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いろんなお話し

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心に蓋を。3

あ、今日はおじぃちゃんの
ところに行かなきゃね。

週に1回、あなたの役目。

特に話す事もないのにね。

じゃあ何で行くのかな。
おじぃちゃんの様子を見る為?
もう90歳越えてるからね。
いつどうなるか分かんないしね。

それもあるかもしれないけど、
一番は、おじぃちゃんが
会いたがってるからだね。
寂しがってるからだね。

煩わしいね。
同情を誘う様なことして。

それに、ワガママだし、
理不

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心に蓋を。4

あなたは良く褒められるよね。

優しいね。親孝行だね。
兄弟思いだし、おじぃちゃん思い…。

皆の為に自分を犠牲にしている
あなたを、責める人はいない。
あなたを犠牲にしている人達を、
こんなにも憎んでいるのにね。

こんなにもドス黒い感情を
持っているなんて。
親に向かって、家族に向かって
そんな事を思っているなんて…。

家族を憎むなんて、いけない事。
そんな事は許されない。
だからあなたは駄

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珈琲とナポリタンのお店。2杯目

いらっしゃい。

珍しいね。稽古の後に来るなんて。
今日は飲みに行かないのかい?

…まあ、お酒を飲んで、
仲間と語り合うのも必要なことだけど、
それと同じくらい、時には1人で、
温かいモノでも飲みながら
自分と語り合うのも、必要なことだ。

どうぞ、カフェオレ。
ミルクを多めに入れたから
苦くないと思うよ。

...もう歳なんだから
夢ばっかり見てちゃいけない、か。。
若い子にそれを

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珈琲とナポリタンのお店です。どうぞよろしく。

いらっしゃい。

最近よく来るねぇ。
いやいや、歓迎してるんだよ。
いつもありがとう。

外回りは終わったのかい?

そうかぁ。今日もダメだったかぁ。
営業は大変だね。

キミは凄くノロマだからなぁ。
まあ人の事は言えないけど。

私たちノロマな人間はねぇ、
ガムシャラに頑張るのって
向いてないと思うんだ。

…ガムシャラにというか、
せかせかしちゃうのが。ねぇ。

サボれという意味じゃないよ?

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心に蓋を。2

大人になったね。
弟も大きくなった。
お父さんお母さんは歳をとった。

出来ることが増えたね。
段々、身体の不自由さが増した。
お父さんは腰が痛いんだって。
お母さんはパートを始めて、
いつも疲れてる。

あなたが頑張んなきゃね。
弟にかまいっきりの、
お父さんお母さんを支えなきゃね。
あなたはもう、子供じゃないもんね。

でも、大変だよね。
大の大人を3人。1人は身体が不自由だけど。

いつまで

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心に蓋を。

あなたに弟が産まれたね。

でも障害を持ってる。

歩けない。身体を自由に動かせない。

でもあなたもあなたの両親も笑顔。

頑張って産まれて来たんだね。

嬉しかったんだね。

でも弟が成長するにつれて、
苦しくなるね。

両親は身体の不自由な弟に
かまってばっかだもんね。

親戚のみんなにも言われるね。

ちゃんとお父さんお母さんの
言うこと聞けて偉いね。
ワガママも言わないし偉いね。

でも

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はじめまして。

『はじめまして、私の赤ちゃん。
お母さんです。
あなたは男の子かな。女の子かな。
名前はどうしよっか。

…ふふっ。
優しい子に育って欲しいな。

わたしのところに来てくれて、
ありがとう。』

ん…。んん…。

なんだろう、声が聞こえる。
とても暖かい声。優しい声。

ボクに話しかけてるのかな?

…ごめんなさい。なんて言ってるのか、
分かんないや。

分かんないけど、すごく心地いいな…。

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あたしが友達!

「あたし政治家ってマジ嫌い。」

「どうして?」

「だって皆、ホントはお金の事しか考えてないんでしょ?どっかのお偉いさんに賄賂ったり、プライベートな事でも、政治の為だーっとか言ってお金じゃんじゃん使っちゃうじゃん?ホントありえないよねぇ。」

「怒ってるねぇ。」

「当たり前じゃん!皆が頑張って稼いだお金だよ!?まあ、あたしまだ学生だけど。」

「まあ確かにね。テメェちゃんと給料貰ってんだろ、っ

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なりたいモノ

「お前は、なりたいモノになりな。」

「なりたいモノ?」

「そうだ。お前には何かなりたいモノはあるか?」

「よく分かんない。。」

「ははっ。じゃあ、今は何をしてる時が楽しい?」

「今はっ、友達と川や山に行ったり、ゲームしたり野球したりするのがたのしい!」

「そうか。」

「?」

「…いや。それでいいんだよ。お前が楽しいって思う事を一生懸命やってれば、それはお前のなりたいモノだ。」

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