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私の未来のためにできること

「未来のためにできること」。みなさんもご存じのように、持続可能な世界を実現するため、2015年に17の「持続可能な開発目標(SDGs)」が設定され、環境問題・差別・貧困・人権問題などといった諸課題を2030年までになんとか解決しよう、という世界的なレベルでの取り組みが進行中です。未来のためにできることを、「地球人」としてさぐる時代がきています。とはいえ、「未来のためにできること」の前に「私が」をつけたとたんに、いったいこのちっぽけな私に何ができ、どれだけの成果があげられるのか、という無力感に襲われることも確かです。ところが、「未来のためにできること」の前に「私の」をつけると、話は大きく変わり、自分自身の未来をどのようにしていくのか、にフォーカスされていきます。

ここでは、「私の」をつけたテーマでその思いを記していきたいと思います。

私が、今、私の未来のためにしていること。それは、「身を軽くしていくこと」です。私は、38年という長きにわたって教師という仕事に携わり、現在、若手教員の育成に力添えをする仕事をしています。「身を軽くする」とは、そんな私が長きにわたって身につけたものや背負ったままのものを、いったん下ろしていくことです。具体的にどうすることか。それは、私の中のものを「放つ」ことです。さらに言えば、私が経験したもの、積み上げてきたものを、私の中がからっぽになるまでのアウトプットしきってしまう作業のことです。現時点でのそれは、若い先生方とともによりよい授業のことや子らの指導のことについて勉強し合うことを通じて行っているものであるのです。出し惜しみは、しません。また、実は、このnoteへの記事の投稿も、その「放つ」活動のひとつにほかなりません。よく世間で言われる「終活」に似たものがありますが、私はまだまだそこまでの歳ではありませんから、少しそれとは違う作業でもあるのです。

身を軽くすることによって、私自身の輪郭が今よりももっとはっきりしてくるように思います。「私とは、いったい何者なのか」「私が私として残っていくものは、何なのか」をきっと見ることになるでしょう。とても楽しみです。また、身を軽くすることによって、次なる新しいものを身にまとえるような気もしています。そして、最終的に、私がこの「放つ」ことを成しえた後になっていたい私は、「かわいらしいおじいちゃん」なのです。

(本文996字)

#未来のためにできること