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人道・開発援助の現場で活躍するあなたへのコーチング

今回と次回の二回に分けて、私がどんな方を対象に、どんなコーチングをしているかについて書きたいと思います。

コーチングを始めて丸五年になろうとしています。いくつかの記事ですでに触れたように、始めてから今に至るまで、いくつかの草鞋(わらじ)を履いており、コーチングはそのうちの一足です。

私のコーチングのクライアントさんは、大きく括って二つのグループがあるのでは、と最近感じています。

1.  人道・開発援助の現場で働く方々

私自身、世界の十一カ国ほどに暮らしながら、最初はボランティアとして、その後は職員として国際機関で二十年ほど勤務した経験があります。本部のあるジュネーブは会合や研修で何度となく訪れましたが、本部付の勤務をしたことはなく、常にフィールド、つまり「現場」での経験を積んだことを自分では誇りに思っています。

なぜ誇りに思うのかと言うと、現場というのは「この人たちを保護し、支援するためにこの国際機関は存在する」という、そういう人たちと直接コンタクトを取り、やりとりをしながら仕事をしていける場所だったからです。

もちろん、物理的な環境だけでなく、文化も習慣も言語も何もかも自分のものとは違う場所に住み、働くということはそれなりの大変さが伴います。

私自身は、場所によって程度の差はあれども、孤独感、無力感、燃え尽き感、疲労感、憤り、といった感情を感じている時に辛い思いをしました。一番辛かったのは、アフリカ大陸のある国に赴任していた時のことです。任地は首都から離れ、水道が通っていない、電気も来ない(そのため発電機を持っていた)いわゆる「僻地」でした。周辺数百キロにもちろん日本人はいませんでした。当時、日本人は首都にいる日本大使館関係の方々数人と、開発援助関係の方々数人といった程度でした。日本人でなくても、とにかく外国人すら自分の事務所の数人以外には数えるくらいしかいない、という場所でした。

今思うと、何よりも辛かったのは数人で構成されたフィールド事務所での人間関係と、地元の人々との価値観の違いでした。

その時から十五年くらいたった後、コーチングを学んでまず思ったこと。

「あの時、コーチという人がいて、(電話でもなんでもして)とにかく自分の話を、思いを聞いてくれ、(コーチング特有の)エンパワリングな質問を通して自分の迷いをはっきりさせる手助けをしてくれ、なぜ私がこの仕事をしたかったのか、そしてこれからどんなふうにキャリアを築いてどんなふうに生きていきたいのか、そういうことをクリアにする手助けをしてくれたらどんなによかったことだろう!」

という気持ちでした。それが、私とコーチングとのつながりの原点です。

現在まで、私のクライアントさんにはこの業界で世界中の様々な場所で頑張っている方々がいらっしゃいます。私は日本語と英語でコーチングをしますので、日本人の方だけでなく、様々な国籍の方々がいらっしゃいます。彼らが、

人道・開発援助の現場での経験が豊富で、この業界ならではの課題や、そこに携わる人が抱える問題について良く分かっているコーチ(私)と出会えて嬉しい!

とおっしゃってくださる時、私もコーチになって本当に良かった、と思います。


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