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140字を4文で
私の住む県では、公立高校入試の国語科の試験において、長きにわたって140字の作文が出題されています。グラフや図表が示されたり条件が示されたりする中で、自分の考えを適切に表現する力が試されるのです。
入試問題は、受検生がここまで身につけた力を問うものであるとともに、中学校の指導者が中学校3年間で子らに「つけさせておくべき力」を示しているという側面もあります。よって、国語科の指導者は、140字程度で自分の考えをきちんと書ける子らに育てる必要があるのです。
この記事では、まずは確かな一文を書ける指導について、そして、140字程度をどう書くかの指導について紹介します。
まず、確かな一文。
次のような学習プリントを作成し、指導します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727839158-JYNKMk7ACb9chZoE8Uvnt1x4.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1727839172-6KueOGEfcdrQXSAZ5ysHFlj9.png)
確かな一文への意識を高める指導です。
特に、下に示すように係り受けがしっかりできた一文であるかは、指導の際の大切な視点のひとつです。
【誤】私の将来の夢は、人類の幸福のために働く医者になりたい。
【正】私の将来の夢は、人類の幸福のために働く医者になることです。
次に、140字程度が書ける指導。
「書くこと」が書き手の「思考」のアウトプットであるなら、思考を組み立てて書くことを意識させねばなりません。その指導のポイントは、4文で書かせることです。やみくもに140字に向かわせてはなりません。4文というのは、私が国語科の指導の中で得た適切解です。4文の組み立てなら、子らにもなんとかできるトレーニングとなります。
4文で140字を書くトレーニング。
次のようなステップを踏ませながら指導します。
![](https://assets.st-note.com/img/1727839183-7zEl5hr93xckHPCdtZVeI2j1.png)
ご覧のように、同じ書き出しでも、書き手の「思考」によってできあがる文章が異なってくることがわかりますね。文と文とをつなぐ言葉を意識して使わせることがポイントです。この言葉のチョイスこそが、書き手の「思考」にほかなりません。慣れないうちは、このことを大切にさせます。
![](https://assets.st-note.com/img/1727839195-GcZFjm9xrn5z6aX0INOMqub8.png)
ご覧の原稿用紙が、求められる140字の文量です。読者の皆さんは、多いと思われましたか?少ないと思われましたか?
学習プリントのように、4文の構成(4文それぞれの働き・役割)を意識させてから書かせるのです。また、「読書の楽しいところは、」と書き出しているのですから、この一文の結びは、「~ところです。」としなければならない「しかけ」付きです。
もちろん、できあがった文章は、子らどうしで読み合い、確かめ合います。
確かな一文が書け、4文を構成して適切に表現できること。
指導者は、何について書かせるのかについも研究せねばなりません。機会をとらえたねばり強い「書くこと」の指導が求められます。