♯3 最終章〜イタリア海軍・ヴェスプッチ号をさらにじっくり見てみよう!
読み進める前に、まずはちょっとクイズです💡
この『 アメリゴ・ヴェスプッチ号』 は、 15世紀のイタリア人探検家アメリゴ・ヴェスプッチに由来しています。 「そしてもう一つ、この探検家の名前が由来のものがあります!しかもとっても有名!それは一体なんでしょう〜?」
浮環の『AMERIGO VESPUCCI』、趣ある手書きの文字体と挿絵がたまらなく素敵です✨🖌️🎨
ちなみに左側の方が、この船の名前の由来の探検家ヴェスプッチさん。
「あ、白い制服のお方じゃないですよ!浮き輪の挿絵の左側ね♪ 笑」
それにしても、海軍のこの白い制服って良いですよね〜✨短髪に制帽が眩しすぎる!
はい、ではクイズの答え
正解は 『アメリカ』 🍔🍺
「アメリゴ・ヴェスプッチ」をイタリアっぽく読むと、アメーリゴ・ヴェスプッチとなります。
「なんかアメーリゴさんが大きい大陸見つけたんやって!知ってるか?」
「知ってるわー!アメーリゴの見つけた新大陸やろ?」
「そうそう、アメーリゴの大陸やばくね!」
「アメーリゴの大陸〜ウケるー!」
「アメーリゴ大陸」
↓
「アメリカ大陸🇺🇸」
爆誕!どどん!✨
となったのかどうかは、とりあえず置いといて、笑
まずはヴェスプッチ号を深掘りしていきましょう!
Allora, Andiamo! ⛵️⛵️⛵️
アッローラ・アンディアーモ
それじゃ行ってみよー!
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この遠目にも目を惹く✨白と黒の船体は、19世紀の戦艦の舷側を模倣しています。
さらに特徴的なポイントは、白い帯部分に舷窓が配されているところ♪
何気なく配されたような舷窓、でもこんな細部まで、船体全体のデザインにリズムを与えるように設計されているんですね!
さすがデザインの国、イタリア🇮🇹と唸るほど、今だに古さを感じさせない圧倒的な華麗さです!
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ヴェスプッチ号の仕様
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ではもっと細部まで覗いて丸裸にしてみよう!
🙈やだ〜そんなに見ないでっ!
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1.まずは船首
船首から、スーッと後尾へ連なる優美な帯のレリーフ fregi di prora。
これは純金箔で覆われており、同じように船尾に配された金のアラビア風唐草紋様レリーフ arabesco di poppa へと続き、船全体に統一感を与えるポイントとなっている。
そしてよく見ると、船首のレリーフは魚やドラゴンの意匠になっており、
写真じゃ分かりにくいけどとっても可愛い🐟
2.フィギアヘッド・船首像
『ヴェスプッチ号』の船首像
帽子は被らず、視線は前方に注がれ、肩にふくらみのあるジャケットと、一部を覆うマントを着用しています。右手を左胸に当て、左手には巻かれた航海図を握っています。さらに船首像の後ろには、幸運の象徴とされる雄牛の角が取り付けられています。
ちなみにこの船首像、船首の飾りと同様に、常に波に打たれ、時間の経過とともに損傷する可能性があります。そのため、船は定期的にメンテナンスを受ける際、これらの部品は取り外され、ラ・スペツィア海軍工廠の塗装工の工房に移され、清掃、修復、再鍍金されるそうです。取り外し可能なんて、便利〜
彼の手に握られたヴェスプッチの航海図は、後に、ドイツの地理学者マルティン・ヴァルトゼーミュラーの『世界地図』製作へ影響を与え、さらにはドイツの版画家アルブレヒト・デューラーの『北星天図と南星天図💫』の製作に影響を与えたことを象徴しています。
ちなみにヴァルトゼーミュラー、
彼はヴェスプッチが発見した大陸に『アメリカ』という呼び名をつけた人でもあります🌎
そして、アルブレヒト・デューラー⭐️💫🌛
星好き、占星術、タロット好きにはたまらない彼の世界観!
これらの記事も面白いですよ☟ ☟☟
3.甲板
ヴェスプッチ号の大部分がそれぞれの特性に応じて様々な木材で作られていますが、それが一番に感じられるのは甲板に上がった時!
さまざまな材質の木材が目に飛び込み、その伝統的な航海帆船の美しさには目を奪われます。
3本で構成されたマスト、26枚の帆はすべてオロナ布製で、ロープはすべて植物性素材、チーク材の甲板、マホガニー、チーク、サントスローズ材の海事用具など、美しい光沢を放つ高級木材と、丁寧に使い込まれた古典的な各種仕様にも目を引かれます。
それぞれのエリアによって、使われている木材の材質も違うそうで・・・
例えば、『甲板、バトラー、舵室』にはチーク材。『マリン用品(パジエンツェ、カヴィリエ、ボッツェッリ)』にはマホガニー材。士官室の家具などにはオーク材、会議室にはマホガニーとウォールナットが使われているそうな🌳🪵✨
士官室、オーク材なんだ〜・・・
ウィスキー🥃とかワイン🍷の熟成樽と同じだ!
香り良さそう〜笑
4.オフィサー専用エリア
一般には公開されていないようですが、その内部はさらにめちゃ素敵なんですよ!
こちらの記事に写真がたくさん載っているので内部を見たい方はぜひどうぞ🎵
☟ ☟ ☟
5.そして最後は〜華麗なヴェスプッチの船尾
黒と白に色分けされたエレガントな船体に、『AMERIGO VESPUCCI』の金の華麗な飾り文字。そして金のアラビア風唐草模様の装飾 arabesco di poppa💫
たっぷりと色気を残しゆっくりと立ち去る・・・往年の大女優のような華麗なる後ろ姿✨こんな素敵なお尻なら 船尾なら、いつまでもハンカチを振って見惚れてしまいますね!笑
おまけ
ヴェスプッチ号の規律
汽笛の音に皆が気を引き締め、気をつけの姿勢をとります。艦長が乗船すると、水夫長は汽笛を吹き、全員が「バンドに2つ」の命令に従い、艦長を敬礼で迎えます。これは、かつて水夫長が油灯で照らしていた舷側の階段を意味し、士官が乗船する際に敬礼をするという古い慣習です。ヴェスプッチでは、すべての命令は艦長から水夫長を経由して笛で伝えられ、全員が厳格な規律とチームワークを学びます。
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ヴェスプッチ号のモットー「始めた者ではなく、最後までやり遂げた者の勝利」
レオナルド・ダ・ヴィンチの格言
甲板には、「Non chi comincia, ma quel che persevera」〜始めた者ではなく、やり遂げた者の勝利〜という言葉が銘文にしっかりと刻まれています。
これはレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉で、
『Chi ben comincia è a metà dell’opera』
「上手く始めれば、半分は終わったも同然」
要約すると、
『最初の段階をしっかり行えば、後の作業はスムーズに進む』という言葉に対する彼の答えだと言われています。
なぜアメリーゴ・ヴェスプッチ号の甲板にこの言葉が刻まれているの?
それは、『単に何かを始めることだけでなく、目標を達成するために、継続して粘り強く努力することがいかに重要であるかを強調するため』です。
甲板に大きく刻まれたそのモットーは、訓練生たちに彼らの道を進むためのモチベーションを与えています✨
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『After 60 years you're still the most beautiful ship in the world✨』
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第1話〜ヴェスプッチに会いに行こう!
第2話〜ヴェスプッチの姉妹船「コロンボ号」の 悲しき秘話
⚓️ ⚓️ ⚓️✨
3回にわたっての濃ゆい〜ヴェスプッチ号の話
いかがでしたでしょうか?
なんかマリトッツォを3個ぐらい一気に食べた後のような・・・満腹感がありますね☕️
私は存分に語れてスッキリしました!笑
ヴェスプッチをご存じだった方も、そうでない方も、これを機にまた違ったイタリアについても思いを馳せてもらえるきっかけになっていれば嬉しいです!
イタリアって、ほんと奥が深いです。
では
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みなさまにとって良き1日になりますように✨
追記:
ヴェスプッチが『唯一無二』と世界中から尊ばれている点は、90年経った現在も変わらぬ姿、且つ現役でイタリア海軍に於いて造船当初と同様に『海軍訓練船』として存続し、また大切に用いられていることにほかならないでしょう。
ヴェスプッチの船上では、実地訓練より、歴史的なアンティークな航海器具を用いた昔ながらの訓練が尊重されており、この歴史的な帆船を用いた航海には、それぞれの人的な役割が必須となります。そしてこれは仲間との絆を育ませる貴重な体験となり、各国の海軍では行われていない非常に稀なものです。
もちろん帆船だけの航海に頼らず、現在のヴェスプッチはエンジンなど最新技術を用いてアップグレードされていますが、「六分儀 Sestante」を用いた特徴的な船上訓練以外にも、造船当時そのままを保持させ、年々劣化する航海器具を少しづつメンテナンスして現役で活躍させている点などが、とてもイタリアらしい素晴らしい歴史観を感じさせるものだと思いますし、なにより彼らのヴェスプッチへのリスペクトと溢れる愛情が、この船をさらに魅力的に見せているのかもしれませんね✨
東京に停泊中のヴェスプッチの『キッチン』の様子 〜 『未来少年コナン』のバラクーダ号を思い出します🍝笑
またしても面白いショート動画が上がってたので追記:2024年9月30日
『ヴェスプッチの航海中、日付変更線やホーン岬を通過するたびに、船員たちは記念としてPERGAMENEペルガメーネ・羊皮紙の航海図にサインをもらいます。
これはヴェスプッチの船員として、海兵隊員の基礎を終了し、成長した証明とされ大切にされています。』
〜日本で言うところの「終了証書」みたいなもんですね📜✨
渡航先ごとに記念切手とスタンプが押されて、まるでイタリアン・スタイルの「御朱印帳」笑
「士官室で、ヴェスプッチの船上でペルガメーネに署名中」のショート動画は、ここからどうぞ☟☟☟
動画を見ると、さすがに羊皮紙の航海図じゃなく紙の用紙みたいですが、これも時代が変わればデジタルになるのでしょうか…イタリアらしく紙の質感を大切に継続するのか?!
ちなみにイタリアの主な公立学校の卒業証書は、だいぶ前に、すべてデジタル交付に差し替え😢 もし紙の署名入りものが欲しい場合は「個別にリクエストしてね!それ以外はご家庭でプリントアウトしなさってね」のスタイル。味気ないわ〜〜〜
なのでうちは『紙の卒業書も下さい申請』しましたが、「小学校の卒業証書」が中学卒業の時に届きました笑。で、その頃には家族一同すっかり小学校の卒業証明なんて忘れてて、なんかその紙が邪魔になるっていう・・・イタリアあるある。笑
龍があしらわれてるのは…これ、どうでしょう?カッコイイっすか?ちょっと子供っぽくないっすか?みなさんどう思います?なんかワンピースっぽいつーか、童話の挿絵とかっぽさが でも海の神話っぽくて素敵ですね!・・・😅
あと個人的に、
このショート動画の撮影されてる部屋に、今は無き…あのコロンブス号の思い出の絵画が写っててしんみりしました💙ヴェスプッチとコロンブス号の感動秘話はコチラからどうぞ!(ハンカチ片手に😭)
今日は、ヴェスプッチはフィリピン・マニラを出港し、あと4日でオーストラリア・Darwinに入港予定🐨
🇦🇺イタリア人移民が多い国だけに、大々的なレセプションがまたあるのか?楽しみであります🎵
登檣礼(とうしょうれい)は、帆船が入出港する時に乗組員によって行われる伝統的な海上儀式。母港や寄港地に敬意を表する最高儀礼で、「乗組員を、帆桁という戦闘準備が可能な位置に配置することで、敵意がないことを証明する」意味を持つ。
最後に・・・
私はこの愛敬あるヴェスプッチが大好きですが、我が国の凛とした日本丸ももちろん好きです!そして横浜の日本丸はヴェスプッチと同じお年頃。今年初めには、クラファンで修繕された私たち日本の「太平洋の白鳥」🇯🇵✨ぜひ世界に自慢したいです!
追記:2024年9月11日 トレモロ
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