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九州産業大学商学部 2021年度卒業生のみなさんへ

 2022年3月17日に学位授与式があり、2021年度の卒業生に学位が授与された。教育カリキュラムがフルアップデートされた後の初めての卒業生ということで、初代の学部長としてメッセージを発信しようと考えたが、その日のうちにまとまらず(情けない)、困った時のレゴ®︎シリアスプレイ®︎ということで、モデルとして作ったら文章が生まれたのでそれを以下に書きたい。

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 みなさん、ご卒業おめでとうございます。

 コロナ禍のなか、いろいろな制約と変化を乗り越えての卒業、本当に立派なことだと感じています。

 大学を卒業した後も、同じような変化や思わぬ障害に出会うことでしょう。これからの日本は間違いなく、今よりももっと大変な時代に入っていきます。みなさんにとって、多少の頑張りでは上の世代の古いやり方に引き摺られて知らぬ間に沈んでいき、新たな変化を求めれば上の世代からの抵抗にぶつかるでしょう。かといって変化や前進を諦めれば、それこそ皆さん自身の生活が成り立たなくなるかもしれません。
 卒業を迎えたおめでたい日に、そんな話をしなくても...と私自身も思わなくもないのですが、それが日本を待ち構えている現実なのです。

 しかし、希望を捨ててはなりません。その運命を乗り越えることは必ずできます。平坦な道ではないですが、過去の日本の文化と蓄積、そして皆さん自身の潜在能力を最大限活かし、経済・社会・精神的に、今よりも充実した日々を過ごすことができる可能性はあるはずです。その可能性こそ、商学部が育成したい「次世代のリーダー」がもつものです。

 卒業後もそのようなリーダーとして活躍するには、これからも継続して、より多くの信頼できる文献を読み、自らの見聞を広げていくことが大事です。ゼミナールや演習授業を中心にさままざまな文献講読や情報収集・分析をしてきたでしょう。そこで身につけた技術や習慣を卒業後も続け、この世の中に関する知識をアップデートしつづけてください。

 次に、社会の理想像を描き、そこに何らかの貢献をするイメージを描きましょう。これからは、誰かに任せるのではなく、一人一人が社会に対してどう関わり、良いものにしていくかが社会の力になる時代です。どのような社会が理想なのか明確に描けなければ、さまざまな人から生き方についての知恵を聞き、自分の考えを語り合う機会を持ちましょう。良き社会のリーダーを選ぶのも私たちの責任であり、意志の結果なのです。

 そして新たな可能性への小さなチャレンジを忘れず活き活きとした毎日を送りましょう。本当に小さくて結構です。朝に家族や近所の人に挨拶することや、英会話を毎日10分するとか、周りを豊かにし、自分を成長させるような小さなチャレンジをたくさんしてください。小さなチャレンジの積み重ねの先に、知らぬうちに生じる大きな成長があるのです。

 このことはあなた方卒業生だけではなく、わたしたち教員にも当てはまりますし、全ての世代がこれから持たねばならないことです。世の中とみなさんの人生をより良いものに変えていくために、まずみなさんが小さな行動をしていくのであれば、九州産業大学商学部として、それ以上嬉しいことはありません。

 今後の活躍を楽しみにしています。また学部に遊びにきてください。共に語らい、行動し、共に素晴らしい社会をつくっていきましょう。

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                       九州産業大学 商学部長
                              聞間 理

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