると
触覚の感覚の受け止め方がさらに
過敏になる為です。
この触覚の遊びには以前お伝えした
手の遊びに加えて
”固有感覚”の遊びを一緒に行うと
神経系の興奮を落ち着かせる作用が
あり効果的です。
※参考「#4 固有感覚」
◉お布団を二つに折ってその中に入れてギュッと挟んであげる
◉段ボールなどの狭い空間を作り、その中にクッションや毛布、ぬいぐるみを入れてその中に入れてあげる(これは以前勤務していた幼稚園で教室からよく脱走してしまうお子さんに居場所を与えるという意味でもとても効果的でした)
◉ギュ〜〜っと子どもを抱きしめてあげる
◉重い荷物を運ばせる(集団生活の場面では、”給食を運ぶ”等で本人が「役割を果たした!」と自己肯定感にも繋がります)
◉四つ這い遊び
大人が直接ギュッとする事に過敏なお子さんも
中にはいらっしゃいます。
そんなお子さんにはモノ
(お布団やぬいぐるみ)を介して徐々に
受け止めてもらえるようにします。
4.まとめ
赤ちゃんはしっかり抱かれて
リズミカルな揺れを受けると落ち着く。
大人だったら
好きな人に触れられれば
嬉しくなるし、
見ず知らずの人や苦手な人に
触れられればちょっと避けたくなる。
『触覚』は3つの基本感覚の一つ
と、言われるのは
こんな行動からも理解できますよね。
「触覚を使った遊び」
お家での親子のコミュニケーションや、
集団遊びのレパートリーの一つに
触れる事を使った遊びを
加えてみてはいかがでしょうか。
参考文献:
感覚統合Q&A
子どもの感覚運動機能の発達と支援
この記事が参加している募集
作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨