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組織進化論とレゴシリアスプレイメソッドとの接点(4)進化のプロセスについて

 ハワード・オルドリッチの『組織進化論』を少しずつ読みながら、考えたことを書き下ろしていく。

 いよいよ進化論アプローチによる組織理論の中核に入っていく。

 進化論アプローチから説明される組織の進化プロセスには大きく4つの局面がある。

(1)変異(variation):組織に新しい試みや考えが持ち込まれること
(2)選択(selection):特定の試みや考えを区分し除去すること
(3)保持(retantion):変異で生まれたものを保護したり再生産すること
(4)闘争(struggle):組織内で希少な資源を奪い合うこと

である。
 オルドリッチによれば、これら局面は、組織において順番で進むというよりも、一つの組織の中では、同時に起こるものとしてみなす方がよいということである。

 レゴシリアスプレイメソッドは、一つには、それぞれの人が普段の仕事環境では出していない考えを、レゴブロックを使ったモデルを使って目に見える形で表出させることにある。
 その意味で、レゴシリアスプレイメソッドは、「変異」を組織の中に持ち込む効果があるということができる。

 また、メソッドを使ったワークの中で、モデルを作って表出されたアイデアを、整理したり、そこから、全員が納得する結論や洞察を生み出したりすることもできる。これは「選択」のプロセスにあたる。

 つまり、組織の進化に対して何らかの影響を与えることはありそうである。

 ただ、生じた変異が組織に取り込まれて「進化」となるためには、さらに「保持」のシステムが働かねばならないし、組織の内部での「闘争」が過度に干渉してこないようにしなければならない。

 この「保持」や「闘争」について、レゴシリアスプレイメソッドがどう関わるかについては今の時点ではわからないが、本書を読み進めていく中で考えてみたい。

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