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27歳になった。
27クラブを知った時、私も27歳で死にたいな、と思ったりもした。
びっくりするほどあっという間に20代は過ぎていく。
そういうと、年上の方に30代はもっと早い、40代はもっともっと早いと言われる。
今でさえ振り落とされないよう必死なのに、もっと早くなったら落ちちゃうかも。
くだらない悩みとか、煩わしい物事とか、私を尊重しない人とか、もう着ないちょっと派手な服とか、いつか使うと取っているショッパーとか、そういうものを手放して身軽にしておかないと。
私の両腕じゃそんなに大荷物は持てない。
27歳の誕生日は、土曜日。
金曜日から土曜日へ、日付が変わった瞬間、小学校からの友人が1番にメッセージをくれて、少し泣いた。
朝起きると、友人各位からLINEやインスタのDM、ストーリーのメンション、ほくほくと嬉しくなる。
嬉しい。嬉しい。とっても。
いつもは主役じゃなくていいけど、今日だけは私が主役で、今日だけはなんにも嫌なことないといいな。
今日以外の365日は自分の幸せを願ってほしいけど、今日だけは、世界中みんながちょっぴり私の幸せを願ってほしい。
100あるうちの2とか3とかの割合で。
あいにくの雨。
今日に関しては恵みの雨。
今日雨が降ることはちゃんと把握済みだったので、できる子の私は前日に、ワインを買っている。
会社のお姉様にいただいたケーキもある。その二つがあれば十分だ。
なんせ、今年の誕生日は私は人生で初めて1人っきりで過ごすのだから。
少し寂しいけど、本当はワクワクしていた。
お気に入りの服を着た。
27歳の私も結構可愛いみたいでよかった。
26歳もいい感じだったけど。
外へ出て、まずは百貨店へ。
1階の煌びやかなフロアで、お気に入りのブランドの気になっていた香水を買った。
香水、普段そんなに使わないのに!
ただ、一度テスターで試して以来、あの甘く柔らかく、それでいてどこかつれないようなそんな香りが忘れられなかった。
こんな香りが似合う女性になりたい。
その後雑貨店へ。
きらきらしたレターセットを買った。
1年後の今日、28歳を迎える私へのお手紙を書くために。
小腹が空いたのでスタバの新作を。
ぱちぱちするやつも。
派手な見た目と違い、甘くて美味しかった。
練乳みたい。練乳を直で吸えるくらいには甘党なので、もう少し甘くてもいいかも!と思ったりもした。
ぱちぱちはオレンジだった。オレンジがいいなぁと思っていたらオレンジだった。
1/3だけど、私って運がいい〜と思っちゃう。
そろそろフラペチーノを完飲するには寒い。
最後の方はがたがた震えながら飲んだ。
イヤホンからはハッピーラッキーバースデーが流れる。
私が1番好きな、バースデーソング。
その後はサロンへ行き、眉毛を整え、まつ毛を上げてもらった。
担当してくれたサロンのギャルのお姉さんが、たぶんはたちくらいの若い女の子で、可愛い。
え〜まつ毛いい感じ〜!とけらけら笑い話す彼女の笑顔が曇る日が来ませんように、なんて思ってしまう。
あなたが上げてくれたまつ毛だよ。
よく、若い女の子に嫉妬するなんていうけど、あれは嘘だと思う。
年下の女の子、めちゃくちゃ可愛い。
この世のありとあらゆる理不尽から守ってあげたい。
そういえばまだ今よりも若かった頃、バイト先のしつこいお客さんから守ってくれたのも、飲み会の下ネタやセクハラから守ってくれたのも、王子様なんかじゃなくて、年上のお姉さんだった。
いつか私も、そんな強さと優しさを持った年上のお姉さんになれるかなぁ。
なりたいなぁ。
ギャルちゃんに眉とまつ毛を整えてもらい、駅ビルへ向かう。
催事場をぐるりぐるりして、自分が何を食べたいのか分からなくなり、結局焼き鳥屋さんでテイクアウトして帰った。
家に帰って、余っていたケールやトマトでサラダを作り、焼き鳥を少しグリルで焼きなおして食べた。
私は飲むと胃がバカになるタイプなのでいつもの5倍くらい食べる。
結局、ケーキも4人くらいで分けて食べるサイズのものを1人でほぼ食べた。残ったのは1切れ分くらい。
ワインも1人で1本空けた。
アルコールで誤魔化した孤独が襲ってくる。
先日失った友人のことを思い出していた。
本当は今頃、一緒に過ごしてたのかなとか、少しでも今日私を思い出してくれたのかなとか。
記憶力が無駄にいいから、忘れたくないことも忘れたいことも、あまりにも多すぎる思い出が雪崩のようだ。
私は忘れられないし、忘れないから、たまにでいいから思い出して。
傷つけたことも、傷つけられたことも。
自分の気持ちを踏み躙った最低なやつだったとか、そんな記憶でも構わない。
ただ、本当にたまにでいいから私を思い出して、もっともっとたまにでいいからほんの少し後悔していてほしい。
そんな性格の悪い私は毎日思い出して、毎日後悔している。
毎日トークを見返して、たまに泣いている。
もう毎日涙が出ることは無くなった。
ソファでごろごろしていると友人から電話しよ〜と連絡が来て、電話をした。
だけど話していてもどことなく満たされない。全く失礼なやつだと思う。
そんなに後悔するのなら好きだったんじゃないの?と自分でも思うけど、失恋の痛みとは少し違う。
もっとずっと痛い。
後悔しない人生を生きたいとは思わない。
私はどんな選択をしても、きっと後悔する。
ないものねだりな人間だから。
だからせめて、後悔した時にそれでも自分の選んだものを否定せず、あっちも楽しかったけどきっとこっちも楽しいよ、と自分に言えるようになりたい。
27歳の、そんな目標を立てた夜。
おめでとうね、わたし。
27年生きてくれてありがとう。
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