文字から滲み出る思想の好例
しょーもない散文ですご容赦を。
面白いnoteを見つけました。
最初は謙虚な気持ちで自分は難しい事を、オタクは理解できているみたいな論説かと思いきや、随所に「高尚な本読んでて教養のある私でも、分からんもんは分からん」と理解できない具体的過程をすっ飛ばしてdisってる、或いは自分の教養ポイントをひけらかしたいマウント感、そういった強烈な思想の匂いが立て板の裏に隠されたような感じ。伝わるだろうか。
メリトクラシーだのアファーマティブアクションだのトリクル何某だのと語ってる辺りが特にピークです。
オタクとしての自覚、オタクとしての教養もそれなりに広く、深いと言えるぐらいにはそこらのオタクよりオタクだと言える立場のコメントとしましては、「あんま馬鹿にすんなよ」でした。
ウマ娘やFGOやアークナイツをやってみたが、何が面白いのかさっぱり分からなかったとか、虚心坦懐の姿勢で向き合ってきたけど分からなかったとか、それは自分に知性が無いからで、オタクには理解できるから凄いよね、全然分からんから説明してみろよ、力あるものの義務ってやつだぜという論旨なのです。
キモすぎて言語化するのもサブイボが立つんですが、まあちょっとイラっとしたうえになんかハートマーク30個ほどついててこんなのに良いように乗せられてるのが30人もおるんかと思ってですね、ちょっとばかし駄文を綴ろうと思いました。
まずですね、大前提として、この方は虚心坦懐なんてチャンチャラおかしくて、理解しようともしてないです。
『子ども消費者へのマーケティング戦略』
『日本人の情報行動2020』
『日本人は右傾化したのか』
こういう本読んでるんだぜ凄いだろアピールしかしていません。
オタク文化はこういう本より難しいと言っていますが、裏を返せば「こういう本は簡単に俺は読めるんだぜ」っていうメッセージなんですよ。
書いてなくても滲み出ているんです。虚栄心が高い奴のよくやる手法です。分かりますかね、皆さん。
なんで分かるのかといえば恥ずかしい話なのですが、自分自身が自己肯定感が低く、承認欲求は高くとも根暗で陰キャオタクで、ちょっと顔出せないネットだとデカい事言えて、でも叩かれたくないから相手の事ちょっとリスペクトしてる体裁を装いつつ自分のアピールするクソ虫の糞以下のような文言を実際に書いて、その過ちに見悶えた経験があって、オタクとして人間として艱難辛苦を乗り越えてどんなに偏ったジャンルでさえも受け入れられる寛容さとか、大らかさみたいなのが身についたからこそ分かる、所謂小学生の時の恥ずかしいエピソードを思い出して見悶える時の感覚に近いでしょうか。
バイトした金で就活中にグリーン車乗ってWEDGE読んだり、意味も分からんくせに「帝王学」とか持ち歩いたり、「大前研一シリーズ」を愛読書とか言ったりしてた学生時代です。いやあ今でも恥ずかしいですね。
『例えば『ウマ娘』や『Fate/Grand Order』、『アークナイツ』のようなソーシャルゲームはルールや話はおろか操作方法すら一切理解できなかった』
『最近話題のポケモンも、アニメゲーム全てにおいて一切触れた経験がない。オタクになろうと努力して、秋葉原で開かれたMF文庫Jのイベントを訪れてみたが・・・』
この辺を読んでティンッと来たオタクは話の早いオタクです。
そうです、この方はゲームタイトルなんかをつらつらとさも経験したかのように語っていますが、実際にはろくにプレイしていません。
何故ならこれらのゲームはルールや操作方法で迷うような作りになっていません。「チュートリアルを一切読まないで快適にプレイできるゲーム以外は一切理解できないゲームと断じてよい」みたいな縛りがあるのなら話は別です。輪投げでもしていてください。
そう、つまりこの方はゲームの楽しさやアニメの楽しさを理解しようとそもそもしていません。ゲームとは遊びであり、遊びの楽しさは練習したり勉強したり、続けていくうちに段々分かっていくものであり、それは別にオタクでもなんでもないただのガキンチョの、大多数の非オタク低リテラシー族ですらポケモンが大流行してるんだからこれはオタクどうこうじゃなくて大自然の理なのです。
オタクとは、それらを試行した回数の深み、コクのある奴らだと思っています。故にちょっと触っただけで「このゲームの面白さはこういう所にあるタイプだな」とか分かるんです。だから理解が早いだけ。何も楽しむ事に知性とか高尚な事言わんでええんです。
ウマ娘のキャラクター育成のパワプロ味やアイマス味の混じった感じやレースやライブのカメラワークの技術を楽しんだり、
FGOの汎用ソシャゲとして滅びかけた序章辺りから、5章以降の型月節を取り戻した読み応えバツギュンなヘビー読み物ゲームとしての楽しみや、キャラメイクから原典のお勉強をしてオタクとしての教養を深めたり、
アークナイツの中国系にありがちなディストピア系の舞台設定に、FGOに負けず劣らずの文量で押し寄せる肉付けと、他タイトルとは差別化された独特のデザインやイメージ楽曲の造詣を見て、「絵がうめぇぇ・・・」ってやられる楽しみとか、シンプルにタワーディフェンスとしてよく練られたゲーム性を楽しんだり、そういう事を経験した事が無いんだと思います。
恐らくですが、この方が言う「自分にはないオタクの素晴らしい知性」とやらは、そういうサブカルチャーを楽しむ為の共感力のことだと思います。
敢えて知性なんて表現してるのが、もう露骨に皮肉ってますよね。
「知性があるとは到底思えない、こういう難しい本を読んでる自分の方がよっぽど知性があると確信しているが、そんな事ネットで言えばタダでは済まない、だからオタクどもが普段言われないような褒め方でヨイショしつつ、きっちり説明なんてできないオタク文化の良さを賢いんだから説明してみろよみたいな感じでぶん投げてやろう賢い奴の義務だぞ」って感じの悪意すら感じる思想です。
とりあえずポケモン1周クリアしてから出直して来いって感じです。
こんな便所の落書きをご拝読ありがとうございました。