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列島のおみやげ市はじめます

市をひらく

“現場”をつくりたい、今住んでいる東京にローカルをつくりたい。2つの思いから列島のおみやげ市をひらきます。

ただ、まあ細かいことは気にせず。地方の美味しいものを食べに、のんびりした空気感に触れに、編集部メンバーに会いに、近くを通りがかったから寄ってみたり。ゆるい理由で遊びにいらしてください。

第1回(7月24日)は静岡県菊川市のおみやげをどうぞ

初回のおみやげ市は、6月に編集部が訪れた菊川市のおすそわけです。
街のご紹介は、以下の記事をご覧ください。

今回は静岡県内でも珍しい、完全無農薬栽培の岩澤園の一番茶を持っていきます。静岡はミカンが有名になるくらい、温暖で日照条件の素晴らしい土地なんです。ですので、お茶栽培の天敵である虫も多いです。

そうすると、大半の農家さんはお茶を守るために農薬を散布しますが、岩澤さんは完全無農薬で勝負しています。馬の糞を原料にした肥料を使い、「茶畑は小さな森」と語るほど、豊かな生態系を作り出しています。

有機栽培の野菜をスーパーで見るとなんだか安全そう、ヘルシーそうですよね。お茶も同じです。むしろ、ごくごく飲むお茶だからこそ、無農薬の安心安全を味わってみませんか?

菊川の皆さんは、小学校でお茶の授業が必修だったり給食でもお茶を飲んだり、小さい頃からお茶に親しんでいます。そんな人たちが美味しいとおすすめしてくれた、お茶菓子も当日はどうぞ。おすそわけ程度なので、たくさんはお持ちできませんのであまり期待せず…。

もちろん、お茶もお菓子も無料で振る舞います。

小さく始めてみよう、無理なく。

菊川の取材中、お寺で誰でも食堂を運営されている方に話を伺いました。その方から学んだこと。それは、大それたことじゃなく、できることから始めればいいんだよ、ということです。

その方が言っていて印象的だったのが、「誰でも食堂やるってそんなに難しいことかな。別に自分の家でよその子ども何人か食べさせてあげるのでも誰でも食堂じゃない?」というセリフ。

始め方はゆるくていいし、そのまま小さく続けてもいい。必要にかられて大きな規模になるならそれはそれ。そんなことを教わりました。ちなみに今、その方の食堂には100人以上の市民が訪れています。

そこに居られる工夫を

そんな菊川の皆さんの姿勢を見習って、おみやげ市ではお茶を振る舞うだけでなく、市にゆっくり居られる工夫を小さく始めます。お茶を飲んで帰るだけ、というのは少し寂しいですから。

当日用意するのは、小さなフリマ(ローカルで出会ったモノを中心に揃えます)、一箱古本市(こちらはもう雑多にいろいろです)、ハンモック(1台用意するのでゆっくり揺られてください)、原っぱ(原っぱにシートを敷いておくので座って本を読んだりお茶を飲んだり)、木彫り(木彫りに目覚めた編集部員と一緒にチャレンジしてみましょう)

谷中でお待ちしています

7月24日(10時〜17時)は谷中のはらっぱ音地にておみやげ市をひらきます。(雨天の場合は中止です)どなたもいらっしゃらない時間、編集部は本を読んだり、喋ったり、木彫りをしたり、谷中を歩いたり、自由に過ごしてお待ちしています。

当日に向けた情報はtwitterで呟きますので、チェックください。

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市をひらきたい詳しい理由

ここからは列島ききがきノートというメディアが、市をひらく理由を詳しく書いていきます。

ききがきノートを始めて、3ヶ月が経ちました。アップした記事は15本なので、毎週1本は皆さんにお届けできているようです。

立ち上げ前に「記事更新を続けられるのか?」とケンケンガクガクしていたのを思えば、出だしは順調といったところ。引き続き、自然と共に生きる人や10代が尊敬する大人への取材記事を更新していきます。

気持ちを引き締めると同時に、4月から走ってみて気づいたことが2つあります。1つは、記事をアップするだけではききがきノートを「広場」にできないということ。2つ目は、自分たちが住んでいる地域(東京)にも目を向けたいということです。

1:「広場」をつくりたかった

全国のライター(聞き書き甲子園OBOGの1700人を中心に)、記事を一番読んでほしい読者(学生)が、いろいろ立場を変えて楽しんでくれたらいいなと思って立ち上げたのが、ききがきノートというメディアです。

ライターが翌日には読み手になって、読み手だった人が「自分も書きたい」と思って書いたり。“ききがき”という誰にでもできるツールを軸に、ゆるくて賑やかな広場が生まれたら…と考えていました。

ただ、実際はオンラインで記事を更新するだけでは読者の顔は見えず。ライターの地方取材での感動も、記事だけでは100%は伝わらず。

なかなか広場になっていかない道のりの過程で…。

だんだんと、インターネットに言葉を載せるだけでなく、自分たちが大切だと思っている“肌感覚”や“現場”を取材記事で表現するだけでなく、体現したいと感じるようになりました。ウェブだけでは、そのあたりのリアルがするすると抜け落ちていく気がしました。

地方取材はまさに現場そのもの。あの空気感がやっぱりききがきノートにとってはホームなんです。「現場をつくる」そこから広場は始まります。

それからシンプルに、でも大切なことですが、地方取材で出会った面白い大人の魅力・味わった美味しい食なんかをみんなにおすそわけしたいと思うんです。

2:東京のスキマにローカルを

地方での取材は「一般論で言われていないような、この地域の魅力ってなんだろう?」を考える旅です。とにかくその土地をいろんな角度から眺めて、深掘りをして、聞き書きをして、という時間を過ごします。

一方で、じゃあ自分が住んでいる東京の魅力ってなんだろう?と様々な地域を巡るほどに思います。地元のことをもう少し考えてみても良いんじゃないかと。

最近、外国人が撮る東京が話題です。そこには普段見ているような、だけど明らかに違和感のある東京が写っています。その写真を見ていると、東京もローカルだったと気づかされます。

ローカルとはその場にいる人たちによって個性化されるコミュニティのことですが、東京に住んでいると、他者との接点も少なく、個性化が進みません。

地方取材で出会う感動はまさに、ローカルと出会えた感動です。個性化された唯一無二の面白さが胸を打ちます。

東京のローカルが都市化とともに薄くなっているならば、自分たちでつくればいい。そうして、自分たちの住まう場所を面白くすればいい。スキマにローカルを。

メディアを広げる

こうした2つの理由から、今回おみやげ市を始めることにしました。“ききがき”という誰にでもできる優しいツールを軸に、ウェブにリアルに、縦横無尽に列島ききがきノートを広げてゆこうと思います。

(編集長 工藤大貴)

ありがとうございます。 列島ききがきノートの取材エリアは北海道から沖縄まで。聞きたい、伝えたい、残したいコトバはたくさんあります。各地での取材にかかる交通費、宿泊費などに使わせて頂きます。そして、またその足跡をnoteで書いていければ。