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「図解」の自主トレ

私たちは、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚によって身の回りの情報をとらえ、それらを統合しながら生活しています。
なかでも、視覚(ビジュアル)による情報の取得は群を抜いており、このことは、「百聞は一見にしかず」ということわざにも通じるところがありますね。
よって、学習場面において、視覚的なわかりやすさについて工夫したり配慮したりすることは、学習者の興味・関心を高めさせるだけでなく、理解を助け、思考を活性化させたり記憶に長く留めさせたりするうえで、とても大切なことであると考えます。

視覚的なわかりやすさへの配慮の中でも、「図解」することは、指導者にとってとても大切な視点のひとつです。
ここで言う「図解」とは、イラスト・図・表・記号など使って視覚的にわかりやすくすることを言います。
指導者は、この「図解」する力をぜひとも向上させたいものです。

そこで、この記事では、
「図解」することのトレーニングを、皆さんにしていただこうと思います。

トレーニングは、4つ。
紙とえんぴつを手元に用意して、汗をかいてみましょう!
なお、ハコ囲みで示したものは、よりよい図解へのヒントです。
また、解答例をこの記事の最後に示しますから、どうぞ十分に取り組んだのちに確認してみてください。

では、スタートです!

トレーニング①

大阪から京都まで新幹線を使うと2時間半。飛行機を使うと1時間である。このことを図解しなさい。


トレーニング②

琵琶湖は、滋賀県の面積の6分の1である。このことを図解しなさい。


トレーニング③

「リーダーシップを発揮する」を、図解しなさい。


トレーニング④

次の文章を読んで、図解しなさい。

 送り手と受け手の間でやりとりされる内容には、かたく確かな部分と、あいまいな部分があります。前者は言葉や絵図にして明示できる内容で、ここではそれを「ソリッド部分」と呼ぶことにします。また後者は、言葉や絵図などで表しきれないあいまいな内容をいい、「ファジー部分」と呼びます。
 例えば職場で、上司がある部下に「明日までに資料作成しっかりと頼むよ」と言ったとします。この場合、資料の締め切りが明日ということが確かな内容であり、ソリッド部分です。他方、「しっかりと」に込められた上司のニュアンスはファジー部分です。どれだけ綿密に資料を仕上げればよいかについてはあいまいです。
 送り手は、送る内容のすべてを明確に言語化して発信することはできません。それは表現する力の稚拙もありますし、そもも自分が持つ内容自体があいまいな場合もあるからです。同時に受け手も、受け取った内容を送り手に意思どおり完全に把握することはできません。読解する力の稚拙もあるでしょうし、独自の解釈が割り込むことが自然だからです。
    (『スキルペディア』による)


いかがですか。
ねばり強くチャレンジできたでしょうか。

指導者にとって、この「図解」する力の向上が図れれば、きっと生徒に示す板書や学習プリントなどは違ったものになることでしょう。
また、生徒自身にとっても、この「図解」する力は欠かせません。簡単な絵・図・記号などを使って「図解」させることで、思考を整理させ、ものごとを単純化したり構造的にとらえたりすることができます。そして、このことは、日々の学習ノートづくりにもつながるのです。




トレーニング➀~④の解答例を示しておきます。

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