③【再・考察編】スマホやゲーム漬けのわが子と、どう向き合ったらいいのか?考えてみました。
これまで2回に渡ってこの問題の理解を深めてきました。
本来は、3作目で解決策を導き出そうと思いましたが、ちょっとまだ問題の理解が浅い気がする。改めて、もう少し解像度高く整理してみます。
親として何を困ってるかというとざっくりと以下の3つです。
1)親子の会話のチャンス(食事など)すらスマホを見てるので何を考えてるのか分からず、家族として寂しい
2)学校と部活以外の時間は全てスマホなので、勉強をせずに、アホになってしまいそう(地頭が悪くなりそう)
3)学校と部活以外の時間は全てスマホなので、その他の人生を彩る機会に出会えなそうでせっかくの人生がもったいない気がする(短期快楽に溺れる人生になってしまう気がする)
一つずつ丁寧に紐解いていきます。企画でもそうなのですが、最終的な打ち手は、課題に対して1対1対応で考えません。工業製品であれば、メカニズムが明確なので、課題1つ1つに対して打ち手を打っていけば確実に解決されるのですが、こと人間のことになると、課題同士が複雑に絡み合ってることがあるので、1対1対応の打ち手では解決できないことが多いと感じます。
最終的には課題1)2)3)を一網打尽にするような「縦の打ち手」を編み出す必要があります。頭の中にボヤっとですがやってみたい打ち手を思いついているので次回ご紹介します。
1)家族として会話がないのが寂しい
まず1)については、ちゃんと子どもに「寂しい」「ちゃんと話したい」と伝えていない自分に気づきました。これまで仕事ばかりの人生で、ちゃんと子供たちと真面目な話をしてこなかったツケが回ってきてるだけです。それをスマホのせいにしているだけです。関係性の質が悪いのです。
なので、これから毎週1時間でいいから、カフェとかで(家から場所を変えて)ちゃんとサシで会話をする時間を取りたいと思います。こちらが真剣に向き合いたいという姿勢を見せない限り、向こうがスマホから目を上げてくれることはない。
ただ、普通に提案すると断られるので、そこはちょっと工夫します(後述)。
2)地頭が悪くなりそう
折角中学受験頑張って勉強して合格したので、何とかその時の頭の使い方を維持して欲しいんだけど、明らかにダレて勉強する習慣もなくなり、テストで赤点を取らないようにという海面ギリギリの飛行を続けている。そうなってしまったのはスマホのせいにしている。本当にそうだろうか?スマホがなければ、わが子は勉強してただろうか?否!
スマホさん、すいません。冤罪です。
そもそも中高大一貫校に入れてる時点で親のメッセージ性が出てますよね。「もう勉強ばっかりしなくていいよ」と。いや、それより前に、受験のモチベーションを維持するために、自分で言ってましたよ。「ほら、ここに入れば、もう高校受験も、大学受験もしなくていいんだよ」って。悪魔との契約してますがな。親自ら。
ということで、ここは、悪魔との契約をした張本人である親が、責任を取る必要がありそうです。
もちろん、赤点および留年はだめですが(と言いながら、留年という経験もなかなかできるものじゃないからしたらいいかも( ̄▽ ̄;)とか思っちゃってる時点で子供が必死に勉強するはずもなく)、それよりも大事なのは地頭が悪くならないことだと思ってます。
僕の思う地頭とは「自分の頭で考えて結論を出して、意志決定して、結果に自分で責任を取れる」ことです。そのためには、自分で決めさせる経験をたくさんさせないといけません。先に決めさせて、失敗させて後悔させて、だからこそ、自分の頭で考える習慣ができていく、そういう順番だと思います。
だから、そもそも親がどんどん顔や口を出して、勉強を「させる」という行為自体が地頭を悪くする最高の一手なのです。
じゃあ、何もしないでいいかというと、そんなに簡単には引き下がれない。自分で考えることの楽しさを味わう機会を提供したいわけです。飽くまで”自分で”それに参加することを選択させて。
3)人生を彩る様々な機会に出会えなそう
最後に3)について考えます。
自分の胸に手を当てて考えます。「じゃあ、自分は中高生の時に人生を彩る様々な機会に出会えて、そのお陰で今幸せか?」
僕で言うとカラオケだと思います。中高で行きまくった。チャゲアスが好きで、ハモりを覚えて、そのお陰でnanaに出会って、こんな彩ある人生になってます。
後はキャンプかな。中学時代の友人5人~10人でチャリンコで相模川まで行って、野宿同然で全て自分たちで準備して泊まるのが楽しかった。大人の助けは何も借りず、その場にあるものや、近所で拾ってきたもので工夫して自分たちでキャンプを創り上げるワクワクは忘れられません。
子供たちはどうか?
カラオケに行かなくても家でyoutube聴きながら大声で歌ってます。歌は大好きみたい。じゃあ、いいんじゃない?
キャンプは一度だけ家族で行ったことがあるけど、ハマってくれなかった。というか、僕が求めてるのは家族で父親が調子こいて仕切ってるキャンプじゃなくて、子どもたちだけで、大人がいない中でドキドキワクワクしながら、自炊する体験。ちょっと待てチャリがない。調子こいて駅近にマンション買ったもんだからチャリがいらない。だからチャリがない。
というか中学受験しちゃったから、近所の友達とは離れてしまった。そのせいで気軽に「チャリでキャンプ行こうぜ」なんて言えない環境になってるだけ。
距離の離れた友達同士のコミュニケーションの場としてオンラインゲームを使ってるだけ。だからオンラインゲームを否定する気はない。
中学受験したせいで、チャリでキャンプに行くという体験の機会を奪ったのは俺だ。スマホが悪いわけじゃない。スマホさんごめんなさい。
悪いのはスマホじゃない、俺だ。
はい。ここまで冷静に見てきて、とんでもないことが分かりました。悪いのはスマホではなくて俺です。
自分が子供の頃には自然と存在した機会や環境を作れてないんです。既に自分とは違う道を歩んでる子どものことをちゃんと想像することなく、自分と同じような機会を得てくれると能天気に期待しているのにスマホばっかり見てる子どもに勝手に苛立ってるんです。
こりゃ、スマホを制限しても何も解決するわけないわ。改めて理解しました。ただ、もうここまで育ってしまうと、親が「これやってみたら?」と無理やり薦めても全然採択されません。逆効果。下手に仕掛けると「ちゃんと自分でやりたいこと見つけないと意味ないと思うんだよね」と、ごもっともな正論で返される(過去実績あり)。
臨むところだ、創ってやろうじゃないの、新しい仕掛けを
一応、私のセルフキャッチコピーは
でございまして、ここで引き下がるわけにはいきません。全国の中高生の保護者の方々が頭を悩ませているこの現代の問題を、何とかして解決したい。
次回は、いよいよ【解決策編】です。
具体的に今考えている打ち手をご紹介します。その後、実際にうちの高1の息子と中1の娘に対して実践していく様子も公開させていただきますのでお楽しみに(撃沈の可能性も十分にある!)。
※2022年11月9日現在【解決策編】は執筆しておりません。
ただし、一般社団法人Fukusenにてこういうビジネスの実験を開始していることだけお知らせします。