カンヌライオンズ2024 速報 - クリエイティブ・データ部門、ソーシャル&インフルエンサー部門
このマガジンではカンヌライオンズの各部門のグランプリ受賞事例を中心に、まとめていきます。
カンヌライオンズ2024、3日目は
・クリエイティブB2B
・クリエイティブ・データ
・ダイレクト
・メディア
・PR
・ソーシャル&インフルエンサー
の6部門の受賞事例が発表されました。
この記事では
・クリエイティブ・データ
・ソーシャル&インフルエンサー
のグランプリを紹介します。
各部門の定義は以下の通りです。
カンヌはデザインを視覚的なものにフォーカスして捉えているんですね。
クリエイティブ・データ:
アイデアと情報の相互作用を称える部門で、データの創造的な使用がアイデアの核にある事例が対象となる。
ソーシャル&インフルエンサー:
創造的なソーシャル思考と戦略的なインフルエンサーマーケティングを称える部門。
Mastercard
「Room for Everyone」
Agency:McCANN Poland
クリエイティブ・データ部門 グランプリ
クリエイティブ・データ部門のグランプリは、マスターカードの「Room for Everyone」が受賞した。
これはマスターカードが2022年に公開した、ウクライナから隣国のポーランドへ難民が移住するのを助けるWEBサイト「Where to Settle」につづく取り組みとなっている。
「Where to Settle」は、ポーランドでの定住場所を探す人が希望する仕事や家族の人数などを入力することで、さまざまな地域における平均的な生活費や給与などの情報を元に適した居住地が提示されるツールで、ウクライナからの移民の20%にあたる30万人が利用した。
カンヌライオンズ2023のSDGs部門でグランプリを受賞しており、D&AD2024では全部門の中から数点だけが選ばれる最高賞のブラックペンシルを受賞している。
移住が進むにつれて、ウクライナ人が始めるビジネスはポーランドにおける新規事業の10%に達し、ポーランド人から競合とみなされるようになってしまった。
そこでマスターカードが立ち上げたのが、移民が地元企業とともに繁栄できるようにすることを助けるツール「Room for Everyone」だ。
マスターカードの利用データによれば、多くのビジネスは補完的であり、たとえば以下のように近くに位置することで相乗効果を得ることができる関係性が存在する。
・ペットショップはドラッグストアの近くでより成功する
・本屋は宝石店の近くでより繁栄する
・理髪店はレストランの近くでより多くの顧客を引き付ける
これを利用することで、自分の事業をポーランドのどこで開業すると有利かがわかり、それは相補的な事業を行うポーランド人にとっても有益なこととなる。
この結果、新たに事業をはじめる人の40%がこのツールを利用。
ウクライナ人に対するポジティブな態度が10%増加した。
「Room for Everyone」はこちらの記事でも紹介しています。
カンヌライオンズ2024 速報 【予習編】 チタニウム部門ショートリスト 全20事例
CeraVe
「Michael CeraVe」
Agency:Ogilvy PR
ソーシャル&インフルエンサー部門 グランプリ
ソーシャル&インフルエンサー部門のグランプリは、スキンケアブランドCeraVeのスーパーボウルでのCMを軸としたキャンペーン「Michael CeraVe」が受賞した。
スーパーボウルの1か月前から、ソーシャルメディアでインフルエンサーを起用するなどして「CeraVeは、有名俳優のMichael Ceraによって開発された」という陰謀説を流布。
1週間前には、Michael Cera本人が出演するCMも放映した。
そしてスーパーボウル当日、実際にCeraVeを開発しているのは皮膚科医であり、Ceraは関与していないことを明かした。
このキャンペーンは、2000のメディア露出、30億のインプレッションを獲得。
検索数は2200%増加し、スーパーボウル後の週の売り上げは25%向上した。
この事例も、こちらの記事で紹介しています。
カンヌライオンズ2024 速報 【予習編】 チタニウム部門ショートリスト 全20事例
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のグランプリについては以下の記事をご覧ください。