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運動障がいのある子どもたちとともに歩んできた道
『理学療法士になって心からよかったと思う』
私は20年目の理学療法士です.
国家資格を取得して,常に障がいのある子ども達を身近に感じ,一緒に前に進んできました.これまでは,施設や学校に勤務し,昨年春からフリーで活動しています.
通園施設や入所施設では,運動発達を促す支援や,日常で使う椅子や机の調整,保育を受けるときの手や目を使いやすい環境づくり,車いすや歩行器などでの移動支援,保育園や幼稚園,特別支援学校,地域の学校の先生との情報交換を通して,障がいをもつ子どもたちを身近に感じながら,色々なことを子どもたちから学び,仕事を続けてきました.
専門学校や大学では,障がいのある子ども達に関わるための知識や技術について講義を行ってきました.
この20年間の出会いの中で,沢山の子ども達との笑顔や達成に満ちた表情をみていると,本当に理学療法士になってよかったと心から思います.
一方で,理学療法士として仕事を続けてきたけれど,障がいをもつ子ども達に関わってきて,その障がい像と発達経過や,世の中の情勢をみてきて,だんだんと自分自身の支援に対する世界観や目標が変わってきたというのも事実です.
ちょうど19年たつ頃に,母親の介護,そして家族の死に直面した時,これまでの支援の在り方を考え,これからは在宅で暮らしている障がいをもつ子ども達や,その子どもたちを支援するご家族,支援者の方のために働きたいという思いが強くなりました.
今の私自身にとっての最終的なゴールが,単に限られた環境の中で理学療法を行うことや,それを学生に伝えることではないことに気がつき,一旦,所属している職場を離れることに決めました.
これからは,個人事業主として,直接関わりがある子ども達や学生さん以外にも,広く世間一般の方にも,障がいをもつ子どもたちに関する情報を発信していきます.
『いま私にできること』
実際に現場の子ども達や学生さんへの授業を行うこと以外に,これまでの自分自身の経験をもとにした情報を皆さんに伝えていくことができると思っています.
その内容を並べてみます.
✔障がいをもつ子ども達の障がいのお話
✔障がいをもつ子ども達の福祉制度のお話
✔子どもに関わる理学療法士が働く分野のお話
✔障がいをもつ子ども達が利用する通園施設とレスパイトを含む入所施設のお話
✔運動障がいをもつ子ども達にたいするリハビリのお話
✔運動障がいをもつ子ども達の発達経過と変形進行などのお話
✔運動障がいをもつ子ども達の就学後のお話
✔重度の運動障がいをもつ子ども達が使用する車いすや座位保持装置のシーティングへのアドバイス
✔車いすや座位保持装置の選び方
✔なぜ私が理学療法士になろうと思ったのかについてのお話
✔なぜ私が障がいをもつ子ども達にかかわる分野に就職したのかというお話
✔理学療法士を目指す学生さんへの小児理学療法のお話
✔理学療法士国家試験における小児理学療法分野の問題の解説
これから,もっと勉強しようと考えていることは,
✔放課後等支援事業などの地域でお預かりするサービスで理学療法士としてできること
✔自閉症や注意欠陥多動性障害,学習障害など,発達障害について知識を深め,発信すること
✔これまで経験していたことの知識や経験を文章化すること
✔情報発信の仕方
これまで出会った沢山の子ども達とご家族,学校の先生,保育士さん,コメディカル含む支援者の皆さんから学んできたこと,自分自身の歩みを振り返ると,まだまだ沢山でてきますね.
これから,もっともっと,今の自分にできることを探しながら,障がいをもつ子ども達とその家族のためにできることをやっていきたいと思います.