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肩書きがうまく言えない男の話

職人さん、芸能をやっている方々、あこがれる。
アートを作っている人、スポーツ選手、あこがれる。

その道を極めている人は、見ていて勇気づけられるし、
無条件にカッコいいと思ってしまう。

自分はなかなか一つのことを極めるというのが得意でない。
そのせいで余計あこがれるということがあるけれど、
ひとつ大きなテーマとして、肩書きというか、「名乗り」が明確でいいな〜と思う。

僕は「あなたは何をしている人なの?」ときかれて説明に困る事が多い。
「デザインもお店に立つのも奥さんやスタッフがメインでやってるなら君は何もやってないじゃん!」と言われることもある笑

・カフェ運営者
・お茶屋さん
・雑貨店店主
・シェアハウスオーナー
・大学講師
・代表取締役
初対面の人からするとこのような印象を持つのかなと思う。
たくさんあるが、どれも正しくもあり、どれもしっくりこないと感じる。

今思いつく自分の説明はこうだ。(長いので読まなくても◎)

「幼少期から旅館で育ったので日本文化と日常的な場づくりが2大テーマとしてあり、
それを表現するものとして10年前くらいから日本茶に取り組んでいて、
1号店のカフェと2号店のティースタンドを運営中(予定)だが、
日本茶に限定しているわけではなく、
あくまでも日常の中で「いいな」と感じられる時間を増やすことが目的なので、
プロダクトやアートも扱っているし、自社で企画・開発したり、
イベントをすることもある。
最終的には日常というものをもっと見つめていくことによって、
みなさんに自分らしく感性的に豊かな人生をすごしてほしい。
さらには日本でそれが実現できれば、世界においても価値を発揮できると考えていて、
ひとつのユニークな日常として、多様で豊かな世の中の一端を担えたら最高だと思う。
それを実現するためなら何でもやっています。」

肩書きというか、単なる説明下手でした。
実際には事業企画と、収支計画と、実装までのディレクション(これもわかりにくい)と、お客さんのタッチポイントに関わる細かい調整をすることが多いです。

説明下手な自分としては、
自分自身を見てもらうより、自分が企画して作り出したサービスなりお店を見てもらうほうが、
うまく伝わることもあるな〜と思うことも少なくない。
実際、できあがった場や開発したプロダクトから感じることこそが本質だと思う。

ただ、これだけだと自分のA面の部分だけしか伝わっていない気がしている。
自分の仕事のB面は、経営者としての裏方の役割である。
それがとても創造的で、おもしろいものだと日々感じているので、
それがもっと伝わるといいな〜と思ったりする。

例えばスタッフとのコミュニケーション、社内の仕組みづくり、
仲間を募ったり、保険に入ったり、お金を借りたり。
どれも表に出てきにくくて地味な仕事ばかり。
でもそれらをどう進めるかで、会社が急にうまく回りだしたり、
皆が楽しく働けたり、結果お客さんに良いサービスが届けられたり、逆もしかり。

そうした経営者としてのもろもろも、
大げさにいうとある種の自己表現だと思っている。
なぜならばその活動は間接的ではあるものの、
最終的には必ず会社の外に現れて、人の感情を呼び起こすものなので。

なので現状としては、できあがったサービスに加えて、
その裏側でどんなことが起きてるのかな〜というのを含めて、自分なのかなと思う。

そのサービスを受け取ってどう思ったか、そこに居てどんなふうに感じたか。
どんなスタッフがいるのか、どの人たちがどんなふうに働いているのか。
事業は安定して続いているのか、トラブルにどう対処していくのか。

表現の幅は広がるばかり。でもそれがたまらなく面白いと思える。
こんなことだから、どんどんうまく言えなくなるんですね。
うまく言えなさを楽しみたい。


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