受話器の向こう
深夜、静かな場所に鳴るアラーム音。
プルルルル。。。。
プルルルル。。。。
「もしもし、すみません。○○の○○です。」
「おぅ、夜間の内線は○○か○○って知らないのか?」
「えぇ、すみません。かんじゃ・・・・」
「あのなぁ、〇〇か○○に内線することになってるやろ。22:00以降は(以下、省略)」
やってしまった。慌ててしまって内線かけるとこ間違えた。。と、その時は思いました。後から聞いた話では、そんな業務連絡は回ってないから、内線をかけた場所は間違ってはなかったと、上司・先輩からそう言ってもらええましたが・・。
電話で内線をかけたとき、私の目の前には、まさに今、生命の終末期を迎えている方がいたのです。
いつ止まるか分からない心臓と、受話器の向こう側。その間にいる私。
なんだか悲しい気持ちになりました。
基本的に、院内PHSが配布されていない現場で、固定電話の内線を使ったやりとりは、番号一覧を探すのも一苦労です。今振り返れば、それよりも、早く業務的な連絡を終わらせて、患者のそばに寄り添いたい気持ちが焦りを生み出していました。前述した内線での時間は、貴重な時間でした。
適切な内線番号を選択していたら・・・と、思わずにはいられない状況でした。
急いで遠い受話器を取っていただいた方には、感謝と同時に、後で言ってほしいなと思ったのは正直な感想でした。
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受話器の向こう側は、今言わないと未来に何度も同じことが起こる可能性があり、今言うことが必要と考えたのかもしれません。見えないだけで、受話器の向こう側では、何かしらの出来事が起きていた可能性も否定できません。息遣いの荒いトーンだったので。
それに、転職前の自分を振り返れば、受話器の向こう側の方と同じことをしていたかもしれません。
受話器を取った時の一言。見方、考え方1つで変わるものです。
考え方
航空業界にいたころ、大規模な経営破綻に遭遇しました。
まさに、奢れるものは久しからず状態。世間からのバッシングは相当でした。その時に受けた稲盛元会長のビデオ教育。私たちが変わらなければならないのは、まさに「ものの見方、考え方」でした。
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
この「考え方」の部分を+100点にするか-100点にするか。考え方の部分は、振り幅が大きく、マイナスな方向で考えれば掛け算はマイナスにしかならない。プラスの方向で考えることが大事だと仰っていました。
常に前向きで建設的であること。感謝の心を持ち協調性を有していること。明るく肯定的であること。善意に満ち、思いやりがあり、やさしい心を持っていること。努力を惜しまないこと。足るを知り、利己的ではなく、強欲ではないこと。
これらを、頭で理解するだけではなく、体の奥まで染み込ませ、血肉化しなければならない。
プラスの方向の考え方を血肉化するのは、10年経ってもなかなか難しいものです。
医療人としても社会人としても、未熟者ではありますが、日々の意識づけを大切に継続していきたいですね。自分自身が経営破綻しないように。
慌てて緊急コールをしたら、ご指導をいただいたお話でした。
お粗末。