今年の自選短歌と!!
今年も残すところあと数時間となりました。
大晦日恒例(?)となりました、自選短歌を発表する時間です。
去年は十首載せていたので、今年も十首です。
※風だから(十首)は毎日投稿している三首の連作ではないため省きましたが、せっかくなのでリンクを貼っておきます。
2024年の自選短歌
・低脂肪乳みたいな色の月のひかりでスープボウルを満たす
・わたくしは天井付近で浮いている匂いさえない朝の孤独だ
・どこからがわたしだろうかわからなくなりそうな目に春の三日月
・話したいこと。生きたいと思うこと。初夏のひかりに滲まないトマト
・なにもない手のひらに降るエミネムのラップみたいなひどい夕立
・秋の夜に翻訳サイトからとめどなく舞うAutumn Colorsの群れ
・ミュージカル映画のように夜をゆくわたしと再会し続ける月
・どこにもない 今は自分の未熟さをただ恥じるインザフラワーガーデン
・もしきみに逢うなら築きかけていたつみきの城を蹴り壊すだろう
・色のないフィルムカメラは自分へと向けられ秋はしずかに覚める
2024年を振り返って
短歌をはじめて、五年以上が経ちました。その五年ほどで私が変われたどうかはともかくとして、短歌は人様に見せられるくらいには少し上手くなったと思います(もちろん贔屓目もありますが)。
そして何よりも、誰にも言わずにこっそり取っておいた、いつか賞の最終選考に残ってみたいという夢が、こんなに早く叶うとは思いもしませんでした。現代短歌一月号は停留所みたいに、またここからがんばるぞという気持ちにさせてくれます。
ずっと私を蝕んでいたむなしさを少しだけ解放することができたように思います。心から生きたいと思えなかった私に手を差し伸べたのは短歌もなので、短歌とは心地よい距離を保ちながら無理なく続けていきたいです。
去年の大晦日の記事で、三首以上の短歌連作を二つ以上投稿するという目標を達成できなかったので、来年は頭の片隅に置いておこうと思います。
来年も楽しんで短歌を詠んでいきたいと思います。
たくさんのスキやコメントをありがとうございました。ひとつひとつ本当に嬉しかったです。今年も一年ありがとうございました。
みなさま、良いお年をお迎えください。