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「研修転移の理論と実践」を読み、レゴシリアスプレイメソッドについて考えたこと。
中原 淳、島村 公俊、 鈴木 英智佳、 関根 雅泰 著『研修開発入門「研修転移」の理論と実践』を読んだ。
企業に限らず、組織で行う研修の大きな悩みが「研修したが実践されない」ということにあると本書では問題を提起し、そのための処方箋を提示する。
結論となる研修転移を促進する大きな見取り図によれば、「研修前」「研修中」「研修後」の3期間を全て意識し、それぞれについて「受講者個人に対してできること」の視点、「研修内容を良いものにする」視点、「職場でできること」視点から工夫を加えるということである。
<受講者個人に対してできること>
研修前:準備や事前課題を考える
研修中:後の実践に活かそうとする意識や考え、自己効力感を持たせる
研修後:個別のコーチングによるフォロー
<研修内容を良いものするために>
研修前:ニーズを分析する、ベテランにヒアリングする、経営陣や職場マネジャーなども巻き込んで設計する
研修中:双方向で学習者参加型、目標を明確にする
研修後:復習の機会、行動変化を再度促す、再トレーニング
<職場でできること>
研修前:マネジャーと受講生の会話、研修参加目的の明確化、期待の声を受講生にかける
研修中:職場の同僚による仕事のフォロー
研修後:活用機会の提供、マネジャーや同僚からの支援体制
また、本書では具体的な企業での取り組み事例が6つ取り上げられている。それぞれが手がけるビジネスの性質や職場の状況をよく考えて研修が設計され、実践されている。
実践に転移される研修に、紋切り型で当てはめられる正解はなく、またここで取り上げられている事例でさえ、日々さらに良くできる余地があるはずと取り組んでいることが伝わってくる。
改めて、レゴシリアスプレイメソッドを使う時も、このような大きな枠の中で捉えて最も効果的なタイミングや組み合わせ方を探るべきだと感じさせられた。
そのためには、研修もしくはワークショップ担当者や管理者の話をよく聞き、その人たちに支持され、ワークショップに参加する人たちを応援してもらう体制が大事なのだと気付かされた。
事後に実践に生かしていくことや、その後のフォローの方法なども提案できるようにさまざまな選択肢を開発しておくことも重要だ。
レゴブロックを使うこともあり、まだまだ「意外性」や「楽しそう」という観点で採用されることが多いと思うが、もっとこのレゴシリアスプレイメソッドの本質部分をよく理解してもらった上で活用してほしい。そのためには、ここで書いているNoteよりもさらにわかりやすく、具体的かつ実施のイメージが沸くようなガイドブックが必要なのではないだろうか。また、急いで取り掛かるべき取り組みが一つ増えた感じがする。。。