レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドとメタ認知(2)手続き的知識のメタ認知
メタ認知とレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドの関係を考えていこうとするなかで、前回は、メタ認知の定義と、「宣言的知識」のメタ認知について考えてみた。
今回は「手続き的知識」のメタ認知について考えてみる。
「手続き的知識」とは、あることをどうやって行うかについての知識である。俗にノウハウと呼ばれる。
この「手続き的知識」のメタ認知とは、あることをどうやってやるかを知っている自覚があること、となる。
そして重要な特徴として、「手続き的知識」は学んだときにはメタ認知ができている(どうやっているか自覚がある)のだが、時間とともにできる状態はそのままで自動化されていく、すなわちメタ認知できなくなっていくのである。
この自動化を脳の余裕を作るものとみて良しとする考え方もあるが、自動化されているがゆえに、解決の障害となることもあることに注意しなければならない。
レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドを、この「手続き的知識」のメタ認知の強化のために利用したほうがよいのは、「判断」の見直しやアップグレードが課題となるときである。ワークショップの中心的課題がどこにあるか、ファシリテーターとしては敏感になる必要がある。
「手続き的知識」を可視化する場合には、自分がよく使っている解決のプロセスをモデル化して表現してもらう方法が考えられる。ただ、解決のプロセスをレゴ🄬ブロックのモデルとして表現することは手間がかかることは覚えておきたい。解決のプロセスは、アクションと状況要因との関係と影響力の連鎖の中で進むからである。簡単に言えば、アクションのモデル、状況要因のモデル、そしてその関係性のコネクション表現とプロセス表現の手間がかかるのである。
そこで、その参加者がおかれている状況をまずモデル化し、その場に課題を放り込み、「判断」をしてみせてもらって、その場で自分の判断について振り返ってもらうという方法を使えるようになっておきたい。後者については「出来事のプレイ」と呼ばれる応用技術によって可能になる。
ここで、気を付けておきたいのは、一度、自動化されてしまうと、簡単には手続き的知識を変更できない可能性があるということである。変えなければならないとわかっていても、変える行動ができるまで時間がかかることもある。
その最たる例は、以下のビデオの逆ハンドル自転車である。
つまり、レゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドによって、自分がどのような「手続き的知識」を使っているかメタ認知でき、それをどのような知識と換えていけばよいのか分かったとしても、それを本当にできるようになるには時間がかかることを知っておくべきだし、覚悟してもらうべきである。
同時に大事なことは、あまり悲観的にはならず、難しいけど不可能ではない(上記のビデオでも一日5分間で8か月あればできた)ことも知っておくべきである。意識して最初はうまくできなくとも繰り返し取り組むのだ。
こうしたことを、プロセスをレゴ🄬シリアスプレイ🄬メソッドのワークショップについて(それに限らず、すべての「手続き的知識」の改善について)参加者にわかってもらうことも大事なプログラムの一部なのである。