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思考ルーチンとレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(7)「4つの方位」
今回はこの本の中で紹介されている「4つの方位」という思考ルーチンをとりあげる。
この「4つの方位」は、何らかの提案や状況に対して何らかの決定を行う際に使うことを想定している。
そして4つの方位とは以下から構成される。
(1)東:E:Excitement 提案や状況に対するワクワク感や魅力
(2)西:W:Worries 提案や状況に対して感じる不安や問題
(3)北:N:Needs 提案や状況についてもっと知る必要があること
(4)南:S:Stance,Steps, or Suggestions 現時点での提案や状況に対する評価、次の段階の見通し、改善のための提言
進め方としては(1)〜(3)をそれぞれ検討させた上で、(4)へとまとめさせる。
ここでいう提案の例としては「〜に旅行に行く」や「毎日〜を課す」などのルールの導入などが挙げられる。状況の例としては学校のクラス会での「新学期を迎えて今どうか」とか保護者懇談会で「現状の学校の運営について」などを扱うことなどが挙げられる。
期待できるまたは実績があることといったポジティブな部分と、不安を感じるまたは問題があることといったネガティブな部分の両方をチェックして、さらに判断のために欠けている情報にも意識を向けた上で、バランスの良い決定を目指すことを、この思考ルーチンを通じて身につけることができるようになっている。
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドにおける「4つの方位」
レゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッドを活用したワークショップにおいても、何かに対する提案をモデルで作ってもらったり、その人の状況認識をモデルで作ってもらうことがしばしばある。
モデルを作ってもらった後の通常のプロセスとしては、作り手からモデル表現についての説明および説明が十分で無かった部分についての質問が中心になる。これらは参加者全員がお互いの考え方を共有することを目指して行われる。
参加者全員がモデルについてお互いの考え方を共有していくことで、自然と何らかの方向性が見えてきて、自然にグループとしての意思決定に収束していくことが理想である。
しかし、モデルに十分な材料が出なかった場合には、方向性が見えてこないということになる。
そのようになってしまったとき、もしくはモデルを作って共有しても全体としての方向性が見えてこないことにならないように、この4つの方位の枠組みに沿ってモデルに対して追加の意見を出してもらう方法はとれそうだ。
つまり、
E:「モデルの表現のなかでワクワクする・魅力を感じる部分はどこか」
W:「モデルの表現の中で不安を感じる・問題が潜んでいる部分はどこか」
N:「モデルの表現に現れていない、知りたいこととは何か」
をそれぞれコメントさせるのである。
そして、
S:「何をしていくか、この先の見通しはどうか、提案に対する修正は」
という問いを考えさせまとめさせる。
少し手間はかかってしまうが、この4つの方位の問いを使うことによって、モデルの持つ意味をより引き出すために効果を発揮しそうである。