【高いところが怖いのはどうして?】#03
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された感覚の秘密を
簡単にまとめています。
最近は”パパにも是非見てもらいたい!”
と密かに思っています…。
#03 前庭感覚①
1. 前庭感覚(ぜんていかんかく)ってなんだろ?
??って思いますよね…
私も勉強するまでは全く知りませんでした。
でも実はこれ、とってもとっても大事な感覚なんです。
「揺れや傾き、スピードを感じる」
と言えばわかりやすいですね。
人間の体ってよく出来ていて、
目隠しをしても体が傾くと
ちゃんと頭を垂直に保とうとします。
これはお腹の中で15週頃から
ママの体の動きに合わせて反応が始まり、
誕生後、空間関係の発達にも強く影響します。
他の感覚と共に自由に体を動かしたり、
おもちゃを使って遊んだり、食事をしたり、
着替えたりなど…。
生活の中で欠かすことのできない感覚です。
2. 前庭感覚がうまく働かないとどうなるの?
◉高いところが怖い
◉ちょっとの揺れでとてもびっくりする
◉ぐるぐるその場で歩き回る
◉利き手の混乱や左右を間違える
◉読みの間違え「つ」や「し」など
「うちの子、怖がりなんだね」
「まだ子どもだからよく間違えるのかな?」
「ちょっと、他の子どもと違う…」
と思ったら、もしかしたら前庭感覚の
脳への信号が上手に行ったり来たり
していないのかもしれません。
3. どんな遊びをするのがいいの?
高さを恐がる子どもたちも多いので、
最初にうつ伏せ→座位→膝立ちなど
様子を見ます。
次に低い位置での階段の上り下りや滑り台、
四つ這いやトンネルくぐりなどから始めます。
それが上手に出来てきたら、
私はよくブランケット(バスタオル)で
ブランコ遊びをします。
低い位置でのゆっくりの揺れから、
高い位置での大きな揺れへ変化をさせます。
その後は細かい揺れや上下の動き。
子ども達は包まれる心地よい感覚と同時に
スリルも楽しめるようになります。
4. まとめ
遊びは子どもの心も体も脳も成長させます。
揺れや傾き、スピードを使った”前庭感覚”の
遊びは前回の”ビジョントレーニング” とも
深い関わりがあります。
お家での親子のコミュニケーションや、
集団遊びのレパートリーの一つに
加えてみてはいかがでしょうか。
参考文献:
感覚統合Q&A
子どもの感覚運動機能の発達と支援