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言葉のバトンを繋いで、私たちが見つけたこと。(言葉の企画2019 特別報告会レポート)

コピーライター阿部広太郎さん主宰「言葉の企画2019」。
10月5日(土)、秋の訪れとともに、卒業の日をむかえました。

しかし、私たちの「言葉」と「企画」の道は、この先も続く。短くて暑かった今年の夏を振り返りながら、また次への一歩を踏み出していきましょう。

8月31日(土)下北沢B&Bで行われた「言葉の企画2019」のトークイベント「『言葉を企画して何が変わった?』特別報告会」。

阿部広太郎さんと共に、「言葉の企画」の企画生、鈴木勇輔さん、ふくままさひろさん、立山紫野さんの3名が登壇しました。

溢れでる言葉とともに、熱気たっぷりでお送りした2時間にわたるイベントの様子を、抜粋してレポートします。

ライターは、言葉の企画生しんみはるなです。

どうぞよろしくお願いします。

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イベントは、阿部さんの挨拶からスタート。

阿部「本日はお越し頂きありがとうございます。僕が主宰している『言葉の企画2019』の初イベント、みなさんと乾杯をして、始めたいと思います。それでは、乾杯!」

会場「乾杯!」

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(昼からビール!最高!)

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①自己紹介

それぞれが用意してきたスライドをもとに、自己紹介がはじまります。

阿部広太郎(あべこうたろう)

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コピーライター、作詞家。今年で5年目をむかえる主宰の講座「企画でメシを食っていく」で受講人数を絞らなければいけないことが悔やしく、「僕ひとりが講師を担当する講座を作れば、もっと受け入れられる人が増えるのでは…!」と一念発起。2018年から「言葉の企画」を立ち上げる。

立山紫野(たちやましの)

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言葉の企画生、みんなのアイドル。産業保健師として会社に従事する傍ら、社外でもいくつかのプロジェクトに参画。「言葉の企画」有志メンバーで進行中の記念日制定プロジェクト「ことばの日をつくろう」の企画立案者。自身の名前をもじったかわいらしい自己紹介で、「覚えてほしーの!」とコールアンドレスポンスし、会場に一体感を作り上げる。

ふくままさひろ

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テテマーチ株式会社のコミュニケーションプランナー。立山さんに負けじと、「最近は言葉の企画の菅田将暉って言われています!」と声高らかに宣言。会場からは盛大な笑いとともに「まさきー!」と暖かい声援が送られた。1日10時間ツイッターをするほどツイッターが好き。

鈴木勇輔(すずきゆうすけ)

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ナレーター、俳優。リーマンショックを機に「やりたいことをやろう」と脱サラし、演劇の世界に飛び込む。「声がいいね」と言われたことがきっかけでナレーターに転身。スポーツ、ビジネス番組をはじめ、数々のナレーションを担当。演劇においては、俳優だけでなく、舞台演出もこなす。

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和気藹々と進んでいった自己紹介。気づけば1時間が経過していました。さすがは「言葉の企画」。ついつい言葉を交わし過ぎてしまう。そんなふだんの講義の空気のまま、トーク内容は本題へとうつります。

②言葉の企画2019での気づき

テーマは、「言葉の企画」で得た気づきについて。応援に駆けつけた仲間たちや、「来年、通おうか迷っています!」と話していた、未来の「言葉の企画生」(!)も、真剣なまなざしで耳を傾けます。

【僕は、僕のままでいいんだと思った(鈴木)

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ナレーターや俳優は「何か」にならなきゃいけない職業なんですね。たとえば、吹き替えで「太ってる人」の役がきたら、僕は太っていないけど「太ってる人」にならなきゃいけない。「演じるキャラの中に僕の要素ってどれくらい求められてるんだろう?」って、いつも考えるんです。

そんな中、阿部さんが講義の中でおっしゃっていた「あなたは何者にもなれない。あなたはあなたになるんです」って言葉が腹に落ちるものがあって。

それがきっかけで自分のことを突き詰めて考えていったら、本来の自分が溢れ出ていくような感覚があったんですよね。「言葉の企画」に通ったことによって「僕は僕のままでいいんだなぁ」と思えました。

【その企画、全員がワクワクできるか(ふくま)

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講義で阿部さんの話を何回も聞いていくうちに、「相手と自分、全員がワクワクできるか?」が企画においてめっちゃ大事やなって思いました。ロジックも大事やけど、好きとか嫌いの感情には勝てないなと思うんですよ。

どこまでいっても「人間は人間だもの」っていうか。合理的な判断ができないことってあると思うけど、感情で選んでしまえる自由な思考が人間らしくていいなって。

ワクワクしてもらうためには熱量が必要で、そのために言葉を使うんだなって思います。あとは、講義で「言葉」や「企画」の法則みたいなものを教わったけど、それは、見てくれる人の気持ちをブチあげるために必要なことなんだなって気づきました。

【熱意と愛で、進んでく(立山)

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第1回の講義課題「一生忘れられない経験の企画」で、「ことばの日」の企画を提出したらすごく票が集まったんですけど、みんなが「一緒に実現させよう」って声かけてくれたんです。そう言ってくれる人がいないと進まなかったと思うから、「リアクションってすごくうれしいな」って思いました。

(「ことばの日」についてはこらち↓)

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私の先輩がくれた言葉、「楽しくないと意味がない。絶対置いていかないから、大丈夫」を、ことばの日のプロジェクトでもすごく意識しています。せっかく集まるから、苦しいよりも、楽しかったなって思ってほしくて。

活動を続けていく中で心が折れそうになったこともあったけど、「この企画は、しのさんの熱意と愛で進むんだよ」って言ってくれた企画生がいたんです。その言葉にハッとして、頑張ろうって思いました。

【企画は、偶然を必然にするもの(阿部)

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第1回目の講義で「一生忘れられない経験を企画してください」って課題を出したんです。これって、今年の4月に「言葉の企画」と「企画メシ」のプレイベント「言葉の企画」特別編で糸井重里さんに話してもらったことがきっかけで。少し内容を紹介しますね。

昔さ、ぼくがまだこういう教室やっているときに、みんなに100円玉出してもらって「外に行ってどこかに捨てておいで」って言ったの。思いついたの、その時に。「お金を捨てるってしたことある人いる?」って言ったらいないんだよ、やっぱり。で、とにかく捨てておいでって言って。10分待ってるからって。でもね、そういうときにもだめな男っていてね。電話ボックスの返却口のところに入れてきて(笑)、捨てないんだよ。女の子の方が全部面白かった。「スカッとしました」って。歩道橋の上から投げたらあんまり飛ばなくて、トラックの荷台に落ちて「そのトラックどこに行くのかな」って思ったら千葉ナンバーだったんで「きっとわたしの100円は千葉に行くんです」とか、そういう話、聞きたくない?(笑)
その実験はあんまり面白いから3回ぐらいやったんだけど、その都度面白かった。たぶん法律的にとか倫理的にとか言ったら悪いことだと思うよ。でも、自分の100円なんだから。「面白かったです!」っていう人には、その経験はものすごい財産だと思う。そういうことがたぶん一緒の時間を過ごすっていう授業であり遊びであるってことなんで。なんなら今度、この人たちのいないところで、自分で考えたかのようにやってみて(笑)。おれね、絶対ここだと海に投げる人いると思うんだよね。もうそれ考えただけでわくわくする(笑)。

この話がきっかけで「一生忘れられない経験の企画」の課題を出そうと思ったんです。そうしたら、「ことばの日」のプロジェクトが生まれた。まったく想像も予想もしてなかったんで、びっくりですよ、本当に。

偶然を必然にするってこういうことだなと。

企画の例えとして「リレー」の話をよくするんですけど、プロジェクトの動きをみていて、自らがバトンを持って走り出してもいいし、それを受け取って走り出してもいいし。そうやって誰かから何かを受け取って次の人に渡していくっていうことが「生きていくってことだなぁ」と思ったりしました。

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③「言葉を企画して何が変わった?」

ラストは、イベントのタイトルにもなっている「言葉を企画して何が変わった?」について。「言葉」と「企画」に向き合う日々の中で、どう変わっていったのでしょうか。

【伝えることを諦めずにいたら、人生に感動できるようになった(立山)

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プロジェクトを進める中で、伝えるのって怖いし、悩んだりもするんですけど、伝えることを諦めなかったら人が変わっていく姿を見れたんです。最初「人見知りで…」って言ってた子が、ミーティングを重ねるごとに笑顔になっていく、変わっていくのを見るのがすごくうれしかったです。

今までは「最近感動したことはなんですか?」って聞かれた時、「オリンピック選手のあれが〜」とか答えて、「自分の人生にもっと感動しなよ!」って言われていたけど、「言葉の企画」や「ことばの日プロジェクト」を通じて、いろんな人と言葉を交わして、泣いたり笑ったりしているうちに「いまの自分の人生、いろんなことがあって感動してるな」って思えるようになりました。これからも自分に感動できる人生を送っていきたいです。

「ことばの日」、今後もイベントとかやって、どんどん広げていきたいです。来年の5月18日、盛り上げたいので、みなさん一緒に作ってください!よろしくお願いします!!

(イベント時は、記念日申請中だった「ことばの日」。10月5日付で、正式に記念日として登録されました。こちらの記念日協会のサイトから、ぜひチェックしてみてください)

(当日は、会場にかけつけた企画生たちが自作のウチワで応援。登壇者全員分の応援グッズを前日から作っていた。)

【言葉を深く意識するようになった(ふくま)

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友達に「ふくまさん、誘いやすいという特性がありますね!」って言われたんです。要は「フッ軽(フットワークが軽い)ですね」ってことで、「フッ軽」だと「褒められてんのかな〜?」って思っちゃうけど、「誘いやすいという特性がありますね」って言われた時、めっちゃテンションあがったんですよ。言い回しが違うだけで、こんなに気持ちが変わるんだなって。

それは、「言葉の企画」に通ったことで、言葉を深く意識するようになったから気づけたんやなって思います。いままで言葉に対して深く向き合ってきたことがなかったんですけど、「言葉の企画」がすごくいいきっかけになった。

もともと企画するのが好きなので「企画メシ」に応募してて、残念ながら通うことができなかったんですけど…、結果的に得るものがたくさんあったので、「言葉の企画」に通えてよかったなって思ってます。

【人生に無駄はないって思えるようになった(鈴木)

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「自分の人生が無駄になってきているんじゃないか」って感覚があったんですけど、自分が歩んできた道がすごく輝いてるなって感覚を、「言葉の企画」に通ってから持てるようになりました。いままでもらった言葉とか、出会ってきた人たちが、後ろから包んでくれているような感覚になったんですね。歩んできた道とか、手にしてきた経験が全然無駄じゃないと思えるようになりました。

あとは、僕はネガティブな発想をよくしてしまうけど、プラスの言葉を口から発せれば、それはきっと叶うと思うので、自分が思うプラスな言葉を日常から使っていければなと思います。その気持ちの応用で「ナレーターへの声かけ」っていうツイートをしたら小さくバスりました。

ボディビルダーの人がパフォーマンスしてる時にオーディエンスが「キレてるよ!」とか声かけるのって素晴らしい文化だなと思っていて。だって、誰でも褒められたいし応援されたいじゃないですか。ナレーターの仕事は、現場行くのも、ブース入るのも、ずっとひとりなんですよ。顔も出ないから「これ僕の声だよ」って言わなきゃ気づかれないし。だから、ナレーターの人たちを応援する気持ちで「こういう声かけされたら嬉しいだろうなぁ」っていうツイートをしました。こういうことを考えたり、行動できるようになったのは言葉の企画のおかげだと思います。

【あなたは何者にもなれない。あなたはあなたになるんです(阿部)

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みんなを見て「想像もしていない未来があるのが、企画だ」って強く思ったんです。「ことばの日プロジェクト」が生まれるなんて想像もしていなかったし、そういうことが起こっていくってほんとすごくて。

一人ひとりの思いからはじまるんですよね。感動したり、心が揺れ動いたりするその人だけの経験から。そこで感じる自分の「考え」や「気づき」を言葉にしていくことがすごく大事だと思っています。

映画でもドラマでも、なんでも構わないです。つぶさに見つめて言葉にしていくことで自分が浮き彫りになっていくと思います。

「言葉の企画」を通じて、それをみんなが実感、体感してくれてるんじゃないかなあ。僕が講座で伝えていた「あなたは何者にもなれない。あなたはあなたになるんです」を体現する人が増えたら嬉しいです。

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*登壇者twitter*

阿部広太郎 https://twitter.com/KotaroA
立山紫野 https://twitter.com/pyonkichi_no
鈴木勇輔 https://twitter.com/yusukesann1121
ふくままさひろ https://twitter.com/fukuma1023

*「企画メシ」特別報告会レポートはこちら*

楽しめる自分を企画できたら、あとは一歩前に進むだけ。

*お知らせ*

11月3日(日)12時〜18時、「言葉の企画」の講義会場である横浜みなとみらい「BUKATSUDO」にて、『企画メシ5周年記念「企画祭」〜湯気ある時間〜』が開催されます。

(サイトTOPのおにぎりをクリックすると、ユースケさんのいい声が聞けます…!)

「言葉の企画」から生まれた「ことばの日プロジェクト」からも、ブースの出展と、記念日の制定記念トークイベントが行われます。

みなさん、ぜひ遊びにきてください。

それではまた、企画祭で会いましょう。

《ライター、編集》しんみはるな
《写真》小田周介

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