ABC分析について
『ABC分析』について
ABC分析は問題行動を減らす、好ましい行動を増やすために大切な戦略手段のひとつです。
A: Antecedent 先行条件;行動の直前に何があったのか
B: Behavior 行動
C: Consequence 結果;行動の直後に周囲は何をして、本人はどう感じたのか(何が得られた・得られなかったのか)
ひとは行動の結果からその後の行動が変わる
と言われています。
そのため、結果として本人が嬉しい・楽しい・気持ちいいといったプラスの経験から「またやろう」と思うのです。
たとえば、
あなたがママさんサークルに参加したとします。
そこで、気の合うお友達に出会え、楽しい時間を過ごしました。
あなたは次回の集まりにも、積極的に参加しようと思いますよね。
お子さんの好ましい行動を増やすには、その好ましい行動を意図的に実行できる環境を作り、プラスの経験を積ませてあげるのがいいと思います。
ケース1
A: のどが渇いた
B: 「わあー!」と叫ぶ
C: ジュースが飲めた
ケース2
A: のどが渇いた
B: 「わあー!」と叫ぶ
C: 周りの反応なし。ジュースなし
ケース3
A: のどが渇いた
B: 「ジュース」と伝える/ ジュースの絵カードを見せる
C: ジュースが飲めた
ケース1とケース3はCの『結果』から将来、この行動は増えると考えられます。ただケース1の「行動」は好ましくありませんので、なくしていきたいです。ジュースはあげないという本人にとって嬉しくない行動を大人がとります。
ケース3のようにジュースがほしいことを「伝える」には。。
同じ状況で、飲み物が欲しくなるシチュエーションを見計らって、癇癪や泣いていない落ち着いた状態の時にシンプルに明確に「ジュース」、「ジュースちょうだい」と教えてあげます。
「伝える」方法はさまざまです。発語があれば、ことばで、まだなければ、絵カードを使って指差しやカードをお母さんに渡す練習をします。この時、練習は毎回「成功」させ(プロンプトしながら)、必ずジュースはあげてください(少量づつ)。
できることを増やしていきたいですね。きっと問題行動は減っていきます。
ABC分析をすることで、「行動」の前にどんなことが起きたのか、そして「行動」の後に大人がどんな対応をして、その結果子どもはどう反応したのかを可視化します。そこで私たち大人がどのような対応をするのが将来に向けて「好ましい行動」に導いていけるのかが見えてきます。
*『絵カード』についてはまた後日説明します。