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THE GAZETTEを読む(59)2024年2月号 習慣的なやり方を打破する

 本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
 この記事の引用元原文はこちらのURLから確認することができる。

レゴシリアスプレイをあなたのリセットボタンとして使う
 最も尊敬される思想家の一人であるアルバート・アインシュタインは、「異なる結果を望むなら、同じことをしてはならない」と言っています。
 レゴシリアスプレイメソッド(LSP)というアイデアに興味を持つ人は多くいます。特にエンジニアや科学者には、レゴブロックで想像を膨らませたり、組み立てたりして楽しく過ごした青春時代の思い出を持つ人が多いのです。そして、自分の子供や孫と一緒に幸せで実りある経験をしたことがあり、レゴブロックが入った容器が子供のお気に入りの一つであることを私に話し、さらに自分の子供がいかに創造的で想像力に富み、何時間も組み立てに没頭しているかを話してくれる人も大勢います。
 しかし、カラフルなブロックを会議室で使おうと考えると、状況は一変します。理性的な思考が、感情的な欲求を覆い隠してしまうのです。仕事について私たちが分かっていると思っていることがあります。それは真剣なものであり、生産性が重要で、お金を稼ぐこと(そして無論、楽しいものではない)ということです。これらは、産業革命の黎明期やMBAが誕生した「暗黒の時代」に確立されたビジネスの固定観念であり、こうした固定観念の大半は、ビジネスが「こうあるべき」という私たちのメンタル・モデルをいまだに導いています。私たちの思考は、暗黒の時代を捨て去り、光の中に入ることで恩恵を受けることができます。

THE GAZETTE 2024年2月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 現代において、固定観念はビジネスにおける最大の問題の一つである。さらにここに書かれているように「感情」や「直感に基づく内なる声」を活用するのではなく、出さないように押さえつけるようなマネジメントを志向する企業も少なからずある。

 なお、以下の記事に書かれているように、創造力は感情と深く関わっていることが少しずつ明らかにされつつある。感情を掻き立てるような仕掛けをつくることもマネジメントにおいて重要だと考えられるようになっている。

結果を出すための習慣的な方法に挑戦する
 直感を信じましょう。そうすれば、私たちは自分の欲求やニーズ、そして、私たちは集団として創造的であり、組織が直面する多くの課題を解決できると信じたいという弱い内なる声に耳を傾けることができます。今日の様々な職場においては、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)が願いをかなえる言霊となって、私たちはこの潜在的な力を引き出し、同僚が互いに敬意をもって耳を傾ける方法を見つけることを熱望しています。しかし、合理的な思考は、変化や未知なるものを恐れ、現状維持という暗い解決から脱却したいという私たちの願望をシャットダウンしています。
 仕事に同じことの繰り返しを期待するなら、そうなるでしょう。意欲的でダイナミックなリーダーとして生きていくには、自分の内なる声を信じる必要があります。いろいろな、労働者の人口構成、モチベーション、期待がいかに変化したかについての記事が載っていますが、私たちはしばしば、20年以上前に私たちのロールモデルやメンターが管理したのと同じ方法で管理しようとしています。

THE GAZETTE 2024年2月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 合理性をどう定義するかにもよるが、合理的に考え、行動しやすくなる条件の一つには、前提が明確であることがある。多様性が高まると、人によって前提が異なる可能性が高まる。その高まりは前提を複雑にし、コミュニケーションのときに不明確にする。公平性や包括性の掛け声は、その傾向を後押しする掛け声でもある。
 明確な前提、全員が同じ前提の下で動いていた環境に慣れきっていた人が、皆が異なる前提であり、どのような前提なのか分かっていない環境に放り込まれれば、合理的に判断し行動することに不安を覚えるであろう。その不安は、これまでの画一的なやり方に閉じこもる防衛的な反応として現れるかもしれない。合理性を重視する組織であればあるほど、反動的に「現状維持」に向かいやすい時代なのかもしれない。

LSPをリセット・ボタンとして使うべきとき
 では、あなたのチームがレゴシリアスプレイに取り組むベストなタイミングはいつでしょうか?私たちの経験では、重要な決定をするために3人以上が集まったときです。その背景や目的はさまざまです。例えば、新しい仕事に就いたときや昇進したとき、市場シェアを伸ばしたいときや業務を改善したいとき、組織のお気に入りの顧客と悪夢のような顧客の違いをはっきりさせたいとき、前者をより多く、後者をより少なく獲得したいとき、解決不可能と感じる問題や課題に直面しているときなどに、レゴシリアスプレイのワークショップを計画してください。チームメイトと作り上げる答えは、驚きと行動力をもたらし、さらに楽観的になり目的の共有ができたという感覚をもたらすでしょう。

THE GAZETTE 2024年2月号をDeepLで翻訳・筆者が修正

 そのような合理性の呪縛から解放され、もっと創造的に人と組織を動かしたいと感じるのであれば、人々の心の声を引き出し感情を放出させて想像力を高めていく、レゴシリアスプレイメソッドはそのきっかけの一つを与えてくれるだろう。

 今号では、「さらなるインスピレーションを得たい方へ」ということで、追加でいくつかのリンクが紹介されている。

習慣的思考を打破することの科学についてのブログ

 こちらは、英語表記の記事であるが、ブラウザの翻訳機能を活用して読むことができる。習慣的思考の特徴の解説から始まり、具体的な行動による問題の解決策も提示されているため、多くの人にとって参考になるだろう。

レゴシリアスプレイメソッドの核心について説明するビデオ

https://seriousplay.training/wp-content/uploads/2019/05/The-LSP-process-at-a-glance.mp4

 特に日本人にとっては、なかなか見ることのない海外でのワークショップの様子を見ることができる。英語が分からなくても、トレーニングを受けたレゴシリアスプレイのファシリテーターであれば、雰囲気で何をしているかはわかるだろう。

あなたがなりたくないイノベーションリーダー。「第3のイノベーション」のワークショップから。

https://seriousplay.training/wp-content/uploads/2019/05/video-output-5B918622-3223-4E96-A802-C6D57A6DBECA.mp4

 なりたくないイノベーションリーダーを言語化することで、「上司=従うもの」という習慣的思考を打破し、感情の放出も行われる。このような感情を表出しやすい問いはレゴシリアスプレイメソッドと組み合わせると非常にパワフルに作用する。

 なお「第3のイノベーション」については前回のNoteで紹介しているので興味を持たれた方はぜひご覧いただきたい。


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