THE GAZETTEを読む(3) 2012年12月号 レゴ®︎シリアスプレイ®︎の取り組みが、メキシコのビジネス文化に変化をもたらす
本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンであるTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎のファシリテーター・トレーニング修了者向けとして書いている。
この記事の引用元原文はこちらのPDFから読むことができる。
この号はレゴ®︎シリアスプレイ®︎の世界的な広がりについての紹介が中心となっている。メキシコ政府がバックアップするプロジェクトになったというのは驚きである。
革新的なツールを身近なものに
大企業では潤沢な資金があり、それだけにレゴ®︎シリアスプレイ®︎の導入もチャレンジしやすい。しかし、本当にそのツールを必要としているのは中小企業であるというのは日本でも同じだと考えられる。
大企業よりも中小企業の方が環境の変化から受ける影響は大きく、環境変化を察知して、より素早くビジネスの重心や自社の立ち位置を転換していく必要がある。そのためにリアルタイム・ストラテジーというプログラムがあるが、少なくとも2日間ほど時間を要するため、コスト的に中小企業はその実施を躊躇する傾向にある。そこを政府として支援しようという狙いということだ。
上記の文章には、以下のような写真(Youtubeビデオへのリンクだが、現在は非公開になっている)とキャプションも添えられている。
Lucio Margulisは、世界の数少ないファシリテーター養成トレーナーである。トレーナーとしての力もさることながら、経済長官にレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを紹介する機会を作ったということに刮目させられる。1年近くかけて複数回、見せていることもこの文章から分かる。相手にレゴ®︎シリアスプレイ®︎を理解してもらうためには、それだけの周到な準備と努力が必要なのだと強く感じさせられる。
2000社を対象としたプログラム
トレーニング終了後にすぐに実践の場が用意されているということは、本当に恵まれている。私も別の機会に4日間のトレーニングを受けたが、4日間は手法と背景知識、参加者として各種の標準プログラムを体験するところまでが精一杯で(それだけのボリュームがある研修となっている)。4時間のワークショップをそつなく行うには、トレーニング修了者が、そこから練習・実践の場を数多く持ってファシリテーション・スキルを上げていく必要がある。
つまり、ファシリテーター同士のスキル向上のためのネットワークと支援体制が非常に重要となる。この10年の間にレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドはより深くかつパワフルになったが、同時にそれを吸収するための支援の必要性はますます高まっている。
ちなみに上記の引用文にあるフェイスブックのリンクを踏むと、承認制のコミュニティへとつながる。参加しないと投稿内容は見れないが、コミュニティの概要では、700人近くのメンバーがいることが確認できる。グループ名も地域は「メキシコ」ではなく、「ラテンアメリカ」となっていることから、着実にネットワークが広がっていることがうかがえる。ちなみに日本のフェイスブックのコミュニティメンバーは700人を超えていて、ラテンアメリカ地域以上のコミュニティとなっている。
この記事の脇に、以下のような写真とメッセージがある。
上記の写真には「他の事例を見る」と文字が重ねてあるが、バックナンバーからは残念ながらリンク切れになっている。
本号について読み、メキシコでのプロジェクトのようなことを日本でも起こせたらと想像すると興奮と心配が混ざったなんともいえない感情がわいてくる。いざ、そのような機会が巡ってきたときには、確実に、大きな成果を生み出すワークショップを提供できる体制をしっかりと整えておくことが求められるからである。そして今回の事例の規模になれば、それは一人ではなく、レゴ®︎シリアスプレイ®︎のコミュニティに属するファシリテーターのチームで成し遂げなければならない。
コミュニティ・オブ・プラクティスと、そのマネジメントについて理解し、実践することの必要性を、コミュニティの一員として感じさせられている。
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