smashing! いちれんのながれのさきで
佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。この病院の税理士・雲母春己は二人の先輩である理学療法士・伊達雅宗と付き合っていて、そして伊達の彼氏になった設楽泰司も一緒に、三人で暮らしている。
連休最後の日。昨日は雲母さんと丸一日過ごしたらしい伊達さんは、昼過ぎにオレが実家の用事から戻ると、既に少しグロッキー気味。ハルちゃん今日からもう仕事入っちゃてるから思う存分楽しんだんよ、食って呑んで映画観て色々なさっていたら朝だった、っていう。入れ違いで出掛けてった雲母さんすごい元気だったけど、そんな事情があろうとは。大体ウチら二人で伊達さんを共有してる分、どうしても伊達さんが倍頑張らないとみたいになってくるんだな。水陸両用みたいな。
いやーもお腰立たないかと思ったあ。ソファーに転がったまま品のない事を。昼ご飯食べましたか?オレの問いに小さく首を振る。おすすめのカップ麺ありますけどどうですか、韓流好きの病院の子が教えてくれたんです、自室から「チャパグリカップ麺」を持ってくると、伊達さんが興味津々で食いついた。
韓国風ジャージャン麺って説明が。甘くて辛そうな汁なし麺。これいいわあ旨いわあ、伊達さんがものすごく嬉しそうだ。こういう辛いのこの人大好きなんだよな、この程度ならしりのアナにも問題なさそうだし、って何の話だ。今お前の考えてる事すげえ伝わってきたわ、伊達さんがぼそりと呟く。
物足りなくてご飯も持ってきて混ぜて食う。うわそばめし超えたわこれ、これも結局そばめしだけど。伊達さんは冷蔵庫からビール持ってきた。それも合いますね。栄養的にはどうかと思うけど心の満足度からするとすげえ大満足。結局オレはカップ麺二つと白米。気持ちいくらい食べるねえ、伊達さんはオレがたくさん食べるのがすごく好きらしい。
お前顔にいっぱいついてるし、伊達さんがティッシュ片手にオレの顔を乱暴に擦る。あーこれ取れないわあ、言いながらぺろっと舌で舐めとってる。先に舐めたの伊達さんですからね、その頬をキュッと片手で挟んで唇に齧り付く。辛味効いてて旨い、味わいながら長く深く。伸ばした手の先、そこは何も兆していなくて。さすがにまだ勃たないかな、それでも気持ち良さげに揺れる腰がいい。どんな挑発にも素直に乗ってくる、伊達さんの奔放さがオレにとっては何よりのご馳走なわけで。
今頃になって辛味が喉にきたわあ、息継ぎの合間に呟く伊達さん。オレが食べた方が辛口のやつでしたから。えー俺も辛口がよかったなあ、じゃあ後でもう一個食べましょうかまだ在庫あるんで。この一連の流れ、一通りとりあえずは、終わったら。
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