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価値観の2つの軸から考える
上記の本で紹介されている価値観についての研究によれば、さまざまな文化に共通する価値観をメタ的に整理していくと、「自己超越性ー自己高揚」、「維持ー変化への柔軟性」の2軸で配置されていくという。
さらにこれを噛み砕けば「全体重視(自分以外を大事にし、超越的な視点からの教えや社会の規範に従う)ー個人重視(自分の力を発揮し高め、個人の利益追求を良しする)と「変化重視(変化を持って良しとする)ー維持重視(維持を持って良しとする)」というように整理できるだろう。
価値観が物事を判断するときの基準を提供するとするならば、この価値観のメタ整理は判断のための2つの基準を提示しているとも言うことができる。つまり、何かの政策や取り組みを考える時に周りの人の反応を想定しておきたいとするならば、個人か社会かの観点と、変化か維持の観点から、どのような反応がでるかを考えてみれば良いということになる。
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レゴシリアスプレイメソッドのワークにおいて必須ではないが、何らかのアクションを検討するときに、この軸から考えればバランスのとれた検討を実現させることにつながりそうだ(新しい取り組みに対しては保守的な意見を出し、その声について考えさせる、個人重視の政策に関しては他人や関係者を大切にする意見を出し、その声について考えさせる、など)。また出来事のプレイをするときにも、あるモデルの立場をポジショニングし、それと対立する立場の人々から生まれる出来事を考えることで、よりプレイに深みを生み出すことができるかもしれない。